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チラシの裏

サンリオSF文庫総解説

2014年10月10日 | SF
地元の精文館書店の店頭で検索したら「在庫あり」という結果。
しかし探しても店内のどこにもない。
店員に聞けば「新刊予約の分が検索に出てしまいました。すいません、在庫はありません」という返事。
うむむむ、まあいいけれど、予約して買う人間が近所にいるという事実は覚えておこう、
と心の中で捨て台詞を残して帰ったのが先月。
本の雑誌社の「重版決まり」twitterを見て、
たぶん精文館書店にも店頭分が来るだろうと思っていたら、
やっぱり2刷がならんでました(1冊だけですが)。

ソフトカバーなどの装丁はこの自由国民社「世界のSF文学総解説」へのオマージュ?(写真は別)
うちにあるのはこれです(1984年版)が、古い版はもうちょっとダサい表紙だった記憶が。



裏表紙のデザインはサンリオSF文庫の裏表紙の引用

巻頭の山野浩一インタビューは、
「本の雑誌13年10月号サンリオSF文庫の伝説」に掲載したもののフルヴァージョン(たぶん)で、
カットされたところも読めます。



リストを眺めて、うちにあるのを数えてみたら約4分の1の50冊ほど。

「サンリオSF文庫が無くなる!」という報せをどこで読んだか記憶がありませんが(たぶんSFマガジン?)、
本屋にあるのを買っておくかと軽い気持ちでいたことを覚えています。
もうちょっと気合入れて買いまくればよかったなあ。
全部で約200冊なので、時間と金に糸目をつけなければ今からでも全作品を集めるのは可能でしょうから、
こういう本が出るとさらに古書値があがって気軽に読めなくなる弊害が出てくるのではとちょっと心配。
読めない、と多くの人が騒いで、どこかの版元が出す気になることを祈ります。

コラムでは大瀧啓裕の思い出が一番興味ふかく、「翻訳家の蔵書」がとても読みたくなりました。
どっかにないものか。
鏡明のコラムでは「全体像を描き、実現できる総合プロデューサーが必要だった」と指摘されていて、納得。

欲しいものはリアルタイムで買っていたので、いまさら探すこともないけれど、
レムとウィルヘルムを買っておかなかったのは惜しかった。

読んだ中でのmy best11(○はその後別版元から出たもの)
「エンパイア・スター」サミュエル・R・ディレーニ
(この1冊を出した、というだけでサンリオSF文庫の意義はあった、と個人的に思える程の偏愛作)
「時は準宝石の螺旋のように」 同
※国書刊行会から出る「ドリフトグラス」に入るはず(新訳で?)
「ロードマークス」ロジャー・ゼラズニイ
「影のジャック」ロジャー・ゼラズニイ
※創元で出し直してくれないか。
○「逆転世界」クリストファー・プリースト(創元SF文庫)
○「ハロー・サマー、グッドバイ」マイケル・コニイ(河出文庫)
○「パヴァーヌ」キース・ロバーツ(ちくま文庫)
「サンディエゴ・ライトフット・スー」トム・リーミイ
※ちくま文庫あたりに入らないか。
「去りにし日々、今ひとたびの幻」ボブ・ショウ
「パステル都市」M・ジョン・ハリスン
「ウルフヘッド」チャールズ・L・ハーネス
こうしてみると早川、創元でカバーしきれない作品がけっこうあったことに気づかされます。





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