(2007/スコット・ヒックス監督/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン、パトリシア・クラークソン、ボブ・バラバン/104分)
2001年のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッド製リメイク。
登場人物、ストーリーとも殆ど同じですが、アメリカ版にはヒロインの亡くなった姉妹の元彼(つまり姪っ子の実父)というのが出て来ないので、終盤の印象が少し違ってきています。巷ではドイツ版の方が好評ですが、私はドイツ版でのその実父のエピソードが作劇的に生かされてないと感じていましたので、ラブ・ロマンスと人情劇が上手くミックスされ、全体の構成としてソツがないハリウッド版の方に大いに癒されました。
ストーリーだけでなく、随所随所のカメラポジション、カット割りにもよく似たシーンがあり、特に序盤などはショット構成が殆ど同じで、デジャヴを体験しているようでした。但し、これは単に真似たというのではなく、オリジナルの優れた要素であり尚かつリメイクの方向性にも合致しているので踏襲したのだろうと考えました。何故ならそのテイストは展開が変わっていく終盤にも崩れることがなかったからです。
カメラは「ピアノ・レッスン (1993)」でオスカー候補になったスチュアート・ドライバーグ。21世紀になってからは、「ニューヨークの恋人 (2001)」、「ブリジット・ジョーンズの日記 (2001)」、「リクルート (2003)」、「イーオン・フラックス (2005)」などなど、都会的な画が多いようですな。
NHK-BSオンラインの解説は・・・
< マンハッタンの高級レストランで料理長として腕をふるう完璧主義者ケイト。そんな彼女の姉が事故死し、姉の忘れ形見であるめいのゾーイを引き取ることに。不慣れな二人暮らしに悩む彼女が店に戻ると、そこには副料理長として雇われたニックがいた。陽気な彼に自分の職場を取られる危機感を募らせるケイトだったが…。>
事故死したのは姉となっていますが、字幕では“妹”となっていました。オリジナルでも姉だし、各映画サイトの解説でも姉なので、おそらくは字幕担当者の誤認でしょう。
ケイトに扮するのがキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。撮影時37、8歳ですから、字幕担当者もついシスターを“妹”と訳したのでしょうかね。
9歳のゾーイに扮したのが、前年度の「リトル・ミス・サンシャイン」でオスカー(助演女優賞)候補になったアビゲイル・ブレスリンちゃん。「リトル・・・」では幼児体型に牛乳瓶の底のような眼鏡をかけたちょっと変わった女の子でしたけど、コチラでは表情も豊かになって可愛さも一段と増していました。
イタリア料理かぶれのニック役がアーロン・エッカート。結構な人気者らしいですが、この辺りの俳優さんには疎くて、名前と顔が今回やっと一致した次第です。フィルモグラフィーを見ると、「ベティ・サイズモア (2000)」や「エリン・ブロコビッチ (2000)」、「ブレッジ (2001)」にも出演しているとか。レニー・ゼルウィガー主演の「ベティ・サイズモア」では、冒頭で悲惨な殺され方をするレニーの旦那役で、なんか情けない役だったような・・・。
小難しいことは考えずとも、主役の三人の心情に寄り添って行けば自然に辿り着くハッピー・エンドです。料理だけが自分の人生だと思い込んでいたケイトと将来の展望を見ないようにしてきたニック、そして母の死を乗り越えられずにいるゾーイ。ラストのスパッとした切り上げ方が、思わずニコニコしてしまう爽やかさでした。
監督は95年の「シャイン」でオスカー候補になったスコット・ヒックス。
因みに、「シャイン」は作品賞他7部門でノミネートされ、唯一最優秀主演男優賞をジェフリー・ラッシュが獲得しました。ラッシュといえば、今や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサ船長の方が有名ですがね。
トレーラーもYouTubeにありましたが、楽しい音楽が多かったので、その中からコチラ(↓)をおまけとしてアップしました。色んな人が唄っているスタンダード曲ですネ。
※ music-tube 1 ~ 「♪Mambo gelato / Ray Gelato」
※ music-tube 2 ~ 「♪The Lion Sleeps Tonight / The Tokens」
2001年のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッド製リメイク。
登場人物、ストーリーとも殆ど同じですが、アメリカ版にはヒロインの亡くなった姉妹の元彼(つまり姪っ子の実父)というのが出て来ないので、終盤の印象が少し違ってきています。巷ではドイツ版の方が好評ですが、私はドイツ版でのその実父のエピソードが作劇的に生かされてないと感じていましたので、ラブ・ロマンスと人情劇が上手くミックスされ、全体の構成としてソツがないハリウッド版の方に大いに癒されました。
ストーリーだけでなく、随所随所のカメラポジション、カット割りにもよく似たシーンがあり、特に序盤などはショット構成が殆ど同じで、デジャヴを体験しているようでした。但し、これは単に真似たというのではなく、オリジナルの優れた要素であり尚かつリメイクの方向性にも合致しているので踏襲したのだろうと考えました。何故ならそのテイストは展開が変わっていく終盤にも崩れることがなかったからです。
カメラは「ピアノ・レッスン (1993)」でオスカー候補になったスチュアート・ドライバーグ。21世紀になってからは、「ニューヨークの恋人 (2001)」、「ブリジット・ジョーンズの日記 (2001)」、「リクルート (2003)」、「イーオン・フラックス (2005)」などなど、都会的な画が多いようですな。
NHK-BSオンラインの解説は・・・
< マンハッタンの高級レストランで料理長として腕をふるう完璧主義者ケイト。そんな彼女の姉が事故死し、姉の忘れ形見であるめいのゾーイを引き取ることに。不慣れな二人暮らしに悩む彼女が店に戻ると、そこには副料理長として雇われたニックがいた。陽気な彼に自分の職場を取られる危機感を募らせるケイトだったが…。>
事故死したのは姉となっていますが、字幕では“妹”となっていました。オリジナルでも姉だし、各映画サイトの解説でも姉なので、おそらくは字幕担当者の誤認でしょう。
ケイトに扮するのがキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。撮影時37、8歳ですから、字幕担当者もついシスターを“妹”と訳したのでしょうかね。
9歳のゾーイに扮したのが、前年度の「リトル・ミス・サンシャイン」でオスカー(助演女優賞)候補になったアビゲイル・ブレスリンちゃん。「リトル・・・」では幼児体型に牛乳瓶の底のような眼鏡をかけたちょっと変わった女の子でしたけど、コチラでは表情も豊かになって可愛さも一段と増していました。
イタリア料理かぶれのニック役がアーロン・エッカート。結構な人気者らしいですが、この辺りの俳優さんには疎くて、名前と顔が今回やっと一致した次第です。フィルモグラフィーを見ると、「ベティ・サイズモア (2000)」や「エリン・ブロコビッチ (2000)」、「ブレッジ (2001)」にも出演しているとか。レニー・ゼルウィガー主演の「ベティ・サイズモア」では、冒頭で悲惨な殺され方をするレニーの旦那役で、なんか情けない役だったような・・・。
小難しいことは考えずとも、主役の三人の心情に寄り添って行けば自然に辿り着くハッピー・エンドです。料理だけが自分の人生だと思い込んでいたケイトと将来の展望を見ないようにしてきたニック、そして母の死を乗り越えられずにいるゾーイ。ラストのスパッとした切り上げ方が、思わずニコニコしてしまう爽やかさでした。
監督は95年の「シャイン」でオスカー候補になったスコット・ヒックス。
因みに、「シャイン」は作品賞他7部門でノミネートされ、唯一最優秀主演男優賞をジェフリー・ラッシュが獲得しました。ラッシュといえば、今や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサ船長の方が有名ですがね。
トレーラーもYouTubeにありましたが、楽しい音楽が多かったので、その中からコチラ(↓)をおまけとしてアップしました。色んな人が唄っているスタンダード曲ですネ。
※ music-tube 1 ~ 「♪Mambo gelato / Ray Gelato」
※ music-tube 2 ~ 「♪The Lion Sleeps Tonight / The Tokens」
・お薦め度【★★★=一見の価値あり、私は二度見ましたが】
不満があるとすればニックの髭がくすぐったそうな所か。^^
三者が互いに補う部分が上手く絡めてあって、こんな風に作ればよかったんだよ、と言いたかったのでは
少しぐらい違和感があるかと思ったんですが、きれいにまとまってましたよね。ラストも文句なしのハッピーエンドでよかったです。
不満があるとすれば、ニックがイケメンすぎなことくらいか(笑)
<丸ぼんずのキングスレー>というのはペネロペちゃんが共演の羨ましいおっさんの映画ですかな?ま、音楽っちゅうのは、使われ方次第で様々な色を纏うモノですから、それはソレで聴きたくもあり・・・ですね。
何かのインタビューで確かに、自分は料理はしないってなことを話していたような。
男ってのは馬鹿なもんで、テキパキした美人は料理も上手そうに見えるんですよねぇ。
>「ダークナイト」での彼を私は買っています。
評判のよいバットマンにも出てるんですか。それは観なくては。
オリジナルは終盤の記憶が結構飛んでいます。
前半のシーンは結構覚えてるんですがねぇ。
キングスレー怪演未公開映画のラストにも
このナンバーが使われていました~^^
本作、普段はお色気行け行けドンドンの
ジョーンズさんでいかがなもんでしょ、
と観始めましたがなかなかよかったですね。
おそらく鍋釜なんぞ持ったこともない彼女
でしょうがお料理する仕草と立ち振る舞いは
キリッと完全なりきりでちょっと驚き!
オリジナルの女優さんよりサマになって
いたような気もします。
さすが何でもこなす女優さん。(^ ^)
アゴが特徴的なエッカートは「サンキュー・
スモーキング」という快作があります。
H・レジャーに世間は騒がしかったけれど
「ダークナイト」での彼を私は買っています。
暑苦しかったオリジナルのイタリア男より
こちらのほうがさりげなくて良かったかも~