(1972/監督:斎藤耕一/脚本:石森史郎/高橋洋子、高橋悦史、横山リエ、砂塚秀夫、岸田今日子、三国連太郎、秋吉久美子)
思い出の作品から。
中学校までは、映画館では東宝の怪獣物やクレージーキャッツのコメディ、「若大将シリーズ」しか観なかった。洋画を観るようになってからは邦画には目もくれなかったが、高校生になって久しぶりに邦画を観ることとなった作品。もう30年以上前の話だ。
素九鬼子さん原作の「旅の重さ」。斎藤耕一という監督にも巡り会い、この後しばらく斎藤作品を追いかけることになる。斎藤作品は、それまでの日本映画にありがちな創り手の情緒を押しつけるようなシーンが無く、きちんとストーリーを語ってくれるのが好きだった。
主題歌に吉田拓郎の「♪今日までそして明日から」が使われていて、新聞の広告に載っていた全裸で砂浜にうずくまる高橋洋子のスチール写真にも惹かれた。一人の少女のお遍路の話というのにも興味が湧いた。
原作本もこの後買って読んだんだが、細かいストーリーは忘れてしまった。
少女がお遍路に出たのは、自分らしい生き方を求めての事だったと思うが、母親との葛藤も背景にあったように記憶している。本はその母親に出した手紙形式になっていて、映画でも少女(高橋洋子)の母親宛のナレーションが随所に入っていた。
夏の話で、四国の田舎の美しい風景が印象的だった。
高橋洋子はタイトなホワイト・ジーンを履いていて、「卒業」のダスティン・ホフマンも履いていたので、当時はホワイト・ジーンに憧れた。街に出た時には店で探したが、何故か彼等と同じ様なシルエットのものが見つからず、僕はいつもブルー・ジーンだった。
旅の途中では色々な他人との交わりがあり、喜んだり、傷ついたりしていく。一番大きな関わりを持ったのが、旅芝居一座との出会いで、少女はしばらく寝食を共にする。横山リエ、砂塚秀夫、三国連太郎等が一座のメンバーで、一見陽気な彼等だったが、その裏の大人の性事情に少女は深く傷つくことになる。
終盤で体調を崩した少女が行き倒れた所を助けてくれるのが、高橋悦史扮する漁師。色の浅黒いのは良しとしても、どうも漁師には見えなかったのが残念だった。
高橋洋子と主役のオーディションを争って落ちたのが秋吉久美子。しかし、監督の目に留まったんだろう、終盤に漁師町の文学好きの少女として出てくる。少ないながらもセリフもあって、割と重要な役。この時には彼女のファンになって、その後、藤田敏八の「赤ちょうちん」も観た。「赤ちょうちん」は南こうせつとかぐや姫のヒット曲から作られた映画だが、これも面白かった。
斉藤作品は、この後「約束(1972)」「津軽じょんがら節(1973)」「再会(1975)」と観た。
「約束(1972)」はショーケンと岸恵子が共演。仮出所の女囚と逃亡中の強盗犯というシチュエーションが面白く(脚本:石森史郎)、ストーリーで魅せる作品だった。「津軽じょんがら節(1973)」は中島丈博の脚本で、高橋竹山の津軽三味線が聞ける。江波杏子と当時新人の織田あきらが共演。冬の津軽の漁村が舞台で、荒々しく迫ってくる波の映像が印象的な作品だった。「再会」も江波京子と、今度は歌手の野口五郎が共演したが、コチラはほとんど覚えていない。
思い出の作品から。
中学校までは、映画館では東宝の怪獣物やクレージーキャッツのコメディ、「若大将シリーズ」しか観なかった。洋画を観るようになってからは邦画には目もくれなかったが、高校生になって久しぶりに邦画を観ることとなった作品。もう30年以上前の話だ。
素九鬼子さん原作の「旅の重さ」。斎藤耕一という監督にも巡り会い、この後しばらく斎藤作品を追いかけることになる。斎藤作品は、それまでの日本映画にありがちな創り手の情緒を押しつけるようなシーンが無く、きちんとストーリーを語ってくれるのが好きだった。

原作本もこの後買って読んだんだが、細かいストーリーは忘れてしまった。
少女がお遍路に出たのは、自分らしい生き方を求めての事だったと思うが、母親との葛藤も背景にあったように記憶している。本はその母親に出した手紙形式になっていて、映画でも少女(高橋洋子)の母親宛のナレーションが随所に入っていた。
夏の話で、四国の田舎の美しい風景が印象的だった。
高橋洋子はタイトなホワイト・ジーンを履いていて、「卒業」のダスティン・ホフマンも履いていたので、当時はホワイト・ジーンに憧れた。街に出た時には店で探したが、何故か彼等と同じ様なシルエットのものが見つからず、僕はいつもブルー・ジーンだった。
旅の途中では色々な他人との交わりがあり、喜んだり、傷ついたりしていく。一番大きな関わりを持ったのが、旅芝居一座との出会いで、少女はしばらく寝食を共にする。横山リエ、砂塚秀夫、三国連太郎等が一座のメンバーで、一見陽気な彼等だったが、その裏の大人の性事情に少女は深く傷つくことになる。
終盤で体調を崩した少女が行き倒れた所を助けてくれるのが、高橋悦史扮する漁師。色の浅黒いのは良しとしても、どうも漁師には見えなかったのが残念だった。
高橋洋子と主役のオーディションを争って落ちたのが秋吉久美子。しかし、監督の目に留まったんだろう、終盤に漁師町の文学好きの少女として出てくる。少ないながらもセリフもあって、割と重要な役。この時には彼女のファンになって、その後、藤田敏八の「赤ちょうちん」も観た。「赤ちょうちん」は南こうせつとかぐや姫のヒット曲から作られた映画だが、これも面白かった。
斉藤作品は、この後「約束(1972)」「津軽じょんがら節(1973)」「再会(1975)」と観た。
「約束(1972)」はショーケンと岸恵子が共演。仮出所の女囚と逃亡中の強盗犯というシチュエーションが面白く(脚本:石森史郎)、ストーリーで魅せる作品だった。「津軽じょんがら節(1973)」は中島丈博の脚本で、高橋竹山の津軽三味線が聞ける。江波杏子と当時新人の織田あきらが共演。冬の津軽の漁村が舞台で、荒々しく迫ってくる波の映像が印象的な作品だった。「再会」も江波京子と、今度は歌手の野口五郎が共演したが、コチラはほとんど覚えていない。
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 

斎藤耕一監督の映画をヤフーで検索してみましたが、やはり、この監督の作品を観たのは「津軽じょんがら節」初めてでした。
以前から観てみたい映画「月曜日のユカ」の脚本を書かれた方なのですね~。ちなみに、この映画の脚本を倉本聰も一緒に書かれていたとはビックリ!
「旅の重さ」も観たいです。
素九鬼子さん原作で秋吉久美子さん主演の『パーマネント・ブルー 真夏の恋』という作品もありますね。
本を読むとやはり素作品らしい陽光まぶしい愛媛が舞台で、主人公の自然美が素晴らしいんですけど、見られる機会がありません。
また、お邪魔させていただきます。
お二人とも名前は知っておりましたが、こうして訪ねて来られるとうれしいです。
日本映画にも、面白い作品がありますねえ。
また、お邪魔します。
コメント、TBも大歓迎です。
いきなりのTBすみませんでした。
「旅の重さ」DVDが出るようですので、ぜひ見てみたいと思います。
記事をリンクしていただいているのでTBはしませんね。
拓郎の事を知りたいときには、御ブログに伺います。
これからもヨロシクね。
大竹しのぶ、原田美枝子、関根恵子、
大谷直子、そして高橋洋子……
先ほど挙げた女優さんでは、いちばんインパクト
がありました。
あとドサ回りの旅芸人一座もたしかに印象深いで
すね。