テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

☆ジョン・ヒューストン

2005-06-20 | ☆映画人
(生年月日:1906年8月5日/アメリカ:ミズーリ州ネヴァダ出身/1987年8月28日没/John Huston)  


 映画人の訃報等が入ると時々記事にしておりましたが、いっそのこと作品紹介とは別に、俳優や監督などについても書いてみようと思い立ちました。ま、故人が対象になるでしょうが、一発目は男性的作風で有名なジョン・ヒューストンでいきます。

 8月5日生まれだから獅子座ですな。
 お父さんのウォルター・ヒューストンは名優ということですが、私は観たことありません。ジョンがアカデミー監督賞と脚本賞を獲った「黄金(1948)」にも出演していて、この父親もこの作品でアカデミー助演男優賞を獲っている。しかし、残念な事にその2年後の1950年に66歳で亡くなっています。

 「黄金」はハンフリー・ボガード主演の、アメリカ西部の山で3人の男達が砂金を掘る話で、黄金が見つかってからの3人の男たちの葛藤が、スリルとサスペンスたっぷりに描き出されていて面白いらしい。レンタルでもありそうで・・・ないという映画ですな。名前だけは何十年も前から知っているんですが、TVでも何回かやっていたと記憶しているんですが、何故か観てない。

 ジョン・ヒューストン監督作品で観たのは「マルタの鷹(1941)」「アフリカの女王(1951)」「赤い風車(1952)」「白鯨(1956)」「許されざる者(1959)」「荒馬と女(1961)」「ロイビーン(1972)」くらいですかな。他にもあるかもしれないが、記憶にあるのはこの7本です。

 「アフリカの女王」は最近レンタル屋さんに行く度に、いつ借りようかいつ借りようかと思っている作品で、これもハンフリー・ボガードが主演で共演がキャサリン・ヘプバーン。第一次世界大戦下のアフリカで、女性宣教師ヘプバーンを乗せて河を渡る船の船長がボガード。戦争と冒険とカラッとした男と女の話、だったと思う。当然モノクロ作品ですが、子供の頃にTVで観て面白かったという記憶があるので、是非もう一回観たいのです。
 micchiiさんのブログ「愛すべき映画たち」で最近取り上げられた、クリント・イーストウッドの「ホワイトハンター ブラックハート」は、この「アフリカの女王」を撮影していた時のエピソードを映画にしたものらしいです。いやあ、ますます観たくなってきました。
 尚、ヒューストンはこの年のアカデミー監督賞にノミネートされました。

 順序が逆になりましたが、「マルタの鷹」はヒューストンの監督デビュー作で、これもボガードが主演。ダシール・ハメット原作の探偵物で、この作品から“ハードボイルド映画”という名称が生まれたらしいです。TV日曜洋画劇場で観た映画で、これも面白かったのでしょう、今でもタイトルは忘れていません。もう一度観る機会があったら、絶対録画するでしょうな。コチラは、脚色賞にノミネートです。

 「赤い風車」は珍しく伝記映画。主人公はフランスの画家、ロートレックです。1971年の「屋根の上のバイオリン弾き」でアカデミー撮影賞を獲ったオズワルド・モリスのカラー映像が美しい作品です。作品賞や監督賞にノミネート。

 「白鯨」はハーマン・メルヴィルの古典的名作の映画化。子供の頃にTVで観て、“モービー・ディック”が出てくるところは迫力満点で興奮しましたな。エイハブ船長をやったグレゴリー・ペックのファンでもあったので、これは好きな作品にずっと入っていました。脚本にSF作家レイ・ブラッドベリも参加していて、ヒューストンも相当力が入っていたようです。狂言回しのイシュメイル役に「」のリチャード・ベースハートが扮しています。

 バート・ランカスターオードリー・ヘプバーン共演の「許されざる者」はオードリーがインディアン娘に扮していたのが珍しかったが、内容は覚えていません。一応西部劇だったと思います。
 「荒馬と女」はクラーク・ゲーブルマリリン・モンローが共演して、二人の遺作となったことでも有名な作品ですな。しかもモンゴメリー・クリフト(事故の後)まで出てくる。ゲーブルはこの映画の撮影の疲労から亡くなった、というような話を聞いた覚えがあります。原作・脚本が当時のモンローの旦那アーサー・ミラーでした。

 「ロイビーン」は新作として劇場で観た映画です。ポール・ニューマン主演の西部劇。

 本当は観たかどうか怪しいのもあって、「キー・ラーゴ(1948)」「マッキントッシュの男(1972)」「女と男の名誉(1985)」等も観たかもしれんです。

 尚、ヒューストンは俳優としても時々出ていらっしゃって、覚えてるのはロマン・ポランスキーの「チャイナタウン(1974)」。嵐勘十郎かと見まごうような、長~いお顔のおじさんです。なんて・・・スイマセン、こんな大監督に。

 ダラダラとなったので、一応この辺で、一発目終了とします。
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6 コメント

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ヒュース豚 (十瑠)
2017-08-24 13:52:17
「天地創造」は66年。新聞の広告で観た気がするし、話題になったのも知ってるけど、当時は邦画しか観てなかったからなぁ。
「王になろうとした男」は75年。映画をあまり観てない時期だったのでこれも未見。
いずれにしても、豚 勝也さんも結構なベテランさんでらっしゃいますな。
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ノアのじいさん (豚 勝也)
2017-08-23 21:46:08
「天地創造」のノアのじいさん 名演技だったな
他の監督の映画にも、ケッコウでてまっせー
「王になろうとした男」この監督らしくて
オモシローイ!
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オーッ、MY ガーッ! (十瑠)
2005-06-21 22:50:47
思い込みというのは恐ろしいモノです。

そう言われると、「アフリカの女王」はカラーだったかも知れない。いや、観た方が言われるのだからカラーに間違いない。

ボガードもヘプバーンも白い服を着ていた様に記憶していて、それもあってモノクロと思いこんだんでしょうね。



今夜の記事にこれの続きのようなものを書きました・・・。
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TB&コメントありがとうございます (micchii)
2005-06-21 18:39:03
いえいえ、とんでもありません。記事リンクして頂いてありがとうございます!

『アフリカの女王』は少し前に観たんですが、『ホワイトハンター ブラックハート』を観て、もう一度観たくなりました。

ちなみに『アフリカの女王』はカラーでしたよ(笑)

ジョン・ヒューストン、他はほとんど観ていないんですが、『マルタの鷹』はDVDも持っていて大好きです。

『黄金』は自分が行くレンタル屋さんにはあるんですが、いまだに観ていません・・・。

近々観たいと思っています。
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そうです (十瑠)
2005-06-21 09:00:13
アンジェリカ・ヒューストンは娘ですね。J・ニコルソンと長く付き合っていたと映画サイトに紹介されていましたが、そう言えばそんな噂もあったなあと思い出しました。



ロートレックはホセ・ファーラーですね。「アラビアのロレンス」でホモっ気のある軍人を演じていたと思いますが、それよりも「シラノ・ド・ベルジュラック」でオスカーを獲ったことの方が映画史的には有名でしょうね。

下半身写ってましたっけ?ほとんど上半身だけの演技だったような記憶があるんですが・・・。

今月の記事「トラフィック」に出ているミゲルは彼の息子らしいです。それと、ジョージ・クルーニーは元奥さん(ローズマリー・クルーニー)系列の甥っ子ですね。
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Unknown (anupam)
2005-06-21 00:17:15
ジョン・ヒューストンってアンジェリカのパパですか?

「赤い風車」ってロートレックの自伝の映画だけど、ロートレックって膝から下が極端に短い身体的な特徴(時に障害といわれるもの)があったようで、映画で見たとき、びっくり!どうやって撮ったんでしょ。

俳優さんは誰でしたっけ?

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