今年の年末・年始は子供たちが帰省しないというので、大晦日に京都の除夜の鐘を
この耳で聞いてみようと思い立ち行ってみた。
京都の除夜の鐘はTVの「行く年、来る年」でよく中継される。以前泊まったホテルの
係員の人から京都はお寺が多いので市内の方々から除夜の鐘が聞こえると聞いたことが
あり、一度聞いてみたいと思っていた。
ここ数年、年末を阿蘇の温泉で一年の”垢落とし”をやり、正月は家で迎えるパターン
が続いたが、今年はある理由で正月を家で迎える気がしなかったこともある。
実際のところ12月始めに京都市内に宿を予約していたものの直前までどちらにするか
逡巡していた。だが家人に聞いてみると家人はあっさりと京都の方を希望。知恩院の
除夜の鐘搗きを見たい(聞きたい?)という。家人に聞くまで知らなかったがお坊さん
数人がかりで搗く壮大なものらしい。
予約した宿は偶然にも知恩院から2km余りで、京都で最も賑やかと言われる四条通り
を散策しながら抜ければ歩いて行けない距離ではない。というのは車やバスは今年の
秋の紅葉シーズンの時に懲りた経験がある。この時は三条大宮から永観堂まで4km
ほどと距離があるので車でいったところ渋滞に巻き込まれて2時間もかかってしまった。この時は永観堂前で私営の小さな臨時駐車場に偶然空きがあってすぐに駐車できたが
駐車場探しに梃子摺っていたとしたらもっとかかっていただろうと思う。4kmなら
早足だと1時間程度で着く。それが車では倍の2時間もかかってしまった。勿論バスも
渋滞で進まない状態であった。だから歩いて行ける距離はありがたい。
神戸に1泊し31日は午後1時過ぎに京都に着いたが、チェックインの時間までまだ
時間がある。京都駅前の駐車場に車を置き地下街を散策。駅ビルの北口にある長い
エレベータで屋上の広場(「葉っぴーてらす」と言うらしい)まで上ると途中のフロア
(これは「室町小路広場」と言う)には左右に大きな門松が設置されていてすでに正月
モードになっていた。
除夜の鐘の撞き始めは午後10時40分からだが人手が多く少なくとも2時間は列に並んで
待つ必要があると言う。また余り遅いと入場制限があって入れないことがあるらしい。
そこでホテルを8時ごろに出ることにした。
ホテルでチェックインを済まして早速近くにある錦市場を散策することにした。
巾2m弱の通路は行き交う人や店先に佇む人で溢れかえり身動きがとれないほどであった。
先端まで行くと人ごみの中を戻るのが大変なので一通り見て適当なところで引き返す
ことにする。軽く夕食を摂りホテルで横になると、疲れと満腹のためいつの間にか
眠ってしまっていた。目覚めると程よい時間になっていた。
四条通りは交通規制でもやっているのか意外と車が少ない。タクシーばかりで自家用車
をほとんど見かけない。
八坂神社に着くとすでに大勢の参拝者が出ている状態であった。だがまだ列ができる
ほどではないので参拝して行くことにした。
▼八坂神社では年越しの伝統行事である「おけら(白朮)詣り」の最中で夜店でも
「おけら」が売られていた。薬草を綯いこんだ藁縄(「おけら」)に火をいただいて
持ち帰り、それを種火にした火で雑煮を作ると無病息災が叶えられるという。
おけら
おけら種火(「授興所」という-提灯に"白朮"の文字が見える)

有名な割りには意外と質素なことに驚く
▼八坂神社を抜けて知恩院へと向うとすでに列が出来ていた。列の最後尾に付く。
(PM9:30頃)
これから延々と待つことになる。
境内案内図

除夜の鐘の参詣の時は正面の三門は閉じられていて奥にある黒門から入る。
右上の大鐘楼まで延々と列が続いている。
三門のライトアップ
三門の前の列
延々と列となって待ち続ける
ようやく鐘楼へ続く石段へ
除夜の鐘撞き(11:14頃着)
鐘楼の回りは大勢の見物客で溢れ返っておりなかなか近づけない。
鐘楼の四方に並ぶ僧たちの読経のなか、撞き手の掛け声に合わせ若手の坊様17人
掛りで数回撞木を引き、勢いのついたところで撞き手が経文をとなえながら全体重を
かけて撞く。釣鐘は70tもある大鐘。
・・・鐘楼入口付近(鐘撞きの背面)から

・・・横から

・・・正面斜め横から

・・・正面から
20分ほど参観し鐘楼をあとにする。時は既に11時半を回っていた。
知恩院境内は一方通行となっており円山公園、八坂神社へ抜けることになる。
だが八坂神社はすでに初詣体勢になっていて円山公園側からの通路は進入禁止となって
いたので再度知恩院方面へ回ることとなった。
八坂神社の正門に回ったところで丁度年が明けた。だが正門は初詣客で長蛇の列ができて
いた。参拝は既に済ませておいたので初詣はパスすることにする。
次の日、つまり元日は平安神宮、下賀茂神社、北野天満宮の三社参りをすることにした。
ホテルで市営バスの一日周遊券(¥500)を購入。幹線は20分間隔で運行されていて
待ち時間が少なくて済み非常に便利である。
一日周遊券
平安神宮
下賀茂神社
北野天満宮「
・・・参道の人ごみ。両サイドに露天が並びまともに進めない。行った3社の中では北野
天満宮が最も人出が多かった。

・・・初詣客の列。正面横からも参拝できるというので列に並ばずショートカット。

・・・天満宮と言えば梅。だがまだ蕾の状態
これで年末年始の京都観光は終った。車をホテル契約の駐車場に置き路線バスで回る
という今回の旅はヒットであった。