猫町3丁目アパート 屋根裏工房

『屋根裏工房』は自称ゲイジュツ家たちの溜まり場 
いま『イエロースットン刑務所』を連載中〜!

「江戸の100人展」がまの油売り

2009-12-18 | 俳句と絵と書と・・
  世の中平和になると、剣術は強いだけでは食べていけない。暮れも押し迫って
  困った浪人さん蝦蟇の油売りを初めてた。

  「さあさあ、お立ち合い、ご用とお急ぎのない方は、ゆっくりと見ておいで。
  遠目山越し笠のうち、ものの文色(あいろ)と理方(りかた)がわからぬ。
  山寺の鐘は、鏗鏗(こうこう)と鳴るとはいえ、童児来たって鐘に撞木(しゅもく)
  を当てざれば、鐘が鳴るやら撞木が鳴るやら、とんとその音色がわからぬが道理。・・・
  だがしかし、お立ち合い、投げ銭やほうり銭はお断わりだ。
 
  手前、大道に未熟な渡世をいたすといえど、投げ銭、ほうリ銭はもらわない。
  しからば、なにを稼業にいたすかといえば、手前持ちいだしたるは、これにある
  蟇蝉噪(ひきせんそう)四六の蝦蟇の膏だ。・・・四六、五六はどこでわかる。
  前足の指が四本、後足の指が六本、これを名づけて四六のガマ。このガマの棲め
  る所は、これよりはる~か北にあたる、筑波山の麓にて、おんばこという露草を
  食らう。・・・このガマの脂をとるには、四方に鏡を立て、下に金網を敷いて、
  その中にガマを追い込む。ガマは、おのれの姿が鏡にうつるのを見て驚き、たら
  ~り、だらりと脂汗を流す。これを下の金網にてすきとり、柳の小枝をもって、
  三七二十一日の間、とろ~リ、とろりと煮つめたるがこの蝦蟇の膏だ、腫れ物、
  切り傷一切に効く。普段は1貝で100文だが、今日はお披露目であるから二つ
  で100文だ、お立ち合い。・・・その他に刀の切れ味を止める。ここに取り出
  したる刀は先が切れて元が切れないと言うものではない。一枚の紙が2枚、2枚
  が4枚、8枚、16枚、32枚、春は3月落花の舞い。(ふぅ~っと吹くと)雪
  降りの形。蝦蟇の膏を刀に付けると白紙も切れず、この腕も切れない。刀の膏を
  拭き取ると触っただけで、この様に切れる。切れても心配いらぬ。傷口に蝦蟇の
  膏を付ければピタリと血は止まり痛みも取れて治る。」

  という言い方で、売っておったのです  はい!


  これから湯治に行ってきます。歩いて2日もかかる箱根です。
  しばらく予約投稿になりますのでコメントの返事は書けません。
  それじゃぁ ごめんなすって