はる日記

「人間万事塞翁が馬」

日々の出来事を綴ってます。

『去年の冬、きみと別れ』

2017-10-10 20:08:54 | テレビ・映画・本
中村 文則 著

内容。

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だがー。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー。

(「BOOK」データベースより)


(ー_ー;)

アメトーークで、読書芸人の方たちが『教団X』を絶賛していて、中村文則に興味を持ちました。

しかし、『教団X』は私には読めないと判断。読書家の方たちが絶賛する本は難しいという思い込みがあるためです。

(; ̄ー ̄A

でも、中村文則の本は読んでみたい。

ということで、この本を選びました。選んだ理由は簡単。ページ数が少ないから。

(*´∇`*)

読み終わってみて、ちょっと?いや、かなり意外でした。ここまで心情を吐露してくれるとは。個人的には、もっと読み手に考えさせる余白部分がほしかったです。

あと、著者も書いていますが、この作品にあとがきは不要です。著者自身もそのことはよく解っているけど、「意味がわからない」という意見をいただいたということで、あとがきにネタバレを書くことにしたそうです。

この作品がミステリーなのか純文学なのかは、私には判りません。しかし、どちらにしても著者がネタバレ書いたらアカンやろ。

毒を吐くと、そもそも「わからない」って…。作中に謎を解くためのセリフがズバリ書いてあるんですけど。

(ー_ー;)

描かれている狂気の切れ味が悪いのも残念でした。

得体の知れない気持ち悪さがない。一つ一つの行動は確かに狂っているんですけど、何故か狂気を感じません。

正しい言葉なのかは知りませんが、「狂気を孕む」という言葉を見聞きすることがあります。この言葉って、狂気というものを的確に表した言葉だと思います。ゾッとします。この話には、このゾッが足りないんです。

(´-ω-`)

再読したら全く違う印象になるのかな?しばらくしたら、再読してみようと思います。

ややこしい話だろうと読み始めましたが、シンプルな話でした。批判していますが、好みの話ではないだけで、面白い本だと思います。

( ̄▽ ̄)