これを書いて、なんにも知らない第三者に読んで貰って、自分もときどき読み返して、前に進む事ができました。かなり恥ずかしいけど、載せてみます。
たぶん、再び出会ってしまったときからこうなることは予感してた。
見たことのないスーツ姿で、ネクタイをしめて、仕事の話に目を輝かせる彼に、理性がとんでしまうことなんて。
金曜の夜、街の灯りが雨ににじんで横浜の街に溶け込んでいた、そんな日に再会した。
駅前の大通りから一本入ったところにある、地元ではおいしいと評判のでもあまり知られていないごはん屋さん。
久しぶりに会うんだからと、彼の会社の近くで、知人のツテを頼り紹介してもらったそのお店で、あたしたちは3ヶ月ぶりの再会をした。
久しぶりに見た彼は、記憶していたよりも少しふっくらとしていた。見慣れないスーツ姿で、おくれてごめんと笑ったその顔に、付き合っていたころの大好きだった笑顔を思い出し、’ヒサシブリ’と笑うことが出来なかった。
学生時代の3年間、ずっと2人で過ごしてきた。
ケンカをすることだってあった。暴力をふるわれることだってあった。それでも大好きだった。そんな彼との時間を思い出し、社会人になってから張り付いてしまった作り笑顔さえとっさには出てこなかった。
乾杯をし、お互いの近況報告をしあい、何気ない会話を続けるだけで時間は過ぎていった。本当に話したいことなんて一言も口に出来ず・・・それでも、新しい環境に目を輝かせている彼を見るのは楽しかった。
閉店時間。最後の客になったあたしたちは店主に見送られて店を出た。雨はいつのまにか止んでいた。傘が邪魔だと話す彼は、会社に置いていくと行って歩き始めた。
彼のオフィス、23時、人の気配のしないビルの5階。舞台はそろいすぎて怖いくらいだった。
電気をつけて傘を置く彼。
そしてエレベーターに乗り込み駅への道を歩こうとした時、彼が忘れ物をしたと言い、再び会社にもどった。
なぜか今回は電気をつけず、部屋に立つ彼。心臓なんて破裂してしまいそうだった。理性なんてなくなればいいと思った。彼の手を取った瞬間には抱きあっていた。そのままお互いに唇を求め合い、手は別の生き物のように奔放だった。彼はあたしに好きだと、忘れられなかったと言わせるように仕向け、ことごとくそれに成功した
忘れられないのはあたしだけなのに、そう頭ではわかっていても止めることは出来ずにいた
沈黙と、さきほどまでとは違う空気。あっさりと外に出ようという彼に予感は感じていた。駅までの数分、一瞥もくれようとはしない彼にドラマのようだと感じている自分がいた。改札の前で立ち去ることが出来ず、立ち止まる彼が一言だけつぶやいた安っぽいドラマの台詞。『忘れて欲しい。別れよう』
予感はしていた。今日の再会がどう始まってどう終わるのかも。
もう彼を想うことなんてない。そう言い聞かせても、どんなに卑怯なことをされてもやはり心は彼を想ってしまう。そんな自分に辟易しながら今日も一日が過ぎていく。
変わらないのはあたしだけ。雨が降り続けていたら、こんなことにはならなかったのにと、今日も降り続ける雨をうらめしく思っていた・・・
たぶん、再び出会ってしまったときからこうなることは予感してた。
見たことのないスーツ姿で、ネクタイをしめて、仕事の話に目を輝かせる彼に、理性がとんでしまうことなんて。
金曜の夜、街の灯りが雨ににじんで横浜の街に溶け込んでいた、そんな日に再会した。
駅前の大通りから一本入ったところにある、地元ではおいしいと評判のでもあまり知られていないごはん屋さん。
久しぶりに会うんだからと、彼の会社の近くで、知人のツテを頼り紹介してもらったそのお店で、あたしたちは3ヶ月ぶりの再会をした。
久しぶりに見た彼は、記憶していたよりも少しふっくらとしていた。見慣れないスーツ姿で、おくれてごめんと笑ったその顔に、付き合っていたころの大好きだった笑顔を思い出し、’ヒサシブリ’と笑うことが出来なかった。
学生時代の3年間、ずっと2人で過ごしてきた。
ケンカをすることだってあった。暴力をふるわれることだってあった。それでも大好きだった。そんな彼との時間を思い出し、社会人になってから張り付いてしまった作り笑顔さえとっさには出てこなかった。
乾杯をし、お互いの近況報告をしあい、何気ない会話を続けるだけで時間は過ぎていった。本当に話したいことなんて一言も口に出来ず・・・それでも、新しい環境に目を輝かせている彼を見るのは楽しかった。
閉店時間。最後の客になったあたしたちは店主に見送られて店を出た。雨はいつのまにか止んでいた。傘が邪魔だと話す彼は、会社に置いていくと行って歩き始めた。
彼のオフィス、23時、人の気配のしないビルの5階。舞台はそろいすぎて怖いくらいだった。
電気をつけて傘を置く彼。
そしてエレベーターに乗り込み駅への道を歩こうとした時、彼が忘れ物をしたと言い、再び会社にもどった。
なぜか今回は電気をつけず、部屋に立つ彼。心臓なんて破裂してしまいそうだった。理性なんてなくなればいいと思った。彼の手を取った瞬間には抱きあっていた。そのままお互いに唇を求め合い、手は別の生き物のように奔放だった。彼はあたしに好きだと、忘れられなかったと言わせるように仕向け、ことごとくそれに成功した
忘れられないのはあたしだけなのに、そう頭ではわかっていても止めることは出来ずにいた
沈黙と、さきほどまでとは違う空気。あっさりと外に出ようという彼に予感は感じていた。駅までの数分、一瞥もくれようとはしない彼にドラマのようだと感じている自分がいた。改札の前で立ち去ることが出来ず、立ち止まる彼が一言だけつぶやいた安っぽいドラマの台詞。『忘れて欲しい。別れよう』
予感はしていた。今日の再会がどう始まってどう終わるのかも。
もう彼を想うことなんてない。そう言い聞かせても、どんなに卑怯なことをされてもやはり心は彼を想ってしまう。そんな自分に辟易しながら今日も一日が過ぎていく。
変わらないのはあたしだけ。雨が降り続けていたら、こんなことにはならなかったのにと、今日も降り続ける雨をうらめしく思っていた・・・