2000年から2001年までの僅か1年のみ販売された初代プラウディア。総生産台数は1228台なので馴染みのない方も多いと思うが、姉妹車のストレッチリムジン仕様のディグニティが秋篠宮家の公用車として使われていた。さらにプラウディアの先輩に当たる2代目デボネア・3代目デボネアと同様に韓国の現代自動車と共同で開発が行われた。韓国の現代自動車ではエクウスとして販売されマイナーチェンジを経ながら2009年まで販売された。先輩のデボネア同様に日本よりも韓国でヒットした高級車であるがデボネア以上に現代自動車の影響が強いのではないだろうか。自分も韓国へ何回か行ったが、エクウスは韓国の街中でも結構見掛けた記憶があり、日本で言えばトヨタ クラウンのようなポジションだと思う。エクウスはサウジアラビアなどでも別の名称で販売されたそうである。
この自動車が登場した頃、三菱自動車は厳しい状況下にあったが、それでも現代自動車と手を組んでプラウディアを開発したのには何か訳があったのだろう。個人的な憶測になるが、現代が「三菱さん、何とか協力してくださいよ」と言われて三菱自工もお情けで協力したような感じがする。現代自動車が主体となって三菱自工は向こうから言われたことをやった的な雰囲気のように感じるのは自分だけだろうか。デザインもどちらかと言えば韓国の高級車の雰囲気が漂うし。あまり自分の憶測とか書くのも良いことではないが、この自動車に関してはこのようなことを書きたくなってしまう。
タイヤのホイールカバーに三菱のマークがあるが、少しでも三菱自動車の誇りを見せたかったのかな。プラウディアの由来は誇りと三菱の菱を意味するDIAを合わせたものらしいし。(ディアマンテやコルディアなども三菱の菱が由来)この初代プラウディアを持って三菱製高級車は最後となり2代目プラウディア(2012年~2016年)は日産からのOEM供給となる。またこのプラウディアを持って三菱自動車と現代自動車との関係は区切りをつけることになった。三菱自動車が生き残る為には当然の話で、現代自動車も自分達で何とか出来るようになったのだから、むしろよくここまで関係を持ってたなという印象しかない。
この個体は2019年辺りまで稼働していたそうで、役目を終えてこの場所に置かれているのだろう。
現代との関係やネガティブなことを書いてしまったが、安全対策として一定以上の衝突があった時に自動的にドアロックが解除する機能を付けたり、エンジンもGDI(直噴エンジン)搭載のV8DOHC4500ccエンジンとV6DOHC3500ccエンジンを横置き搭載したFF車があり、環境面でも一層厳しい基準をクリアしたり、けして技術面でも手を抜いた自動車ではなかったのである。他の自動車会社に負けない技術を持つ、三菱自動車なのにネガティブな面ばかり目立ってしまって残念で勿体ないとしか言い様がない。現代自動車との関係も程々にすれば多少違ったのではと個人的に思うが、その辺はオタクの想像ということで……
散々なことばかり書いてしまったが、三菱自動車と現代自動車との関係を全否定するつもりは自分は全く無いし、良いか悪いかは別にして三菱と現代が関係があったことは消せない事実なのだから、その事実の証人の一つとして少しでも長く残って欲しい所。三菱=現代と関係のある自動車の廃車体も日本国内では中々見ないし、生産台数が少ないこともあってレア度も高いので廃車体でも残ってほしいものだ。