弁護士早瀬のネットで知財・法律あれこれ 

理系で特許事務所出身という経歴を持つ名古屋の弁護士があれこれ綴る雑記帳です。

特許権侵害の判断手順1

2014-09-16 20:23:29 | 特許

3連休はとてもいい天気でしたね。読者の皆様は、いろいろお出かけされたことと思います。

私はと言えば・・・、連休中は毎日事務所に来ていたので、休み中にこんなところに行ってきましたーのような報告は何もありません(泣

 

さて、今日の話題です。

隣の席で仕事をしている廣田弁理士(「名古屋の商標亭」のブログ主)とのなにげない会話をきっかけに、特許権侵害の判断手順についての超々基本的な一般論を、3日間の連載で書いてみようかなと。

知的財産関係を専門に扱う部署(知的財産部)に所属している方や、知的財産の専門家にとっては、なんじゃそりゃというような当たり前の話ですけど・・・

しかも、なぜ一度に書かないかって?

えー、このところブログを書く余裕がなくなってきたのでちょっとズルです(汗

 

では、本題に。

 

特許権侵害かどうかを判断するには、次のような手順を踏みます。

 

1 特許発明(特許権が付与された発明のこと)の内容を確認する

2 対象となる製品が特許発明の構成要件に該当するかどうか形式的に判断する

  → ここで構成要件に該当するとなれば特許権侵害

3 2の形式的判断で構成要件に該当しないとなった場合には、実質的な判断をする

 

構成要件に該当するかどうかって、なんとなく、刑法における犯罪成否の議論のようですね。

 

まず、1について

 特許に関して特許庁が発行する公報には、公開特許公報】【特許公報】の2つがあります。

 公開特許公報】

  この公報には、特許出願されたときの内容がそのまま掲載されているだけで、いまだ特許権が付与されていない状態のものです。

 【特許公報】

  この公報には、特許権が付与された状態のものが掲載されています。

 

 ですから、特許発明(特許権が付与された発明のこと)の内容を確認するには、見出しに「公開」がついていない【特許公報】を見る必要があります。

 【公開特許公報】をもとに権利侵害かどうかの議論をするのは、そもそも前提が間違っているということになりますので、まずこの点で注意が必要です。

 

 次に、この【特許公報】のトップページには【特許請求の範囲】という項目が存在します。

 その【特許請求の範囲】には、【請求項1】【請求項2】等のように書かれている部分がありますが、これら各請求項に記載されている内容が「特許発明」です。

 通常は、【請求項1】に書かれている特許発明がもっとも権利の範囲が広いため、この【請求項1】に書かれている特許発明の内容を確認します。

 

このようにして、特許発明(特許権が付与された発明のこと)の内容を確認します。

次の手順2については、また明日。

 

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