20年程前に三男に買ってやったSONY製ミニコンポ(MHC-J570C)がTapeに続き
CDまでが故障してしまった。先日長男夫婦が帰省した際、部屋でCD聞こうとした
が全く動かないと言う。まずもってCDトレイが出てこないとの由。
半年ほど前使った時は動いた。以来使っていないがそれが動かないとは…。
このミニコンポはCDトレイが5枚あり5枚のCDを取り替えることなく連続で聞
くことができる優れものだった。惜しい。
納得がいかないのでバラして点検してみることにした。
<CDドライブ>
MHC-J570Cは上下ニ段になっていて、CDドライブは下段の方にチューナーと一緒に
収められている。
電源を抜いて中央の金属製のキャビネットカバーを外すと内部の回路が現れる。
CDドライブの上にチューナー回路のボードが水平にセットされている。
樹脂製の後面カバーを外し、チューナー回路のボードに接続されている数本の
ケーブルを引き抜く。FPCコネクター、ピンコネクターが入り混じるが、幸いに
して全て異なるので組み立て直す際に混同することはないようだ。
チューナーボードを取り外すと最後にCDドライブが現れる。フロントパネルを
外し、5枚上下に並んだCDトレイを選択するためにトレイを上下させるギア、
CD取り出したり読み取り装置にセットするためにトレイを水平に動かすギア手で
回してみると何の抵抗もなくスムーズに動く。ゴム製のベルトも切れや弛みなど
ない。
底板を外し、読み取りヘッドを水平に動かす装置も機械的には問題がない。
トレイのエンドポイントを検知するためのリミットスイッチにも異常は見られ
ない。
やはり、制御用の電子回路が壊れているようだ。電子回路の故障では全く手が
ない。電子回路はこのように何の前兆もなく突然ダウンしてしまうので本当に
困る。
諦めて復旧することにした。
<カセットTapeドライブ>
上段のキャビネットにあり、コンポの主操作回路の下に収められている。
両側面のボードと背後の電源装置、前面のフロントパネルを外してやっと
ドライブが現れる。錯綜した回路が実にコンパクトに収められている。

さらにドライブのモーター部分を外すと駆動用のメカが見えてくる。
左:モーター2個(テープ駆動用とピンチローラー駆動用)
中:ドライブ心臓部
右:フロントの開閉扉
テープ駆動用のゴムベルトに異常はみられない。

ドライブの心臓部を見てみるとピンチローラーの駆動装置であるロータの
外辺摺動部にあるゴム帯が完全に変質しペースト状になっていた。
(黒の大ロータ2個とその間にある白の小ロータ1:ティッシュで拭き取った
ので残っていない。上の写真のモーター側のローターには残ったものが映っている)

部品交換は望めそうにもないので代用として白ローター2個(左右で4個)に
ゴムの0リングを嵌め込んで復旧することにした。
期待を込めて電源オンしたのだが・・・。
残念ながらカセットも復旧ならず。どうもこれも肝心の制御回路が壊れているようだ。
CD、カセットとも無駄な作業となったが、チューナーと外部入力としてはまだ使える。
筐体に入っているとは言ってもやはりホコリが方々に溜まっていた。内部の清掃ぐらい
になったと思えば気が晴れる。
それにしても複雑な工程なのに無事復旧できた。子供の頃置時計などを分解しあとで
復旧できなくなって親に起こられた記憶がある。大人になって分解可能の範囲の限界
を知ったためだろうか。
それと、この内部の複雑な機構。CDの出し入れ、ヘッダーにかける装置、カセット
のテープ巻き取り、リバース装置等など・・・。空間に無駄なく収納し、効率よく力
が伝わってゆくように設計され組み立てられている。それがいまやデジタル機器では
殆ど不要になってしまった。コンパクトにメカを組み込む技は日本人の得意とする
ところであり、今回の分解で改めて日本の弱電メーカーの衰退の原因を見た感じが
する。
しかし、現在はデジタル化一辺倒だがいずれまた必ずメカが必要とされる時代が来る。
デジタル情報を具現化するにはメカが必要だから。そう希望を持ちたい。
CDまでが故障してしまった。先日長男夫婦が帰省した際、部屋でCD聞こうとした
が全く動かないと言う。まずもってCDトレイが出てこないとの由。
半年ほど前使った時は動いた。以来使っていないがそれが動かないとは…。
このミニコンポはCDトレイが5枚あり5枚のCDを取り替えることなく連続で聞
くことができる優れものだった。惜しい。
納得がいかないのでバラして点検してみることにした。
<CDドライブ>
MHC-J570Cは上下ニ段になっていて、CDドライブは下段の方にチューナーと一緒に
収められている。
電源を抜いて中央の金属製のキャビネットカバーを外すと内部の回路が現れる。
CDドライブの上にチューナー回路のボードが水平にセットされている。
樹脂製の後面カバーを外し、チューナー回路のボードに接続されている数本の
ケーブルを引き抜く。FPCコネクター、ピンコネクターが入り混じるが、幸いに
して全て異なるので組み立て直す際に混同することはないようだ。
チューナーボードを取り外すと最後にCDドライブが現れる。フロントパネルを
外し、5枚上下に並んだCDトレイを選択するためにトレイを上下させるギア、
CD取り出したり読み取り装置にセットするためにトレイを水平に動かすギア手で
回してみると何の抵抗もなくスムーズに動く。ゴム製のベルトも切れや弛みなど
ない。
底板を外し、読み取りヘッドを水平に動かす装置も機械的には問題がない。
トレイのエンドポイントを検知するためのリミットスイッチにも異常は見られ
ない。
やはり、制御用の電子回路が壊れているようだ。電子回路の故障では全く手が
ない。電子回路はこのように何の前兆もなく突然ダウンしてしまうので本当に
困る。
諦めて復旧することにした。
<カセットTapeドライブ>
上段のキャビネットにあり、コンポの主操作回路の下に収められている。
両側面のボードと背後の電源装置、前面のフロントパネルを外してやっと
ドライブが現れる。錯綜した回路が実にコンパクトに収められている。

さらにドライブのモーター部分を外すと駆動用のメカが見えてくる。
左:モーター2個(テープ駆動用とピンチローラー駆動用)
中:ドライブ心臓部
右:フロントの開閉扉
テープ駆動用のゴムベルトに異常はみられない。

ドライブの心臓部を見てみるとピンチローラーの駆動装置であるロータの
外辺摺動部にあるゴム帯が完全に変質しペースト状になっていた。
(黒の大ロータ2個とその間にある白の小ロータ1:ティッシュで拭き取った
ので残っていない。上の写真のモーター側のローターには残ったものが映っている)

部品交換は望めそうにもないので代用として白ローター2個(左右で4個)に
ゴムの0リングを嵌め込んで復旧することにした。
期待を込めて電源オンしたのだが・・・。
残念ながらカセットも復旧ならず。どうもこれも肝心の制御回路が壊れているようだ。
CD、カセットとも無駄な作業となったが、チューナーと外部入力としてはまだ使える。
筐体に入っているとは言ってもやはりホコリが方々に溜まっていた。内部の清掃ぐらい
になったと思えば気が晴れる。
それにしても複雑な工程なのに無事復旧できた。子供の頃置時計などを分解しあとで
復旧できなくなって親に起こられた記憶がある。大人になって分解可能の範囲の限界
を知ったためだろうか。
それと、この内部の複雑な機構。CDの出し入れ、ヘッダーにかける装置、カセット
のテープ巻き取り、リバース装置等など・・・。空間に無駄なく収納し、効率よく力
が伝わってゆくように設計され組み立てられている。それがいまやデジタル機器では
殆ど不要になってしまった。コンパクトにメカを組み込む技は日本人の得意とする
ところであり、今回の分解で改めて日本の弱電メーカーの衰退の原因を見た感じが
する。
しかし、現在はデジタル化一辺倒だがいずれまた必ずメカが必要とされる時代が来る。
デジタル情報を具現化するにはメカが必要だから。そう希望を持ちたい。