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クイーン談話室 「盤面の敵」

2010年03月20日 | Eクイーン
ポケミスのクイーン(後期作品)にはけっこう特別な思い入れがあって、
いまではめったに手をとらないけれど、たまに開くと高校生になった気分です。

ところで、後期クイーンの作品群の中でも傑作の部類に入ると思うのですが、
「盤面の敵」(『The Player On the Other Side』1963)という作品があります。
ある一族をめぐる連続殺人ものですが、「ヨーク一族」という名前から
同じクイーンの「Yの悲劇」へのセルフオマージュになっている、
という説もあります。たしかにプロットもよく似ているような。

ところが、この時期のクイーンはダネイとリーが合作をしなくなっていたころで
(執筆役のリーが書けなくなったという説が有力)、
プロ作家が代作していたということになっています。

この「盤面の敵」もリーが書いたわけでなく、別人が書いたという説があります。

「クイーン談話室」ではシオドア・スタージョン説。

「エラリー・クイーン パーフェクトガイド」でもシオドア・スタージョン説。

ですが、海外のクイーンファンサイト「Ellery Queen, a website on deduction」では、
代作は「エイブラム・デヴィッドスンかシオドア・スタージョン」とは書いてありますが、
はっきりと「『盤面の敵』はスタージョンの代作」とは書いてありません。
(と思ったら、ちゃんとスタージョンが書いたとありました。すんません)

逆に「『真鍮の家』はスタージョンが書いた」ということになっていて、
「クイーン談話室」の「スタージョンの代作は『盤面の敵』1作で終わった」という記述と反します。
(こちらは、「デヴィッドスンが書いたが、ほとんどはスタージョンが書いた」、とありました)


「クイーン談話室」と「エラリー・クイーン パーフェクトガイド」では
「真鍮の家」を代作したのはエイブラム・デヴィッドスンとなっていますが、
これはどーゆーことなんでしょうかね? ファンサイトの情報が古いのか?
(というわけで、いちおう納得しました)


代作問題は、クイーン自身がアナウンスしていない(当たり前ですが)ため、傍証から推理するしかなく、
「クイーン談話室」の訳者はどこからこの情報を得たのか気になります。
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