今日も、歩いて行こうか…

近郊の山歩きや、昔の街道・古道を歩いてみたり…、鈍行列車で知らない町を訪ねると、探していたモノが…きっと見つかる。

北国街道の要衝:木の芽峠を越え、板取宿~今庄宿へ…

2009-04-07 23:29:51 | 昔探しの旅:街道・古道…
'09春:青春18きっぷの旅…Part-5

新快速で敦賀へ…。
駅前からコミュニティーバスで新保まで約25分。
新保集落には尊王攘夷派の水戸天狗党・武田耕雲斎ゆかりの
陣屋跡もあって山間の静かな集落である。
豊かな水が流れる集落内を抜け、山道に入る。
所々に道元禅師の碑があり、歴史を感じさせてくれる。
人の姿も無く、鳥の声とせせらぎだけの静かさ…。
空青く、足元には小さな花が咲き、春うらら…。
登り続けること約1時間弱…木の芽峠に着いた。

木の芽峠には、由緒ある前川家の当主:前川永運氏が
築五百年を越える茅葺屋根の住いと地所を守られている。
丁度、在宅でいろいろと話を伺ったりした。
最近はこの峠に来る人も多いらしいが、
中高年の身勝手でマナー知らずにはお怒りの様子…。
聞くと、峠周辺の野草などを勝手に取ったり、
茅葺の住いの中に無断で入って来られたり…。
峠周辺は前川家の地所(私有地)にもかかわらず…なのだ。
注意をすると、文句を言う有様らしい。
本当に困った風潮で、大いに共感し時間を忘れて話し込んでしまった。
貴重なお時間を頂いたことを感謝し、お別れした。
機会があれば、またお訪ねしたいものだ。

峠を後にし「言うな地蔵」へお参りした。
有名な言い伝えがあるお地蔵様にこの旅の無事をお願いし山を下る。
365スキー場を抜け、板取宿の集落へ(写真)。
現在の板取は茅葺の建物は4軒ほど。住んでおられるのは1軒とか。
何ともいえない風情のある集落であった。

板取を過ぎると、国道365(旧・北国街道)を歩くことになる。
山間の国道だが、それなりに疾走する車があって、
ウォーカーには少々辛い。
時折、小さな集落があると、旧道に入り国道を避けるが
すぐにまた国道歩き…。
そうこうするうちに今庄に入り、国道から離れた旧道を歩く。
JR北陸線を越えるとまもなく今庄駅が見えてくる。
板取から約1時間半。
駅で電車の時間を確認後、今庄宿内の古い建築物を見に行く。
所々に古い建築物もあり、次回、ゆっくりと歩きたいと思った。

歩行…約12km

旧中山道:藪原宿から鳥居峠を越えて奈良井宿へ…

2009-04-04 10:00:43 | 昔探しの旅:街道・古道…
'09春:青春18きっぷの旅…Part-4

始発電車で京都へ、中央本線の時間に合わせるために京都から
米原まで新幹線を利用。米原から在来線で名古屋、中央本線に乗り
換え中津川~藪原駅へ約5時間の列車旅…。
木曽川沿いを走る車窓からの眺めも旅人を飽きさせない。
途中、寝覚めの床と呼ばれる木曽川の景勝地では車掌が由来の
アナウンス・サービスも…。

昼前に藪原に着き、駅で奈良井までのマップをもらい情報収集。
難所といわれる鳥居峠への期待を胸に歩き出す。
藪原ではそれほど古い町並みは無かったが、高札場跡や防火高塀跡
の石垣などが残っていて、案内板で紹介していた。
住宅街のある坂道を抜け、消防署が見えるとそこが林道合流点で
峠の登り口になる。直進して山道に入る…
整備された山道には案内板もあり、道なりに進めば迷うことは無い。
シーズンには未だ早いようで、ハイカーの姿無し、静かな山歩きが
楽しめる。普段歩く六甲とは違い、熊も出没する可能性もあって
熊鈴をぶら下げて歩いた。
大げさかなとは思いつつ、身の安全より熊に告知する一人歩きの
必携品と考えたのである。

歩くうちに石畳の道になり、旧道の赴きも…。
途中、案内板と熊除けの鐘があり、熊への実感も…。
くねくねと登ると測候所跡~丸山公園分岐、そして御嶽神社へ。
駅から1時間だった。この付近には少し残雪もあり、吹く風も冷たい。
この神社が峠道の最高峰で駅からの標高差は260m。
ここから下りが始まる…やがて目的の鳥居峠で標高1197m。
…といっても、中央本線そのものが標高のある地域なので
数字の割りに実感は無い。
鳥居峠には休憩所もあり、数冊のノートがあって、訪れた人々の
コメントが書かれていた。中には外国からの旅人も書いてあり、
中山道ファンが国際的であることが判る。

鳥居峠からは下り坂が続く…山は冬の装いのままなので
木々は目覚めていない。
日当たりの良い場所にフキノトウが芽を出していたぐらい。
雪をかぶった木曽駒ケ岳がすぐそばにあり、
ここが木曽の山中であることを改めて感じる…。

再び石畳の道になり、やがて奈良井宿の入り口に…
奈良井に入るとすぐ、楢川歴史民族資料館があり入る(200)。
受付の方と暫し話し込み、館内展示物を見る。
隣には鎮神社、水場~高札場があり、町並みへと続く。
奈良井宿は国の伝統的建築物保存地区でもあり、その景観は
見応えがある。
観光客にとっては見る喜びがあるが、地元の人にとっては
その維持や冬場の生活に苦しみがあるそうだ。

宿場町を歩き、造り酒屋:杉の森酒造へ入る。
大吟醸の酒かすがあったので店主と四方山話を…。
阪神淡路大震災の当時、大阪に住んでいたそうだ。
今は生まれ育った奈良井で酒作りを継いだとか。
美味しい水が豊富な奈良井で、本物のうまい酒造りを
これからも長く続けて頑張って欲しいものである。

木曽川に掛けた立派な木造の木曽大橋(太鼓橋)を見た後、奈良井駅に。
予定よりも早く着いたので時刻表でスケジュールの見直し。
隣の平沢駅まで歩くことにした。
約30分で平沢…この町は漆器の集落で専門店が街道筋に並んでいた。
駅に向かい、電車を待ち…15時10分発で帰路に。

藪原宿→鳥居峠→奈良井宿…6.5k
奈良井宿→平川宿…2k