おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
5月はじめに報道された高知県大川村議会が維持できなくなるかもという話。今朝の新聞報道でも、大川村村長が想定外の事態である議員のなり手がいないという想定のために、村民総会を研究することを正式に表明したと伝えられています。
そんな大川村のことがちらっと出てくる本を読みました。
紹介されている商品は「CO2のカンヅメ」というもの。木には、二酸化炭素を吸収して閉じ込める作用がある。これを実際に考えるために、缶詰型の木材を教材とし、商品提供をしています。
読んだ本は、「ニッポンの風景をつくりなおせ」(梅原真著)です。
この本を読んだきっかけは、ゴールデンウィークの直前に、憲法学者の木村草太さんが、ラジオ番組で勧めていたのを聴いたから。
木村草太さんは、社会で起こっていることを、とても論理的に説明なさる論客。いつも聴いていて関心することしかり。こういう学者さんが勧める法律の専門書でないものに、興味を覚えたものです。
著者の梅原真さんは、【会津野】書籍「わかりあえないことから」で書いた平田オリザさんと同じく、NHK Eテレの「東北発☆未来塾」の講師で出演されていたときに私ははじめて知りました。
この本は、日本の一次産業の産品にデザインの力を掛け合わせ、売れる商品を創っていくことが主題もの。
巷での商品開発と言えば、付加価値を考え、それを付加することで商品価値を高めていく方法がよく用いられます。しかし、この本に紹介されている方法は、余計なものをそぎ落とし、一次産品そのものの価値を最大限に引き出し、それをどう伝えるかという「デザイン」が主になっています。
CO2のカンヅメも、商品そのものは「木材」だけのもの。CO2を吸収し固定化しているという事実を伝えるために「デザイン」を駆使しています。
憲法や法律も、社会におけるルールの本質を「言葉」を使い記しているもの。しかし、言葉は、読む人それぞれが置かれている状況により、いろいろな解釈ができ、一般的にバイアスと言われるものが存在する。ただ、余計な言葉をそぎ落としていくと、その解釈はだんだんとひとつのものに近づき、物事の本質が見えてくる。
木村草太さんは、法律から本質を導き出す手法に近いものを、もっとわかりやすい一次産品という商品で考えることができる書籍として、紹介したんだろうと想像しました。
この本は、田舎で暮らす私たちに、新たなひらめきを与えてくれます。
宿に置いておきます。1時間くらいで読める本ですので、ぜひ皆さんにも読んでいただきたい書籍です。
今日も素敵な一日を過ごしましょう。
※コメントは、旅人宿会津野Facebookにて承ります。
※ご予約は、旅人宿会津野ホームページにて承ります。