音信

小池純代の手帖から

日毎の音 壁 201220

2020-12-20 | 日記

  壁


 壁面に落書きをすることもなく過ぎ来てやがて透きとほるかな


 壊されてしまへば壁はたちまちにありにしことも忘れられたり


 お豆腐の角ではたぶん無理だらう豆腐の壁ならもしやあるいは


 空もまた壁のひとつでそのうちの小さいやつは天井といふ


 丸つこいトリコロールのバスを待つ煉瓦の壁に肩をあづけて







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