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ペルー・ボリビアから帰国しました。旅の模様を写真と一緒にアップしてます。
●◆最新更新日→2009年4月22日◆●

Discriminacionと Compartir

2008年06月21日 | 想うことあれこれ・・・日記
ペルー人の友人ハビエルの姪、モイラちゃん6歳が、最近日本からボリビアに帰ってきた。

計3年間も日本にいたので、スペイン語はおろか、日本語がペラペラである。
「すき屋のカレーは美味しかったよ~」
「この服はダイエーで買ってもらったの」
「ラブ&ベリー(←最近日本の小さな女の子に人気のゲームらしい)のカードね、たくさんもってるよ」
「おにぎりはシャケ味が好き!」
・・・などなど、会話はまるで日本の女の子としているよう。



そんなモイラちゃんが、ハビエルとメルカド(スペイン語で市場の意味)へ行ったとき。
モイラちゃんがこんな発言をした(スペイン語で)。

「あのCHOLA(チョラ)、わたしに触らないでほしいわ」と。

普段すごく穏やかで優しいハビエルは、この一言で激怒。

CHOLA(チョラ)とは、ボリビアのアイマラ系先住民の女性の総称であるCHOLITA(チョリータ)という単語の「蔑称」である。

ハビエルはその後帰宅してから、お手伝いさんのチョリータさんが連れてきていた小さな男の子にフルーツをあげたのだが、それを見たモイラが、
「なんでわたしのフルーツをあの子にあげるの!ひどい!」
と大泣きした。

この2件を機に、ハビエルはモイラを目の前に座らせて1時間くらいかけてこう諭した。

「モイラ、どうして〝CHOLA〟なんていう悪い言葉を知ってるの?間違っても、彼女たちの目の前でそれを使ってはいけないし、他人を差別したり偏見をもつのはとても悪いことだよ。それに、さっきあの男の子にあげたフルーツは、もう何日も前から誰も食べてなかったでしょう。見て分かるように、あの子はきっと貧乏で、たぶんお腹が減っていたよ。服もボロボロだったでしょう?みんなと分かち合う気持ちを大切にしなくてはダメ」

このやりとりを隣で見ていた自分は、ハビエルの言葉の中でもとりわけ〝Discriminacion〟と〝 compartir〟という単語が強調されていたのが分かった。

Discriminacionとは「差別」。(例・Discriminacion racial・・・人種差別)
Compartirとは「分かち合う」の意味。


予想するに、モイラの発言は、母親の普段からの態度や発言に影響を受けていると思う。
たった6歳の女の子が不意にした発言ではあるが、自分はこの発言に今のボリビア社会が象徴されていると思った。

現在のボリビアは、低地サンタクルス・ベニ・パンド・タリハ県が自治権拡大を声高に訴え、彼らはアンデス高山地域の県や人に対して、根深い偏見がある。

そしてモイラの母親は、低地ベニ県の出身。
モイラの発言の影響の源は、ここにある。

日本の3倍以上もある広大な土地をもち、そして多様な民族や文化が入り混じるボリビア。そんな国が、内部でいがみ合っているのだから、ただでさえ南米一の発展途上国であるこの国の経済、政治はもうメチャクチャだ。

ボリビアのTVのCMには、政府のプロパガンダ系CMをよく目にする。
そしてそのCMの最後には、エボ・モラレス大統領とボリビア国旗が画面いっぱいに映り、「BOLIVIA CAMBIA~♪(ボリビアは変わる)」と締めくくられる。


この国は本当に変わっていくのだろうか。
たった6歳の女の子が〝普通〟にインディヘナに差別の感情をもつ国。
それに影響を及ぼし助長させる母親。


Discriminacionの感情をもう一度改めて子どもにも大人にも考え見つめ直して欲しい。
その感情をもつことが、いかに醜く、何も生産しないということを。

そして、Compartirする行為の美しさにも、改めて触れて欲しい。
その行為が、いかに人々の心を豊かにするかということを。

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