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マハトマ・まど・みちおさんのことばから。『いわずにおれない』p.27.
９６年も生きとっても，
今初めて気が付いた，
っちゅうようなことが，
いくらでもあるんです。
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今朝も，Out of solitude，p.42から。昨日の続き。
１人の見知ら人からパンを受け取り，「ありがとう」と言って微笑む者は，そうとも知らぬままに，多くの人に養っているんです。
弱さの強さということでしょう。
ところが，毎日を自動運転でやるようになると，弱さの強さに気付くこともありませんから，表向きには円満な顔をして，心では知らん顔の勝手気ままでの，ゴマカシだらけで，忙しいだけの生活をしやすいものでしょ。今のニッポンの，善意たけれど，ルーティーンワークの，多くの親，小中学校の教員の多くが，陥っている「形ばかりのウソの関係」（ritualizm）とエリクソンが呼ぶ代物，これですね。
「形ばかりのウソの関係」（ritualizm）の特徴は，
１）言うことがコロコロ変わる
２）言ってることとやってることが毎日違う
その結果，
３）心を込めて，子どもの重荷を分かち合うことができない
子どもや病気の人や弱い立場の人やハンディキャップのある人たちとの毎日を礼拝にすることが大事でしょ。
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ネグレクトも虐待も「臨死体験」声の力 改訂版 言葉には、出来事になるという目的がありますから、その目的を意識することが、いつでも何度でも、必要です。 Young Man Lu......
ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ ： 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか？』
第７章。「同じ波長になる：触れ合うこと（アタッチメント）と心の音色を響き合わせること（アトゥーンメント）」です。p.111，最後から。
ボールビーは，マレー夫妻と親しい友達でしたから，ボールビーがハーヴードにやってきた時はいつでも，ボールビーと彼の研究について話すチャンスに恵まれました。ボールビーは，貴族の出で（父親は王室御用達の外科医でした），心理学，医学，精神分析を，イギリス支配階層のいくつかの殿堂で修めました。ケンブリッジ大学に入ってからは，ロンドンのイーストエンド（東の外れ）の非行少年らの治療をしました。イーストエンドは，荒廃した，犯罪多発地帯として悪名高いところで，ドイツ軍のロンドン大空襲の時にほとんど破壊されてしまったところです。第二次世界大戦に従軍中と退役後，子ども等が家族から引き離される戦時疎開と集団保育の影響について観察しました。ボールビーは入院の影響についても研究し，短期間でも，子どもが母親から引き離されることは（親たちは，当時，夜間に宿泊するが許されませんでした）は，子ども等の苦しみを一層ひどくすることを明らかにしました。1940年代後半までに，ボールビーは，イギリス精神分析協会では，「好ましからざる人物」となりましたが，それは，ボールビーが，「子どもの問題行動は，実際の生活体験に対する，１つの反応だ」ということを，強烈に主張したためでした。その実際の生活体験とは，ネグレクト，暴力，家族と離れていたことであり，性的な空想ではない，と主張したわけです。ボールビーは，そんなことには動ぜずに，残りの人生を，アタッチメント理論と呼ばれることになることを発展させるために捧げたのです。
素晴らしいことですね。
いつでも，革新的なこと，開明的なことは，逆境の中から生まれることに，相場は決まっているんですから。ジョン・ボールビーのアタッチメント理論も「好ましからざる人物」という悪評という試練の中で，本物になっていったことが，はっきり読み取れる，ヴァン・デ・コーク教授の息遣いです。
それは，ヴァン・デ・コーク教授が，発達トラウマ障害DTDの研究に捧げた人生と被るものだからでしょう。
それは，また，聖書の教えでもあります。
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インターメッツォ： 許し合うことが全て
ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ ： 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか？』
第１７章。「バラバラな自分をまとめる：決めるのは自分」です。p.292，第２パラグラフから。
最終的に，私の激励によって，ジョアンは性的にいたずらされた場面に突っ込んでいって，あの女の子を安全なところに連れて来ることができました。ジョアンは自分を性的に虐待した者に，「この子には２度と近づかせないんだから」とハッキリ言ってやりました。「その子はいません」と言ったりせずに，ジョアンは，その性的に虐待されていた女の子を自由にする際に能動的な役割を果たしたんですね。EMDRをやるときみたいに，トラウマを解決することは，自分の想像力を自由に駆使できて，ずっと昔に自分が氷漬けにされた場面を再度思い出すことができるようになった結果なんです。かつて，自分ではどうしようもなかった受け身の体験を，決心して，本当の自分が能動的に関わった体験に置き換えることが，トラウマからの回復です。
トラウマからの回復の基本公式です。受け身の体験を，陽気で楽しい，自由な想像力を駆使して，能動的な体験に再体験することです。
ヴァン・デ・コーク教授とエリック・エリクソンが完全に一致している点です。
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インターメッツォ： エリクソンの叡智 ： エリクソンが明言する、「あらゆる罪の中で最大の罪」SEALDsの奥田愛基さんの3つの「なるほど」 改訂版 「愛着障害」が爆発的に増加したのは、労働環境が劇的に劣悪化したからだ！ 小学生の半分......
西平直さんの残念な翻訳を訂正する第8弾，です。今回が，西平訳訂正の最終回といたします。この程左様に，エリクソンをまともに訳している日本語訳は，ない，と言えますでしょ。ビックリしますでしょ。大江健三郎が「誤訳文化」というのは本当でしょ。西平直さんの翻訳は，この部分の重要性に気づいてないので，情けない，見当違いの誤訳の山です。
Identity and the life cycle ，p.57の第２パラグラフから。今まで読み飛ばしていましたが，とても大事なところだと気付かされました。
それで，繋がっている（訳注：発達の）どの舞台も，危機になるかもしれません。というのも，どの舞台も，物の見方が根っから変わってしまうからです。人生の初めに，すべて物の見方の変化の中で，一番根源的な変化がありますね。それは，子宮の中の人生から見た物の見方から，子宮の外の人生から見た物の見方へ，という違いがありますでしょ。しかし，出産後の在り方においても，このように，ゆったりと横になっている時の物の見方，シッカリと座っているときの物の見方，すばしっこく走っている時の物の見方，というように，物の見方を根っから修正することは，すべて，それぞれ，時にかなった時期に，やり遂げなくてはなりませんね。物の見方を修正しなければならないのと同時に，対人関係に対する見方も，急速に，根っこから変化する訳です。対人関係に対する見方も，「お母さんは見えるとこにいなきゃ，嫌」という思いと「僕はお母さんは当てにしないもん」という思い，のようないろんな真逆の思いが生じるタイミングが近くにあることによって，対人関係に対する見方が試されます。事程左様に，「いろんな可能性が，様々なタイミングを使う」訳ですが，それは，発達する人格である，常に新鮮な，纏りある人格のいろんな持ち味が十分育つようにする目的のためです。
一見，何の変哲もない部分に見えるかもしれませんね。しかし，ここには，エリクソンのライフサイクル論の最も根源的な意味が書いてあることにお気づきでしょうか？
それは，発達は，ひとりびとりの人が，人格の持ち味を十全に育てるという目的を実現するためのこそある，ということです。その目的に叶った育ちを保証することがよい発達であり，その目的に叶わない育ちは，悪い発達，「発達障害」だということです。
しかし，それだけではありません。その発達は，物の見方と対人関係に対する見方の２つ見方が，舞台舞台で，根っから変わってしまう中で，その２つの見方を整えながら，やり遂げなくてはならない，ということです。
ここから分かることは，人格の発達とは，真逆な思いがぶつかり合う試練に中で，いつでも，この２つの見方を調整し，一貫性のある見方を育てていくことが，とても大事になる，発達の要こそ，良い良心だ，ということです。
