音信

小池純代の手帖から

うたつらね 1

2019-02-01 | 日記

 欲識生死譬  
 且将氷水比  
 水結即成氷  
 氷消返成水
 已死必応生
 出生還復死
 氷水不相傷
 生死還双美 

 ※作者は寒山。題名はなし。  
 これを読み下しつつ意訳すればこんな感じ。 

  生き死にはたとへて言へば氷水  *氷水:こほりみづ
  水のかたまりそれ氷  
  とけた氷はそれは水
  死んでしまへば次の世へ  
  生まれてきたら次は死へ 
  氷も水もともによし
  死ぬも生くるもともによし  
  ふたつともよしとてもよし
   
※「氷」「水」から連想するのがよみびと知らずのこの都都逸。 

 とけて流れてしまへばもとは
 水と悟つたゆきだるま



コメント    この記事についてブログを書く
« ぶぶんぶん(10) | トップ | うたつらね 2 »

日記」カテゴリの最新記事