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合間の博物館旅日記

博物館を回りながら日本各地を旅をする過程の壮絶な日記。(2005.4-9月)
旅終了後は適当に随時更新の予定。

宮崎駿の作品の変遷を追う

2010-01-24 14:10:57 | Weblog
宮崎駿の意志がもっとも明確に反映された最初の作品は「未来少年コナン」といえるだろう。舞台は、核戦争により荒廃した地球。残され島で自然児として生きるコナンが、ラナを、そして世界を救う話だ。宮崎の文明批判、自然回帰のメッセージが如実に現れている。それをさらに進めたのが、初監督作品である「風の谷のナウシカ」だ。
ナウシカはその後も「アニメージュ」誌上で連載を続け、映画「もののけ姫」という形に集結する。この三作品は同じ時系列の物語として並べることが可能だ。

これらの作品以外にも、同様のテーマは描かれている。「天空の城ラピュタ」の最後のシータの台詞。「となりのトトロ」に描かれる日本の原風景なんかはそうだ。

一方、「おもいでぽろぽろ」や「平成狸合戦ぽんぽこ」を手掛けた高畑勲。似たような思想を持ちながら、両者の演出は全く異なる。そのいい例が「火垂るの墓」だ。
反戦を如実に打ち出したかのような本作は、当時何と、トトロと並映された。トトロを楽しみに来た多くの親子は、この悲惨な戦争映画を無理矢理見させられ、たくさんの幼児がトラウマを抱えてしまった。ジブリ始まって以来の暴挙といえるだろう。
宮崎駿はそういうあからさまな描き方をしない。いや、経験上そうした作品は観客に拒絶され、メッセージの効果が上がらないことを学んだのだった。観客はそんなしちめんどくさい映画を、お金を払って見に来ないのだ。
ちなみに、反原発・脱原発のブームが巻き起こった時、いとうせいこうや景山民夫らに混じって高畑勲も声高に発言したが、宮崎駿は沈黙を守った。ここにも両者の明確な違いがある。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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新幹線男。 (電車男。)
2013-01-22 00:47:12
勿論スタジオジブリは最高ですよ。
当然スタジオジブリは魅力的ですよ。
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