(2006/ロン・ハワード監督/トム・ハンクス(=ロバート・ラングドン)、オドレイ・トトゥ(=ソフィー・ヌヴー)、イアン・マッケラン(=リー・ティービング)、アルフレッド・モリナ(=アリンガローサ司教)、ジャン・レノ(=ベズ・ファーシュ)、ポール・ベタニー(=シラス)、ジャン=ピエール・マリエール(=ジャック・ソニエール)/149分)
世界的なベストセラー小説を原作に、3年前に大ヒットしたサスペンス・ミステリー。同じ主人公による続編とも言うべき「天使と悪魔」も映画化され(小説は「天使と悪魔」の方が先に出版されている)、その映画の公開に併せて地上波で放送されたのを録画、鑑賞した。
監督がご贔屓のロン・ハワードなので、レンタルで絶対に観ようと思っていたのに、いつの間にか忘れてしまって、でも、今回の吹き替え版で観て正解だったかも。なにせ、サスペンスらしくクロス・カッティングのオンパレードで、聞こえてくる台詞と、流れている映像が別のモノというシーンもあり、字幕を追っていると見逃した部分も出てきたかも知れない。
CM部分を早送りしながら2回鑑賞。2回目を観ながら、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」を思い出した。無実の一般市民が被疑者となって殺人事件に巻き込まれ、逃亡しながら事件の謎を解いていく。
公開当時、あまりの大騒ぎに斜に構えてご覧になったムキもあるようですが、ロン・ハワードらしくカット・バックはきっちり作ってあるし、主要な人物の心情描写も配分よろしく織り込まれ、終盤ではどんでん返しもあり、エピローグも余韻を残し、大いに楽しめました。
ハーバード大学の歴史学者ロバート・ラングドンは、新著の発行に併せてパリで講演を行っていたが、その頃、ルーヴル美術館では館長のジャック・ソニエールが古い修道僧の格好をした男に殺害される。
フランス司法警察は遺体が宗教的な意図を感じさせる奇妙な様相を呈していた為に、宗教象徴学の権威であるラングドンにその意味を解読して欲しいと依頼してきた。講演後のサイン会の真っ最中だったが、ソニエールが殺害されたと聞いて、ラングドンはルーヴル美術館にファーシュ警部を訪ねていく。
現場にはソニエールが全裸で横たわっており、上半身には血でなぞられた紋様があり、傍らの床には謎めいたダイイング・メッセージがあった。実はラングドンはこの日の午後ソニエールと逢う約束をしていたのだが、館長が現れなかったのだ。
そこへ、フランス司法警察の暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。彼女は、ダイイング・メッセージの解読結果をファーシュに説明しつつ、ラングドンにはアメリカ大使館からの緊急呼び出しがあったと、伝言先の電話番号をメモで渡す。渡された番号にラングドンがかけると、そこにはソフィーからのメッセージがあり、彼に危険が迫っており、ファーシュの目を盗んで彼女と話をするべく洗面所に来るようにと言っていた。
洗面所に行ってみるとソフィーがいて、先程見たダイイング・メッセージにはファーシュによって一部消された部分があり、消す前のメッセージの写真を見せてくれた。そこにはこう書かれていた。
「P.S ロバート・ラングドンを探せ」
ファーシュはロバートを犯人と決めつけており、この後拘束するはずだ、そうするとソニエールが本当に伝えようとした事が分からなくなってしまうので何とかしなければいけない。そして「P.S」は“追伸”の意味ではなく、自分の事だとソフィーは言う。
ジャック・ソニエールは自分の祖父であり、ソニエールは自分のことを「プリンセス・ソフィー」と呼んでいた。つまり、「P.S ロバート・ラングドンを探せ」とは、自分に「ロバート・ラングドンを探せ」と言っているのだと。
ラングドンが無実で、事件解決には彼の力が不可欠だと確信するソフィーは、ファーシュ等を現場から遠ざけ、ラングドンにソニエールの暗号を解読させる。そこには、宗教界に古くから伝わる重大な秘密が隠されていた・・・。
▼(ネタバレ注意)
終盤のどんでん返しは、事件の首謀者の事だけでなく、ソフィーに関することもラングドンの謎解きは面白かった。
オドレイ・トトゥは「アメリ」のヒロインですね。あの映画は世評程気に入ってないんですが、彼女は可愛いなと思っておりました。夢見がちなエキセントリックな役柄から、今回はサスペンスのヒロイン。意外に強気の行動派だけど、細い体型に哀愁が感じられるという、私好みの女刑事でしたな。
フィボナッチ数列、アナグラム、クリプテックス、シオン修道会、テンプル騎士団、オプス・デイ・・・。
色々と調べたくなるネタも満載。
因みに、我が家の近くの十字架のある建物は、シオンキリスト教会です。
▲(解除)
世界的なベストセラー小説を原作に、3年前に大ヒットしたサスペンス・ミステリー。同じ主人公による続編とも言うべき「天使と悪魔」も映画化され(小説は「天使と悪魔」の方が先に出版されている)、その映画の公開に併せて地上波で放送されたのを録画、鑑賞した。
監督がご贔屓のロン・ハワードなので、レンタルで絶対に観ようと思っていたのに、いつの間にか忘れてしまって、でも、今回の吹き替え版で観て正解だったかも。なにせ、サスペンスらしくクロス・カッティングのオンパレードで、聞こえてくる台詞と、流れている映像が別のモノというシーンもあり、字幕を追っていると見逃した部分も出てきたかも知れない。
CM部分を早送りしながら2回鑑賞。2回目を観ながら、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」を思い出した。無実の一般市民が被疑者となって殺人事件に巻き込まれ、逃亡しながら事件の謎を解いていく。
公開当時、あまりの大騒ぎに斜に構えてご覧になったムキもあるようですが、ロン・ハワードらしくカット・バックはきっちり作ってあるし、主要な人物の心情描写も配分よろしく織り込まれ、終盤ではどんでん返しもあり、エピローグも余韻を残し、大いに楽しめました。
*
ハーバード大学の歴史学者ロバート・ラングドンは、新著の発行に併せてパリで講演を行っていたが、その頃、ルーヴル美術館では館長のジャック・ソニエールが古い修道僧の格好をした男に殺害される。
フランス司法警察は遺体が宗教的な意図を感じさせる奇妙な様相を呈していた為に、宗教象徴学の権威であるラングドンにその意味を解読して欲しいと依頼してきた。講演後のサイン会の真っ最中だったが、ソニエールが殺害されたと聞いて、ラングドンはルーヴル美術館にファーシュ警部を訪ねていく。
現場にはソニエールが全裸で横たわっており、上半身には血でなぞられた紋様があり、傍らの床には謎めいたダイイング・メッセージがあった。実はラングドンはこの日の午後ソニエールと逢う約束をしていたのだが、館長が現れなかったのだ。
そこへ、フランス司法警察の暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。彼女は、ダイイング・メッセージの解読結果をファーシュに説明しつつ、ラングドンにはアメリカ大使館からの緊急呼び出しがあったと、伝言先の電話番号をメモで渡す。渡された番号にラングドンがかけると、そこにはソフィーからのメッセージがあり、彼に危険が迫っており、ファーシュの目を盗んで彼女と話をするべく洗面所に来るようにと言っていた。
洗面所に行ってみるとソフィーがいて、先程見たダイイング・メッセージにはファーシュによって一部消された部分があり、消す前のメッセージの写真を見せてくれた。そこにはこう書かれていた。
「P.S ロバート・ラングドンを探せ」
ファーシュはロバートを犯人と決めつけており、この後拘束するはずだ、そうするとソニエールが本当に伝えようとした事が分からなくなってしまうので何とかしなければいけない。そして「P.S」は“追伸”の意味ではなく、自分の事だとソフィーは言う。
ジャック・ソニエールは自分の祖父であり、ソニエールは自分のことを「プリンセス・ソフィー」と呼んでいた。つまり、「P.S ロバート・ラングドンを探せ」とは、自分に「ロバート・ラングドンを探せ」と言っているのだと。
ラングドンが無実で、事件解決には彼の力が不可欠だと確信するソフィーは、ファーシュ等を現場から遠ざけ、ラングドンにソニエールの暗号を解読させる。そこには、宗教界に古くから伝わる重大な秘密が隠されていた・・・。
▼(ネタバレ注意)
終盤のどんでん返しは、事件の首謀者の事だけでなく、ソフィーに関することもラングドンの謎解きは面白かった。
オドレイ・トトゥは「アメリ」のヒロインですね。あの映画は世評程気に入ってないんですが、彼女は可愛いなと思っておりました。夢見がちなエキセントリックな役柄から、今回はサスペンスのヒロイン。意外に強気の行動派だけど、細い体型に哀愁が感じられるという、私好みの女刑事でしたな。
フィボナッチ数列、アナグラム、クリプテックス、シオン修道会、テンプル騎士団、オプス・デイ・・・。
色々と調べたくなるネタも満載。
因みに、我が家の近くの十字架のある建物は、シオンキリスト教会です。
▲(解除)
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】
>、聞こえてくる台詞と、流れている映像が別のモノというシーンもあり
これは、気づかなかったですね。
TVでは一挙三時間ぐらいで放映していてとちゅう退屈してながら見してしまったので。
といいますか、吹き替えでしたので気づかなかったのかも。
>オドレイ・トトゥは「アメリ」のヒロインですね
これも気づかなかったと言いますか、カタカナ名は覚えにくいので忘れてしまいますね。でも、あの顔、どこかで観たようなという気はうっすらあったのですが。
テンプル騎士団とかフリーメーソンは「ナショナル・トレジャー」でも登場していましたが、欧米の歴史マニアはかならず知ってるようなキーワードなんでしょうね。
終盤の、ティービングがラングドンとソフィーを相手に話しているところで、映像はシラスが追いつめられる場面が流れてました。カットバックではこういうテクニックはありがちですが、監督の(或いは編集者の)苦労が感じられるシーンでしたね。
宗教絡みで話の内容が分かりづらかったとブーイングを垂れるブログを沢山見ましたが、自分の理解の悪さを映画の出来の悪さと片づけてしまうのには呆れましたね。
原作は読んでないですが、映画はそれ程難しいことは言ってないですよね。宗教の細かなところは分かりませんが、サスペンスに必要な内容は把握出来ました。
「ナショナル・トレジャー」と同じように、冒険謎解き活劇として楽しめました。
マイ記事は、原作と映画を単純に比較して評価することの罪を一般論として滔々と書いていて、殆ど映画評の体を成していないことに、読み直して気付きました。
十瑠さんも殆ど細かな分析はありませんが、ミステリーというのはネタばれをしない限りなかなか細かなことに触れるのが難しいですからねえ。
本作のような特殊な用語がたくさん出てくるのは日本語版は有難いかもしれませんね。
まあオリジナルの俳優の声は聞きたいので、最初にそれを観てからというのが理想。例えば、オドレー・トトゥの英語はフランス訛りがきついかとかいった興味もありますしね。
因みに、結構上手い英語を喋っていた記憶がありますね。
原作が構築した宗教界の歴史(殆どフィクションらしいですが)が明かされていくのが面白く、ミステリーというよりはサスペンス・アクション的な感覚で観てました。
>因みに、結構上手い英語を喋っていた記憶がありますね。
唯一、気になったのがオカピーさんのご指摘通り、彼女の英語。つか、この映画は全編英語で作られているのか、それとも何処かでフランス語が入っていて、英語の字幕が出ているのか、なんて事でした。
そのうちレンタルで字幕版を観る予定です。
公開当時は面白かったけど今ひとつ感があ利だった本作。見直してみると今ひとつ感は拭えないけれど、ロン・ハワード頑張って映像化してるなって拍手送りたくなった。
洗面所で切った血から最後のピラミッドに至る、らすと映像もなんかもなかなかの余韻でした。
高校生の頃は、パンフレットも必ず買ってましたが、当時(三十ン年前)400~500円で、今は倍くらいするんでしょう?
DVDは800円程度って事ですか。
>公開当時は面白かったけど今ひとつ
私は今回が初見。地上は吹き替えだったので、いつか字幕スーパー版を観ようと思ってます。
「天使と悪魔」もレンタルが始まったら早めに観ましょうかね。