台風11号の影響で、名古屋は昨日からずっと雨。
結構風も強いです。明日までは雨が続きそうな感じ。
もう一つの台風(12号)もいるので、梅雨明け、どうなんでしょうね。
さて、今日は、特許査定に対する不服申立てが争われた、ちょっと変わった判決を紹介します。
知財高平成27年6月10日判決(知財高裁3部)です。
なにが変わっているかって、
特許庁の審査官が特許にしてあげますよ、と判断しているのに、それは困る、と判断されているから。
特許権という権利はあげられません、という不利益な特許庁の処分を争う、
というのなら話は分かりやすいし、そのための手続はいろいろ用意されています。
でも、この案件は、本当だったらうれしいはずの処分が不服だとして、法廷で争っている。
どうしてこういうことになるのかというと、
手続を代理した弁理士さんがポカしちゃっかからなんですね。
削除しなくてもいい構成まで削除する補正をしてしまい、そのまま特許になっちゃった。
具体的には、
化合物の組成において、本来なら、
「置換基R1はフッ素であり、置換基R2は水素原子、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルキルまたは塩素であり」
と記載すべきところ、誤って、
「置換基R1はフッ素であり、置換基R2は塩素であり」
と、置換基R2の内容を塩素だけに限定し、これが特許されるべきだと主張してしまった。
審査官は、事前の打合せで、置換基R1をフッ素に限定すればOKと出願人側に回答していました。
そしたら、出願人は、置換基R1だけでなく、置換基R2まで限定してきた。
そこまで限定するのね、あっそう、てな感じで特許査定したというわけ。
誤って限定しすぎたので、特許査定を取り消すよう求めて特許庁と争ったのが本件です。
主な争点は、次の点です。
(1) 特許査定に対して行政不服審査法に基づく不服申立てができるか
(2) 補正について錯誤無効の主張が認められるか
(3) 無効確認訴訟において特許査定が無効とされるか
と、ここまで書いて、なんだかすごく長くなりそうなので、残りは次回にします(すみません…)。
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