渡辺貞夫さんも御齢９０歳。普通の９０歳であれば、ただ元気であればそれだけで素晴らしい。でも世の中には、それだけでは飽き足らない「普通ではない９０歳」も存在する。現在、渡辺貞夫カルテットの東北ツアーが開催されている。秋田市でも４月９日にコンサートが開催された。そのコンサートに行ってきた。実は渡辺貞夫さんのコンサートは２０１８年にも行っている。その時点で既に８５歳。流石に次のツアーはないと思っていた。大変失礼した。貞夫さんは２０１８年の時よりも元気になって帰ってきた。ホレス・シルバーの「Peace」で始まったコンサートは、チャーリー・マリアーノのオリジナル曲（貞夫さんは本当にマリアーノが好きなようで）、ジャズスタンダード、ボサノバやブリジリアンソング、そしてビートルズナンバーまで多彩な選曲を演奏していく。最近の貞夫さんらしく、あくまでジャズ正統派の演奏だが、時に打楽器を手にリズムを刻みながらダンスをして、時にボーカル（コーラス）まで披露する超人ぶりだった。超人のようなことを、あの飄々とした姿で平然とこなす。そして渡辺貞夫さんの代名詞はアルトサックスの音色の美しさである。これがとても９０歳とは思えない。いや年齢のことなんて最早関係のない、どこまで美しい音色を堪能した。もうこの人、人間じゃないと思う。僕は「I'm a fool to want you」の冒頭フレーズを聴いたとき背中に電気が走り、感動のあまり涙が出た。
ここ一年以上、僕は怪我や病気による体調不良に苦しんだ。どこか積極的な気持ちが失せてしまっていた。でも渡辺貞夫さん９０歳は現役バリバリ、それどころか進化している。写真分野でも森山大道さんは８４歳にして、いまだ新宿の路地裏をほっつき歩く。僕なんて彼らからすれば「ハナタレ小僧」以下。哺乳瓶を咥えた新生児のようなものだ。まだまだ老け込む齢じゃないと心新たにした。会場でCDアルバム（２枚）も買ってきたので、家にあるレコードと合わせて聴こうと思う。ありがとう渡辺貞夫さん。
＜Sadao Watanabe Quartet 2023>
渡辺貞夫 (as) / 小野塚晃 (p) / 須川崇志 (b) / 竹村一哲(ds)
２０２３年４月９日（日）
秋田市にぎわい交流館AU 多目的ホール
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素敵な経験をなさったのですね。
節分あたりからこっち、
もしかしてシン・ロクさんの春が来てますか😆
カッコいい90歳を目指してくださいね🌸lily
渡辺貞夫さん ９０歳で年齢を感じさせない迫力 超絶技巧 やはり人間の限界を超えています
ただ生きているだけで ８０歳の５年と ９０歳の５年は 大きな違いがあります
１００歳の５年 これは神のなせるもの位
価値観がありますね
６さんの歩まれる道 高度馴れペレの継続 更に探究 まさに指標となるでしょう
渡辺貞夫さんはすごいの一言ですね。東北ツァーに出かけるだけでも気力が十二分だと思いますが、音楽も良かったようで、スーパーマンですね。見習わなければと、記事を拝見して思いました。
クラシックだと、指揮者やピアノ奏者で90歳を超えても活躍している方はいますが、ジャズでは世界的にも珍しいのではないでしょうか。昔、渡辺貞夫さんのライブは聴いたことがありますが、甲信あたりで、ライブがあれば、現在のサウンドを聴きに行きたいと思いました。
僕が９０歳になった時のことですが、もう遥か未来で想像もできません。その頃には、きっと空に張り巡らされたチューブの中を自動運転の未来カーが走り、AI(人工知能）の音楽家だらけで、コオロギを食べる世の中かもしれません。
そんな中でも豆を挽いて珈琲を飲みながら、レコードを聴きながら紙の本を読む爺さんになりたいです。
美しい音色、ロングトーン、タンギング。どんな肺活量だと思いました。
僕は正直、ある程度の歳になったら動かない年寄りになりそうです（笑）が、爪の垢を煎じて飲みたいと思います。
それはナベサダさんだけでなく、のびたさんも同様です。頭が下がります。
ジョンレノンの「imagine」から「give peace a chance」のメドレーでは歌うんですよ。こういうケースは他にないと思います。対抗できるとしたら、ソニーロリンズしかいないと思いますが、ロリンズさんは演奏は引退していますし・・・、
もし機会があれば間違いないと思います。
追伸：今回はCパーカーの曲がなかったことだけが残念です。
やはり一芸に秀でる方は、気持ちも体も若く、頭も柔軟
これからでも遅くない、見習って少しでも遠くまで楽しく生きる努力をします。
宇都宮がジャズの街となったのは、この伝説の人のおかげ。
生で演奏が聴け、トークもあったかも。
これは、すごい、貴重な体験ですね。羨ましい。～
見た目は一般の方と変わりませんが（年齢と見た目は一致しないことを除けば）、スーパーマンですね。
何かを追求する方は違います。僕も同様に見習っていきます。
ジャズが身近に感じられる街は素晴らしいですね。
今回のコンサートでは結構、トークもありました。６０過ぎてからそれまで興味のなかったビリーホリディーを聴くようになったこと、バークレーを出てからのブラジル人ギタリストとの交流、海外のライブハウスでの仕事、すべてが貴重な話でした。