毎日終日使う洗面台の混合栓(温水+冷水)が設置から40年を過ぎ、クロムメッキが一部禿げたりして見栄えが悪くなってきた。
水漏れはまだないが、何よりも水を出すのにツマミを指で掴んで引き上げる方式なので衛生面で気になっていた。
※正面左右のクロムメッキが剥がれたので反射テープで補修。
ツマミ中心部に貼ってあった冷水・温水の混合割合を示す表示盤も腐食し剥がれた
ので反射テープを貼ってネジ穴を隠して使っていた。
この混合栓の取り付け・取り外しはシンクの下の奥の方なので作業性が極めて悪い。これが取替えを躊躇させていた最大の原因であった。
今回、TOTO製でレバー式の混合栓がセールで通常より安価に購入できたので
思い切って取り替えることにした。
しかし、寸法など必要と思われる部分は詳細に調べたつもりだったがメーカーが
異なると思わぬところで支障が出て一発で取り替えというわけにはいかなかった。
狭くて作業性がきわめて悪い取りかえ作業の繰り返しはさすがに堪(こた)えた。
そこで反省を含めて備忘録として顛末記を書いてみた。
まず用意したのは最大30mmまで広がる広スパンで柄が短いモンキーレンチ。
手持ちのモンキーは最大幅25mmなので混合栓下の取り付け六角ナット(幅26mm)
には入らないし柄が長いのでシンクの下の狭い場所では柄が支(つか)えて使いもの
にならない。
給水栓取替えの専用レンチがあるものの取替えしか使えないしなぜか値段も高い。モンキーレンチならば蛇口の補修などにも使えて汎用性がある。(ただしシンク下に潜り込んでの窮屈な作業はつらい)。
まず給水栓につながっている給水管と給湯管のそれぞれのフレキ管をはずし、
続いて給水栓本体を止めてある六角ナットを外して給水栓を取り外す。
(狭いのでモンキーレンチを裏返したり表に戻したりを繰り返す必要がある)
※給湯(左)と給水(右)、排水弁のポップアップ棒のための穴(中央)
給湯、給水そしてポップアップ棒のそれぞれの穴は大きく、十分余裕があると思
われた。
本体にポップアップ棒を通してみるとスムーズに動くのを確認したまではよかったが
ポップアップ棒を外したまま給水栓を取り付けたあと給湯、給水管を接続してしまった。(今までの混合栓はそのままで引き抜くことができた)
ところが、さていざポップアップ棒を本体の穴に通そうとすると棒の先端についている
引き上げ用のつまみが洗面台の鏡に当たって入らない。
今までの混合栓はポップアップ棒用の穴がほぼ垂直だったが、新しい
混合栓の穴はやや斜めに奥の方に傾いているのに気づかなかった。あとの祭り。
やむなく、シンク下にまた潜り込んで取り付けナットを緩め、本体を少し前屈させて
通すことにした。給湯、給水管のほうはフレキなので接続したままでいい。
しかしそれでもなおポップアップ棒は入らない。どうもこんどは洗面台に開いている穴の壁に当たるらしい。(穴が垂直に開いているので底の方が邪魔をする)
そこでせっかく苦労して取り付けた混合栓をもう一度取り外し、穴を削ることにした。
穴を削るのはノコ身が細くて穴に入る「挽きまわし鋸」というのを使った。
あれやこれやで1時間余りで終えると見込んでいた作業が半日もかかってしまった。
連れ合いは洗面台ごと新品に取り替えたかったらしく、取替え前には不満気味で
あったが新しい混合栓の使い勝手には満足しているようだ。
レバー式なのでテコが効いて開閉操作が軽いというの利点の一つである。