はる日記

「人間万事塞翁が馬」

日々の出来事を綴ってます。

『蟲愛づる姫君の婚姻』

2022-02-12 10:31:22 | テレビ・映画・本
著者:宮野 美嘉

《内容》
この世には“蠱毒”というものがある。壺に百の毒蟲を入れて殺し合わせ、最後の一匹が猛毒の“蠱”となる。それを古来“蠱術”といい、操る術者を“蠱師”と呼ぶ。大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。最愛の姉である女帝・彩蘭の指示で、隣国魁の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐが、結婚生活は前途多難。まず玲琳が蟲を偏愛する蠱師と判明し、魁国の者たちはドン引き。さらに鍠牙の命が何者かに狙われている―という噂が立つと、毒殺犯容疑をかけられた玲琳の立場は危ういものに…。
(「BOOK」データベースより)


( ̄Д ̄)

読み放題。気になっていた本だったので、読めてよかったです。

シリーズ物の1作目。私が読んだ時点で9作目まで出ていたので、人気作なんだなと思いながら、読み始めました。

(。_。)

幽霊伯爵シリーズに似ていますが、今作のほうが、登場人物たちが幼い印象です。そして、病んでいる人間の多いこと。主要人物のほとんどが病んでいるか変人です。

序盤から玲琳の変人具合全開で、どうなるかと思いきや、読み進めて行くと、なんや玲琳いい子やんとなり、鍠牙の心の傷の深さに、あんたのほうが厄介やな…となり、黒幕の壊れっぷりに、うん、玲琳が普通に見える。

(; ̄ー ̄A

宮野さんの世界観は、どこか落ち着く。皆、何かしら抱えて生きているんだなと。

『嘘』

2022-02-07 19:30:44 | テレビ・映画・本
著者 : 北國 浩二

《内容》
認知症の父と、その父を憎みながらも介護をする娘。その家に、ひとりの少年が暮らし始めた…。気鋭のミステリ作家による「感動&驚愕」のストーリー。
(「BOOK」データベースより)


ネタバレ注意。


( TДT)

『八日目の蝉』に雰囲気が似ています。

終わりは、綺麗過ぎず、現実的過ぎず、よかったです。この手の話では王道。王道の安心感。

最初は、好感を持てる大人がいないことと閉塞感で、読み終えるのに時間かかるだろうなと思いましたが、徐々に登場人物の雰囲気や行動が変わったり、様々なエピソードが出てきたりで読みやすくなり、思ったより速く読み終えることができました。

( ´∀`)

タイトルは『嘘』ですが、なんせ王道なので、どんな嘘があるのかは、おおよそ分かります。それを踏まえて読んでいくと、拓未の芯の強さや必死さにうるっときます。

(。´Д⊂)

結末、よかったな。

『神様の用心棒 ~うさぎは梅香に酔う~』

2022-02-06 12:23:23 | テレビ・映画・本
著者 : 霜月 りつ

《内容》
時は明治――北海道の函館山の中腹にある『宇佐伎神社』。
戦で命を落とした兎月は修行のため宇佐伎神社の用心棒としてよみがえり、日々参拝客の願いを叶えている。
春までの間、貿易商アーチー・パーシバルの屋敷の隣に社を移し、兎月もパーシバル邸に居候させてもらっている。
雪深い冬の朝、生前の戦の夢を見た兎月。それは目の前で仲間を失う悪夢。
これまで蓋をしていた想いを断ち切るため、ひとり五稜郭へ向かうことに…。
和風ファンタジー待望の第三弾!


(*´ω`*)

五稜郭の夢は、内容よりもうさぎが可愛い!言いたいことを言い、やりたいことをやる。なかなか自由なうさぎさんたち。ニヤニヤ。

白魔の牙は、ハラハラしました。昔話で読んだことがあるような話で、なんだったかなぁ?3枚のお札に似ているようだけど、違うか…。なんだったかなぁ?お化け屋敷にいるような感覚で読みました。

(゜゜;)

恋、ふたつは、タイトル通り恋愛のお話。しかし、ふたつなのか?みっつのような気がするが…。駆け足で、盛り上がりに欠けるかな。

ヨコハマから来た、小さなレディ。小さなお嬢さんたちの母親を思う気持ち。子どもは子どもなりに考えているんですよね。最後が春で終わったことに、ほんわかしました。

(*´ω`*)

『絶対正義』

2022-02-05 16:05:12 | テレビ・映画・本
著者 : 秋吉 理香子

《内容》
由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。彼女の正義感は異常で、法から逸れることを絶対に許さない。由美子たちも、やっと掴んだ夢や恋人との関係、家族までも壊されそうになり…。このままでは人生を滅茶苦茶にされてしまう!追い詰められた四人は範子を殺した。五年後、死んだはずの彼女から一通の招待状が届く!
(「BOOK」データベースより)


((( ;゚Д゚)))

秋吉さんなのでオチは想像できた。だからこそ、読んでいて重い空気が纏わりついて苦しい。

世の中にはグレーゾーンがあり、そのグレーゾーンがあるから、人間は生きられるのだと思う。当事者でないと分からない空気ってある。この作品に出てくる煙草事件だったり、万引き事件だったり…。正しいことではないが、誰も不幸になっていない。それでいいではないかと思う。

(´Д`|||)

しかし、範子は白か黒かしか選ばせてくれない。

グレーでいいじゃないと思っていても、白ではないので、なんとなく堂々とは言えない。かといって、白黒バシッとつけられないというか言えない。他人の目も気になるし…。日本人気質なのか?

(ノ_<。)

そもそも正義って何ぞや。と思って軽く調べると、戦争や紛争は、各々の正義のもと戦っているという例が出てきた。立場によって自由自在に形を変える正義。なんて曖昧。

しかし、正義という言葉には凄い力がある。これは正義ですと宣言されると、重いもの、価値あるものと感じてしまう。なんて恐ろしい武器なのか。

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

さらに調べていくと、正義と善は違うとか正しい人が善い人とも限らないというのもあり、それだ!と思った。範子の正義によって人生をめちゃくちゃにされた人たちは、相手の立場になり考えられる善い人たちだった。先生だったり、役所の人だったり。助け合いの優しい世界だったのに。

正義って、正しく使わないと大変なものだとしみじみ。

( ̄▽ ̄;)