今日も、歩いて行こうか…

近郊の山歩きや、昔の街道・古道を歩いてみたり…、鈍行列車で知らない町を訪ねると、探していたモノが…きっと見つかる。

旧中山道:馬籠宿から妻籠宿~南木曽へ歩く…

2008-03-28 00:51:41 | 昔探しの旅:街道・古道…
'08春・青春18きっぷ/鈍行列車の旅…Part-4

宿場町として有名な馬籠宿から妻籠宿~南木曽駅までの街道歩き。
早朝に出発…JR中央本線・中津川駅に10時44分到着。
観光案内所でマップなどの資料を収集した後、
駅前から馬籠行きの濃飛バスに乗車。
予定では馬籠の手前の新茶屋で下車するはずだったが、
そこを通るバスは昼過ぎに1便だけとの事であきらめた。
約30分で馬籠宿に到着(11時40分)。
バスの中では外国人カップルと知り合った。
彼らは3週間の休暇でヨーロッパから観光にやって来ていた。

馬籠を最初に目にした時、少し整備し過ぎている感じがした。
坂道沿いの町並みを見ながら少しガッカリ…。
馬籠は明治と大正の時代に大火があり町のほとんどを焼失、
その後に再建されて今に続いているので昔風景観…ということだ。
(観光客は楽しまれている…)
外国人の姿も多い…、外国から来られると珍しいのであろう。
土産物店や名物の五平餅を売る店も軒並みに…
藤村記念館もあったが、立ち寄らずに通り過ごす。
宿場を上りきった所に高札場があり、その前の蕎麦屋に寄って昼食。
二段重ねのざる蕎麦で腹ごしらえも完了、
ただ…蕎麦の切り方が不揃いなのはご愛嬌…ということで。

食後、坂道を上りきった展望所から馬籠を一望し、街道へ進んだ。
展望所までは観光客があったが、その後は人の姿無し。
山道だったり石畳の個所もあったり、19号線沿いでもあり…
所々に石碑や塚、道標も整備されているので迷うことは無い。
馬籠峠(標高801m)に12時45分着、ここも19号線沿いでバスの便も…。
峠茶屋の脇を通って下ると石畳道になり、暫く進むと一石栃番所跡。
その後、天狗の腰掛と呼ばれる巨木、男滝・女滝への分岐、
この間、峠からは緩やかな下り坂が続く…。
小さな集落を過ぎると大妻籠の集落へ入る。
ここは旅籠集落のようで街道沿いは民宿を営んでいるようだ。
古い民家と田舎情緒が好まれるのかも知れない。

少しアップダウンの後、妻籠宿の案内板(写真)へ。
川沿いの道を進むとすぐに妻籠発電所があり、
その辺りから妻籠の町並みに入る。
馬籠宿とは何かが違う…
妻籠宿は明治以降、衰退の途を辿っていたが近年、
歴史的町並みの保存事業で宿場の景観を蘇らせた。今では
国の重要伝統的建造物保存地区に指定されている。
電柱が無い、建物も出来るだけ昔そのままの姿を残そうと
住民が一体となって努力しているようだ。
和菓子のお店で話をしたが、若者の働く場所が無いので
いずれは過疎地になる可能性があるとのことだった。
地方の町を訪れると、何処も同じ悩みを抱えているのが現実だ。
このお店で妻籠にしかないという和菓子を試食し、もちろん購入。
追記:帰宅後、菓子箱に入っていた栞によると、このお店…
    妻籠宿だけではなく他に2店舗あった。てっきり妻籠宿の
    小さなお店で作られていると思ってしまっていた。
    でもまァ、保存料や着色料などは無添加…。
今までの経験では、地方の土産物には添加物だらけの商品が多くて、
それらを避け、場合によっては買わない主義なのである。

妻籠を出てから少し判りにくかったが、道標を探しながら
アップダウン…やがて南木曽の町並みに入る。
左手に木曽川の流れを見ながら下るとSLのある公園、
その先にJRの線路が見え、その先に駅舎。
南木曽駅…15時18分到着。約9キロ弱、3時間程の行程であった。

次の電車まで時間があるので観光案内所に行き情報収集。
木曽川に掛かる「桃介橋(国の重要文化財・近代化遺産)」を渡り
天白公園、山の歴史館(明治の建築物)を回って駅に戻った。
電車を待っていると、馬籠で別れた外国人カップルと再会。
旧中山道を歩く日本人には会わなかったが、
外国人の若者とは何度か出会った…、
日本人の若者は車での移動がお好きなようである。
歩くことで見落としていた何かが見つかるのだ…が。







岐阜県:郡上八幡と美濃市を訪ねて…

2008-03-16 10:02:09 | 知らない町を歩きたい…
'08春・青春18きっぷ/鈍行列車の旅…Part-3

前回に続いて岐阜県へ…
春到来で暖かな一日…、土曜日の旅立ちであった。
米原から岐阜、高山線に乗り換え美濃太田駅へ。
隣接する長良川鉄道ホームへ向かい、券売所で
一日フリー切符(土・日・休日のみ)を購入。
土曜に旅立った理由はここにある…
この切符は¥1500-で乗り降り自由
(通常:美濃太田から郡上八幡/片道=¥1200-)
今回の旅のように途中下車をするなら格安なのだ。
長良川鉄道は単線・ワンマンの1両運転。
郡上八幡まで約1時間半、各駅停車の長丁場であるが、
長良川沿いに走行したりで車窓の風景に飽きない。

郡上八幡に1時前に着き、駅から歩いて約10分ほどで
中心部に着く。先ずは「郡上八幡旧庁舎記念館」へ。
そこは観光案内所でもあり、周辺の路地にも観光客の
姿も多かった。詳しい市内の観光マップも手に入れ、
先ずは山の上にある郡上八幡城(写真)を目指す…。

いくつかの観光スポットを通り過ぎ、城山へ…
車道もあるが、ハイカー用の山道コースもあった。
一汗かいて城入り口で入場料¥300を払い入る。
この城は1933年に天守閣・隅櫓などが再建されたもので、
その後、県の史跡になり改修を重ねて今に至っている。
天守から市内を見下ろすと長良川と周囲の山に囲まれた
町の様子が良くわかる。

山を下り、古い町並みを探しながら路地を歩く。
あちこちに湧き水があり、そこには誰でも飲めるように
コップなどが備えてあった。
古い町並みといっても、ご多分に漏れず改築されていて
面影のある建物は少ない。
市内を流れる小駄良川、吉田川は雪解けもあってか豊富な
水量で勢いよく長良川に注いでいた。
市内を効率よく巡り、滞在時間約2時間で駅へ向かう。

次の目的地:美濃市は「美濃和紙・うだつ」で知られている。
梅山駅で下車、約5分ほどで中心部へ。
ここは国の重要伝統的建造物保存地区の指定を受け、整備。
電柱などは無く、低い家並みが続く通りはとても雰囲気がある。
建物の屋根には重厚な「うだつ」がそれぞれにあって、興味深い。
美濃和紙を売る店もあったり、造り酒屋の小阪邸(重文)など
それぞれに訪れる価値がある。
ここでもバスでやって来た観光客がカメラを持ってウロウロ…。

北方向にある小倉山へ…昔、城があった所のようで今は城を
模した展望台があるだけ。でも展望台から眺望は良かった。
山を下り、長良川沿いにある川湊灯台へ。
川沿いに静かに建つ灯台は今も夜になると点灯するとか。
中心部へ戻ると観光客の姿も去り、静かな町並みが味わえた。
その後、美濃市駅まで歩き、人少ないホームで電車を待つ…。
滞在時間…約1時間半。




世界文化遺産・広島県/宮島へ…

2008-03-12 01:07:09 | 知らない町を歩きたい…
'08春・青春18きっぷ/鈍行列車の旅…Part-2

もう春か…と思わせるような素晴らしい天候に
恵まれた一日…、世界文化遺産:安芸の宮島へ。
一大観光地でもあり、日帰り旅という少ない時間を
いかに有効に過ごせるかが旅のポイントだった。

新快速~鈍行~サンライナー~シティーライナー…と
乗り換え、片道約5時間強の旅で昼過ぎに宮島口着。
JRのフェリーに乗り換えて宮島へ…。
「ここでフェリー選びのポイント…」
二社が運行をしているが、私的にはJR船がお勧め。
理由は、宮島口から島に向かう時に、厳島神社を海側
から眺める航路を進んでいるからだ。
沖の方からではあるが、海に浮かぶ大鳥居とその背景
に神社・五重塔なども眺めることが出来るのである。

宮島に着くと先ずは観光案内所に立ち寄り、
観光マップと情報を手に入れる。
最初に目指したのは島の最高峰・弥山(535m)。
紅葉谷からロープウエイ乗り場まで無料バスを利用し、
そこから小型ゴンドラで、かや谷駅へ、
次に大型のロープウエイに乗り換え、獅子岩駅へ…。
山頂を目指すには、山上の周回コースで弥山史跡めぐり
をしながら歩くと…標高535mの頂上へ。
眺望と共に鹿や猿までが神域らしく静かに迎えてくれた。
獅子岩駅で頂上への所要時間を聞くと往復約1時間とか。
しかし、山慣れした我が身での結果は約40分ほど。
ただ、春の陽気で汗もタップリ…。

下山をし、厳島神社を参拝…次々と訪れる観光客を避け
ながら足早に通り抜け、絵葉書写真にならないスポット
を探しつつ、選んだのが神社裏手の光景(写真)…
(桧皮葺葺きの荘厳な建築物が良く判る…)

その後、町家通りを散策しながら桟橋近くの宮尾城跡へ…
(毛利元就ゆかりの地で厳島合戦跡、観光客の姿なし)
そして帰りのフェリーが待つ桟橋へ。
宮島口に戻り、空腹を満たすべく名物・穴子めしの店に。
なるほど…駅弁で知られた名店だけにとても「まいう~」
帰りの電車も予定通りに乗ることが出来て満足。
現地滞在…約4時間。

なお、帰りの鈍行列車では、若き旅人と知り合い
普通なら退屈な長旅を、あっという間に過ごせて…感謝!
今回も幸せな一期一会の旅であった。


岐阜県恵那市明知の大正村へ

2008-03-07 10:30:28 | 知らない町を歩きたい…
'08春・青春18きっぷ…鈍行列車の旅/Part-1

3月に入っても、まだまだ寒さが残る時期なれど、
今年も青春きっぷを利用して旅に…。

今春初旅は、昨年訪れた岐阜県恵那市岩村の先へ。
恵那から明知鉄道で約45分、山あいの小さな町「明知」。
ここは「日本大正村」として有名な所で、
町のあちこちに残る大正時代の建造物を活かし町おこしに
力を入れている。
春まだ早い平日だったので、観光客の姿も少なく静かな町歩きを
楽しめた。(ちなみに観光シーズンは団体さんが多いとか…)

明知駅を降りて先ずは前方に見える「八王子神社」参拝。
平安時代に創建、戦国時代には兵火に焼かれ延宝4年に
造営…小高い丘の上にあって、町を見守っているようである。

次に「大正村資料館」へ。ここで4館共通入館券を購入。
(通常¥500だが、JAFカード提示で¥400に…)
大正時代建築の4階建ての蔵などで、中には様々な資料が収集・
公開されていて建築物と共に一見の価値がある。
その後、向かいの「通信資料館」…古い電話機や交換機など
珍しい通信・郵便関係の展示品や資料があった。
少し寂れた南北街道を歩いて中馬街道・南北街道の交差点、
「おもちゃ資料館」、「大正時代館」へ。
大正時代館は昔京都にあった「カフェー天久」を復元し、
営業しながらカフェー天久の展示品・資料などを中心に展示していた。

うかれ横丁を通ると路地の上を通す珍しい「渡り廊下のある家」。
その先の「遠山家屋敷跡」は小さな公園だった。
次に「大正村役場」(写真)、「大正村展示館」「絵画館」がある一角へ。
そこから少し上ると、ちょっと奇異に感じる外観の「大正ロマン館」。
初代村長であった女優・高峰秀子(現村長は女優・司葉子)と
大相撲の名横綱・栃錦の記念館で、衣装や車、映画ポスター…、
懐かしくもあり、ちょっとなァ…という気持ちも正直あった。

その建物の裏手には「旧・三宅家」
元禄時代に建てられた茅葺屋根の建物で平成4年に当地に移築復元。
囲炉裏に火が起こされていて管理の方と話をしたりで、暫し時間を過ごす。
私的には、ロマン館より有意義であったと思える。
近くには「代官所陣屋跡」もあったが、民家があるだけ…。
丘を下り「大正路地」を通り、駅に向かった。
帰途、岩村で途中下車…名物のカステラを買い求めて帰る。

地方の小都市は寂れつつあるが、ここも同じ…。
大型量販店が出来ることで小さな商店が廃り、町に活気が無くなる。
でも、こういう町を残す努力も必要だし、訪れる人が増えることで
活気も出てくることだろう。
明知鉄道もいろいろがんばって企画をしているようなので
廃線にしないよう皆で大いに利用したいものである。