音信

小池純代の手帖から

日毎の音 鳴 210112

2021-01-12 | 日記
  鳴


 うたてしやうたたごころのうたごころうつつの器うち鳴らしつつ


 鳴るものはみなそれぞれのうろを持つ打たるることを待てるうたかた


 音とともに羽根を落としてくれさうな夜鳴く鳥の声ぞしたしき


 鳥が鳴く東の国の鳥籠にもの言はぬ鳥うら泣かぬ鳥


 喉笛は人がはじめて鳴らす笛はじめて通ふこの世の空気






コメント    この記事についてブログを書く
« 日毎の音 転 210111 | トップ | 日毎の音 巻 210113 »

日記」カテゴリの最新記事