今日も、歩いて行こうか…

近郊の山歩きや、昔の街道・古道を歩いてみたり…、鈍行列車で知らない町を訪ねると、探していたモノが…きっと見つかる。

山陰:倉吉の古き町並みを訪れる…

2009-03-31 10:39:59 | 知らない町を歩きたい…
'09春:青春18きっぷの旅…Part-3

朝、芦屋駅6時14分発に乗車して姫路、山陽線上郡まで行き、
そこから智頭急行に乗り換える。
智頭急行の一日乗り放題きっぷ(普通列車のみ)を購入(1,000)…
通常なら、上郡→智頭間=片道1,260-なので、大変お得な切符だ。
上郡から因美線を経由して山陰線:鳥取駅~倉吉まで鈍行の旅が続く。
そう…時間はたっぷりかかる。
11時43分、倉吉駅到着…片道約5時間半である。
しかし、鈍行列車の車窓からの眺めは旅人を飽きさせない。

倉吉駅の近くにある観光案内所に向かい、情報収集。
駅前からバスに乗り約15分…市役所近くの白壁土蔵群前バス停で下車。
打吹山の麓の北側が、国の伝統的建造物保存地区に指定された
白壁土蔵群のある町並みである。
土蔵群のそばには小川が流れ、大きな鯉がゆっくりと泳いでいる。
赤瓦と称する土蔵を改造した建物や古い建築物の店舗が
1号館から10号館まであって、それぞれにこだわりの店舗が営業。
ただ…建物の内部などを見たいと思っても、飲食店で営業していると
見るだけと云うには入りにくい…結果、外観ばかりを見ることになる。
物産店だと、気に入ったものがあれば買うつもりで入れるが…。

町並みを見た後、桜の名所:打吹公園内にある
倉吉博物館、歴史民族資料館へ足を延ばしたが休館日だった…残念。
桜は2~3分咲き…もうすぐ花見客で賑わうことだろう。

観光マップを見直し、小さな鉄道記念館(無休・無人施設)へ…。
自分で電気を付け、見た後は消して出なければいけない。
館内には昔の駅の写真や、小型ディーゼル機関車の実物、
屋外には蒸気機関車の実物も…。

その後、明治40年から営業している銭湯:第三鶴の湯へ…。
それほど大きくない普通の木造建築物だが、何かを感じさせる。
隣に出雲大社の分社があって、大社湯とも呼ばれるらしい。
入り口は小さな作りで(写真)、これが何ともいえない味わいなのだ。
一般的な銭湯の入り口とは一味違うのである。
内部を見たければ、一風呂浴びなければならないが、
営業時間が夕方からで、今回はムリ…。
泊りがけで訪れると良いだろう。

バスで駅に戻り、再び観光案内所に立ち寄る。
三朝温泉方面にある三徳山の資料収集が目的…。
霊峰三徳山・三佛寺の国宝:投入堂には次回訪れる予定。
バスの時刻表も手に入れ、帰路に着く。

現地滞在…約3時間半。





木曽川沿いの国宝:犬山城へ…

2009-03-17 23:27:04 | 知らない町を歩きたい…
'09春:青春18きっぷの旅…Part-2

往路…新快速の米原到着が約15分の遅れだったが、なんとか次の接続電車で
大垣~岐阜~高山線・鵜沼駅へ。鵜沼駅からは名鉄に乗り換えて犬山駅に…、
当初の予定より約30分の遅れで現地到着。

駅の観光案内所に立ち寄り、観光マップや情報を収集。
古い町並みが集まった所は少ないようだが、とりあえず集中している本町通り
へ向かう。駅から5分ほどで本町通りの交差点。しかし…道路工事中だった。
聞くところによると、電柱の地中化工事の最終工程らしく4月の観光シーズンに
向けて工事が進んでいるとか…。そんな訳で本町通はゆっくり歩くのに少々
不向きだったのが残念。

始めに「どんでん館」へ…国指定民俗文化財の指定を受けている犬山祭で
使われるからくり仕掛けの車山4両がホールに展示されていた。
祭りの際は、ここから引き出されるそうである。
車山の上部でからくり人形が演じ、それを見物客が見上げて声援…、
ホールで聴こえるお囃子の音色は京都の祇園祭的な感じだ。
城下町の辻を曲がる時に車山の片方を持ち上げて豪壮に「どんでん」と
方向転換することから、この施設の名称になったとのこと。

次に訪れたのが、登録有形文化財:旧磯部家住宅。
江戸時代から柏屋孫兵衛の屋号で呉服商を営んでいた商家で
丸みのある起(むく)り屋根が特徴である。
間口は狭いが奥に長く広がり、奥座敷・土蔵・奥土蔵・物置があり
修復された現在は町づくりの拠点施設として無料公開されている。

少し歩いて…犬山市文化史料館へ、続いて向かいのからくり展示館へ。
からくり展示館には、車山に使うからくりの仕組みや、木工細工の
材料など価値にある展示物があって、からくりに興味のある人には
最適の場所と言える。
その後、本町通の突き当たりにある針綱神社を経て、犬山城へ…。
犬山城は、姫路城・彦根城・松本城の国宝四城の中でも
最も古いお城として知られている。
外観三層、内部四層で構造は望楼式。
狭く急な木造階段を上ると天守閣からは濃尾平野が一望できる。
(今日は黄砂で遠望にも少し影響があった…)
歴史に翻弄された小さなお城だが、一度は訪れる価値があり。

お城を後にして、城下町風情を探すが古い建物は少ない。
あっても現在も住居であり、公開されていないので外観のみ。
商店街は、いずこも同じシャッター通りのようだ。
桜の開花する頃には観光客も増えそう…。
帰りには犬山名物:厳骨庵のげんこつ飴を本店で購入。
黒砂糖・黄な粉などを原料に作られた懐かしい味のお菓子だった。

名鉄犬山駅まで戻り、往路を辿って帰宅。
現地滞在…約3時間半。




旧・石州街道の拠点…山あいの町:上下へ

2009-03-11 21:42:25 | 知らない町を歩きたい…
'09春:青春18きっぷの旅…Part-1

今春…最初の旅は、広島県福山市上下町上下を訪ねた。
山陽本線福山駅から2両連結ワンマンカーの福塩線に乗り換え
約40分で府中駅へ…、
府中からは1両ワンマンカーで、山間部、芦田川沿いを
ゆっくりしたスピードで約45分…上下駅に到着。
上下駅は福塩線の中でも一番標高の高い位置であることが
ホームの標柱に示してあった(386.2m)。
駅内にある観光案内所でマップなどを収集してから町歩き…。
かっては幕府の天領であり、石見銀山から銀を運ぶ中継地の
宿場町として賑わったそうだ。
今も街道の趣もあり、白壁やなまこ壁、格子窓のある建物などが
見受けられる。

この町のキャッチフレーズは「白壁のにあうロマンのまち」。
町おこしも盛んなようで、3月22日まで「ひなまつり」を開催。
各店舗の店先にはそれぞれに伝わっているお雛様を飾っていた。
上下歴史文化資料館でもある旧・岡田邸でも由緒あるお雛様、
伝統的な郷土雛などが数多く飾られていて、とても見応えがあった。
翁山を背にした町のシンボル…上下キリスト教会の建物(写真)は、
明治時代に旧財閥・門倉家の土蔵だった。
戦後は教会として使われていて、広島県文化自選選定建築物に。

街道沿いを歩き、町のはずれには大正時代に建てられた木造の
芝居小屋:翁座が現れる。
「映画実演」の大きな文字が印象的だ…残念ながら平日だったので
小屋の内部が公開されていなかったのが心残り…。
その後、上下の町の由来でもある分水嶺に位置する天領代官所跡へ、
そこから町を見下ろす翁山へ向かった。
翁山は標高538mで、昔は山城があったらしいが、今は健康の道と
して整備され山頂まで車道になっていた。
麓の善昌寺から山頂まで約20分、もっとも山歩きに慣れているので
この時間だが、慣れていない人なら倍は掛かるだろう。
山城の遺物・痕跡は全く無いが、山頂からは山々に囲まれた中に
上下の町並み、周囲の山並みがよくわかる場所でもあった。

山を下り、街道沿いを戻りながら途中の門倉菓子店で土産購入。
上下名物と称する「つちのこ饅頭」である。
お店には数えで九十歳になるお婆さんが一人で元気に接客
対応されていた。少し計算が苦手とおっしゃって
いたが、そばには昔の木製の大きなそろばんも現役だった。
少し話をした後、いつまでもお元気で…と伝えて駅に向かう。

現地滞在…約2時間15分。小さな町だったので短いながらも
それなりに楽しめた。