「子供たちはダスティン・ホフマンとサイモン&ガーファンクルのために並び、大人は子供たちが何故並ぶのかを知るために並んでいる」
初公開時、アンドリュー・サリスというアメリカの映画評論家が「卒業」について語った言葉です。この映画の大ヒットの要因を言い得ていると言うことでしょうか。
再見記事、最終回はサイモン&ガーファンクルが提供した楽曲について書いてみます。
今回再見して思ったのが、「卒業」での彼らの楽曲の使い方が単なるBGMではなく、時に映像がミュージック・ビデオのように見えるほど存在感を示していたこと。当時はそれが新しかったのでしょうが、改めて観ると少しばかり違和感がありました。
ミュージカル以外で歌詞入りの楽曲が映画の一シーンに使われるというのはこの映画が最初ではないでしょうか。ニューシネマでは「真夜中のカーボーイ」の「♪うわさの男」も全米ナンバーワンになるヒット曲でしたが、あれはオープニングロールで流れただけで、「卒業」のように途中で使われることはありませんでした。
「明日に向って撃て!」の「♪雨に濡れても」も「卒業」的な使われ方で、人気に相乗効果を与えた作品でしょう。その他思い起こすと、「小さな恋のメロディ」、「イージー・ライダー」、「いちご白書」、「華麗なる賭け」、「ロミオとジュリエット」etc・・・。全て60年代後半から70年代の作品ばかりです。その後、「卒業」のような使われ方は少なくなっていったように思います。完全にBGMの一つとして旧いヒット曲が使われることは、ままあるようですがね。
さて、サイモン&ガーファンクルの歌はこの映画で5曲使われています。
サイモン&ガーファンクルの人気に火を付けた「♪サウンド・オブ・サイレンス(The Sound Of Silence)」。
64年にリリースしたアルバム『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning, 3 A.M)』のA面最後に入っていた曲で、アルバムではアコースティック・ギターのみのシンプルなものでしたが、その後プロデューサーが勝手にパーカッションやエレキ・ベース等を付けてシングルレコードとして発売し、ヒットしたものとのことです。
「卒業」ではオープニングのタイトルバックでヒット曲バージョンが、ラストシーンではアコースティックバージョンが流れました。ベンジャミンとミセス・ロビンソンとの密会が始まって、その数週間をイメージビデオ風に編集したシーンでも流れ、その時は冒頭のものと同じバージョンだったように思います。
ベンジャミンとミセス・ロビンソンとの密会のイメージビデオ風シーンでは、「♪四月になれば彼女は(April Com She Will)」も使われました。
ベンジャミンが親の目を避けながら過ごしていった夏の日々の様子を、物理的な空間を無視して象徴的に描いたシーンでした。
エレーンにミセス・ロビンソンとの関係がばれた後、ベンジャミンがエレーンの様子を遠くから眺める時に流れたのが「♪スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」です。これは、音楽シーンでも大ヒットしたと記憶しています
ベンジャミンのエレーンへの一途な想いをあらわす歌で、インスツルメンタル・バージョンもシンプルなギターのメロディーのみのものや、管楽器をつかったバージョンも作られていました。サンフランシスコやバークレーでの大学構内などのシーンで流れてきました。
この映画の為にポール・サイモンが作った曲で、大ヒットした「♪ミセス・ロビンソン(Mrs.Robinson)」。
1981年9月、ニューヨーク、セントラルパークに53万人を集めた再結成コンサートで最初に歌われた曲で、なんでも彼らのコンサートでは常に最初に歌われるのだそうです。
ロビンソン夫人を皮肉った歌詞なんですが、どこかユーモアがあり、明るいメロディなので受けたのでしょう。映画ではベンジャミンが、結婚のために大学を辞めてしまったエレーンを探してロサンゼルス、サンフランシスコ、サンタバーバラを車で走り回るシーンで流れました。終盤ではアコースティック・ギターの伴奏が段々間延びしていって、アルファ・ロメオのエンストを表現してましたっけ。
「卒業」のサウンドトラックCDには、もう一つ「♪プレジャー・マシーン(The Big Bright Green Pleasure Machine)」という曲も納められていますが、この曲がどのシーンで流れていたのか思い出せません。
ご存じの方、コメントプリーズです。
初公開時、アンドリュー・サリスというアメリカの映画評論家が「卒業」について語った言葉です。この映画の大ヒットの要因を言い得ていると言うことでしょうか。
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再見記事、最終回はサイモン&ガーファンクルが提供した楽曲について書いてみます。
今回再見して思ったのが、「卒業」での彼らの楽曲の使い方が単なるBGMではなく、時に映像がミュージック・ビデオのように見えるほど存在感を示していたこと。当時はそれが新しかったのでしょうが、改めて観ると少しばかり違和感がありました。
ミュージカル以外で歌詞入りの楽曲が映画の一シーンに使われるというのはこの映画が最初ではないでしょうか。ニューシネマでは「真夜中のカーボーイ」の「♪うわさの男」も全米ナンバーワンになるヒット曲でしたが、あれはオープニングロールで流れただけで、「卒業」のように途中で使われることはありませんでした。
「明日に向って撃て!」の「♪雨に濡れても」も「卒業」的な使われ方で、人気に相乗効果を与えた作品でしょう。その他思い起こすと、「小さな恋のメロディ」、「イージー・ライダー」、「いちご白書」、「華麗なる賭け」、「ロミオとジュリエット」etc・・・。全て60年代後半から70年代の作品ばかりです。その後、「卒業」のような使われ方は少なくなっていったように思います。完全にBGMの一つとして旧いヒット曲が使われることは、ままあるようですがね。
さて、サイモン&ガーファンクルの歌はこの映画で5曲使われています。
サイモン&ガーファンクルの人気に火を付けた「♪サウンド・オブ・サイレンス(The Sound Of Silence)」。
64年にリリースしたアルバム『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning, 3 A.M)』のA面最後に入っていた曲で、アルバムではアコースティック・ギターのみのシンプルなものでしたが、その後プロデューサーが勝手にパーカッションやエレキ・ベース等を付けてシングルレコードとして発売し、ヒットしたものとのことです。
「卒業」ではオープニングのタイトルバックでヒット曲バージョンが、ラストシーンではアコースティックバージョンが流れました。ベンジャミンとミセス・ロビンソンとの密会が始まって、その数週間をイメージビデオ風に編集したシーンでも流れ、その時は冒頭のものと同じバージョンだったように思います。
ベンジャミンとミセス・ロビンソンとの密会のイメージビデオ風シーンでは、「♪四月になれば彼女は(April Com She Will)」も使われました。
ベンジャミンが親の目を避けながら過ごしていった夏の日々の様子を、物理的な空間を無視して象徴的に描いたシーンでした。
エレーンにミセス・ロビンソンとの関係がばれた後、ベンジャミンがエレーンの様子を遠くから眺める時に流れたのが「♪スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」です。これは、音楽シーンでも大ヒットしたと記憶しています
ベンジャミンのエレーンへの一途な想いをあらわす歌で、インスツルメンタル・バージョンもシンプルなギターのメロディーのみのものや、管楽器をつかったバージョンも作られていました。サンフランシスコやバークレーでの大学構内などのシーンで流れてきました。
この映画の為にポール・サイモンが作った曲で、大ヒットした「♪ミセス・ロビンソン(Mrs.Robinson)」。
1981年9月、ニューヨーク、セントラルパークに53万人を集めた再結成コンサートで最初に歌われた曲で、なんでも彼らのコンサートでは常に最初に歌われるのだそうです。
ロビンソン夫人を皮肉った歌詞なんですが、どこかユーモアがあり、明るいメロディなので受けたのでしょう。映画ではベンジャミンが、結婚のために大学を辞めてしまったエレーンを探してロサンゼルス、サンフランシスコ、サンタバーバラを車で走り回るシーンで流れました。終盤ではアコースティック・ギターの伴奏が段々間延びしていって、アルファ・ロメオのエンストを表現してましたっけ。
「卒業」のサウンドトラックCDには、もう一つ「♪プレジャー・マシーン(The Big Bright Green Pleasure Machine)」という曲も納められていますが、この曲がどのシーンで流れていたのか思い出せません。
ご存じの方、コメントプリーズです。
少し前に、映画とは関係なく「サイモン&ガーファンクル」の曲についての記事を書いたもので、ついついコメントとTBしてしまいました。
「卒業」は、もう20年以上前ですね、最後に鑑賞したのは。5曲、つかわれてましたっけか。それすらも。ですから当然「プレジャー・マシーン」なる曲もでこでかは全く・・・。
また、鑑賞したくなりましたね。「卒業」。
S&Gは好きなアーティストなので、TB記事 お邪魔してみます。