終わることはない。
なぜか、そう思い込んでいました。
11年前、初めて青山円形劇場に足を踏み入れた時から
私はこのレストランの常連客になりました。
青山の裏通りにある、小さなレストラン。
料理やワインの知識と一緒に
ちょっと余計なことを言ってしまうギャルソン。
ひとりでやってくる女性客。
わけありの父親と娘のカップル。
人生の夕暮れの時間を迎えた老夫婦や
長い長い遠回りを経て、向かい合う恋人たち。
そしていまでも忘れられないのが
閉店準備をするギャルソンが
テーブルのキャンドルをひとつひとつ吹き消して
最後の一本で煙草に火をつけるシーン。
薄暗い舞台の中に、溶け込んでいく紫煙が
しずかな終わりを告げていました。
そしてショータイムでは
本当にいろんなひとが、いろんなことをやってくれて
びっくりしたり、感動したり、笑ったり。
毎年毎年、このレストランの客になることが
一年の締めくくり行事になっていました。
初めてのデートはこの舞台。
1年後、入籍した日にもこの舞台。
そして結婚10周年の今年。
青山円形劇場の閉館とともに
ア・ラ・カルトは最後の舞台となりました。
特にこの5年間は、山本光洋さんと
お近づきになれたこともあって、
さらにさらに楽しい時間をすごすことができました。
今回の舞台が終わった時には
思わず涙が出た。
ありがとう、ア・ラ・カルト。
また、どこかで会えたらいいね。
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