2019年5月8日(水) 夜勤を前に

2019-05-08 11:29:15 | 日記
今日から明日にかけて夜勤(17:00~翌9:30)。

今は自分の体調も心配だ。
50歳を過ぎてこんなに身体にガタが来るとは思わなかった。


☆ ☆ ☆

昨日掲載した早川タダノリ氏の『「日本スゴイ」のディストピア』
この本のアマゾンのトップカスタマーレビューが秀逸なのでここで紹介したい。

戦前の日本がいかに滑稽だったのか。
でも今の自民党政権は日本をその「戦前」に回帰させたいみたい。
若い人たちの間で自民党を支持する人が多いみたいだけど、
若い人たちはこの本を読んでどう感じるのだろうか?
もしかするとすでにこういう滑稽なことを滑稽と思わなくなっている?
電通と主要メディアによって「1億総白痴化」は相当程度進行してしまっているのだろうか?
支離滅裂で滑稽なことを何の批判もなくそのまま報道していりゃいつの間にかそうなっちまうよ。

「日本はまさにスゴイのであります。
ゆえに憲法を改正して戦争ができるようにすべきなのであります。
そして基本的人権を制限し、ワタチの言うことに全面的に従うべきなのであります!」



     


【トップカスタマーレビュー】
 2016年に出版された同名の単行本に加筆修正を加えた文庫版。実際読んだ限りでは、内容はほぼ変わっていないようだ。
 著者はこの種の本は何冊も出しているが、こういったものをテーマに選ぶと、精神的に疲れるだろうな、と思う。このレビューを書いている筆者も、あまりの日本の異様ぶりに、うんざりさせられた程だから。
 本のタイトルには「戦時下」とあるが、本書で取り上げている文献の中で一番古いのは1928年の物であり、満州事変前も対象にはなっている。
 「日本精神、日本主義は、全人類が奉じるべき」「日本人は米を食べているから、底力があって粘り強い」「魚を食べているから、日本の兵隊は強い」「日本の少国民は、世界で一番知能が良い」など、目に留まった「日本スゴイ」の主張の一部を挙げてみたが、こういったものは、全て強いコンプレックスの裏返しに過ぎない。本当に凄い物ならば、周りが勝手に誉めてくれるだろうし、自分で自画自賛する必要などないから。それ以前に論理性皆無の主張ばかりだし。
 1938年に来日したヒトラーユーゲント団員の、日本を誉めるリップサービスに、当時の日本人が狂喜乱舞したのも、日本人のコンプレックスの強さ・根深さを証明するものだろう。外国人(主に白人だが)に日本を誉めさせる手法は、現在でも当たり前のように行われている。
 ただの自画自賛で止まっている内は良いのだが、こういった思想が他国・他民族への蔑視意識を育て、日本人を差別的・排他的な民族にしていったのだから、現代の日本人も警戒しなければいけない。
 他にも、「報酬を求めるのは日本固有の精神ではありません」など、現代のブラック企業にも通じるような主張があったり、戦前の日本でも女子の性的被害が多かった(特に電車内での痴漢、イタズラ行為)など、現在の日本と何も変わっていないと思える事実に、目から鱗が落ちる。
 本書で描かれる日本はまさに異様で、狂信的にしか見えない。その時代に生まれなくて良かったと、また、戦争に負けて良かったとつくづく思う。しかし、現在の日本は、その暗い時代にまた回帰しようとしているようだ。
 面白い本だった。文庫版あとがきでは、次回作の予定も出ているので、そちらにも期待してみたい。