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感性学、分析美学関連文献

2016年06月03日 02時21分46秒 | 美術/絵画原論、絵画理論、絵画技法
2016年6月3日-1
感性学、分析美学関連文献

 欧米の哲学業界では、分析哲学が主流だと聞いたことがある。そのため、美学(または感性学)でも、分析哲学的手法で論じる人が多いとのことである。
 日本では、『分析美学入門』の訳書が出版され、『分析美学基本論文集』が編集され出版された。数名が会員となっている、

 分析美学オンライン勉強会
https://sites.google.com/site/musicmetaphysics/home

がある。

 分析美学の手法は言説分析なので、実際の芸術作品に即して論じているところはあまり無いようで、役に立たないという批判がある(要文献)。

 ロバート ステッカー『分析美学入門』は、2013年6月2日に読み始め、2013年8月18日に読了した。2016年6月2日の現在、この本がどんな議論をしていたのか記憶が無い。表表紙の次の見開き2頁に、当時の走り書きがあるが、読み取りにくい。


感性学〔美学〕 aethetics [BungeDic1?2?: **][試訳20150906a]
 a 哲学的 芸術の哲学。それは、芸術作品、表象的/抽象的、様式、そして美しい/醜い、という一般的概念を巡って旋回する。この分野の地位は、不確定である。なぜなら、客観的規範〔規準〕は知られておらず、よって芸術作品を評価するための個人を越えた、かつ文化横断的な客観的規範は無いからである。とりわけ、気まぐれに行なったコラージュ〔糊付け作品〕でも、一連の恣意的な雑音でも、うまいこと売り込まれれば、芸術作品として合格するだろうわれわれの時代においては、そのような規範は無いからである。その結果、感性学〔美学〕的な意見、定義、そして分類は数多くあるけれども、試験〔テスト〕可能な感性学的仮説は、ましてや仮説演繹的体系(理論)は無いようである。もっとも、感性学的諸概念の分析と相互関係づけは、正当な努力であり、それは「分析美学〔分析的感性学〕」と呼ばれてもよい。
 b 科学的 D. Berlyneによって創始された、芸術鑑賞の実験的心理学。

美 beauty [BungeDic2: 30][試訳20160602]
 あらゆる人が求め楽しむが、だれも知らないらしいもの。価値論的絶対主義者は、美を客観的で文化横断的だと見なす。ところが、主観主義者は、美は見る人の眼にある、よって主観と文化に相対的なのだと宣言する。どうやら、この問いは人類学と実験的↑【感性学〔美学〕 aesthetics】によってのみ解決されるようだ。


□ 分析美学関連文献 □

今道友信(編).1984/9/30.講座 美学 第3巻 美学の方法.x+336pp.東京大学出版会.[2800+税84=2,884円][B20130902、138+250=388円amz][4 分析美学(戸澤義夫)pp. 117-142.5 実験美学(川野洋)pp.143-175.]

金悠美.2003/12/31.バーネット・ニューマンの美学批判とその帰結.美學 54(3): 1-14.[受信:2015年5月21日。]["Aesthetics is to artists as ornithology is to the birds" is known as Barnett Newman's quip. For a generation of painters, it represented the inadequacy of aesthetics for them. In turn, some aesthetic ]

金悠美.2004/2/25.美学と現代美術の距離:アメリカにおけるその乖離と接近をめぐって.xi+212pp.東信堂.[3,800円+税][B20100322]〔きむ ゆうみ〕〔分析美学,グリーンバーグ,Danto〕

西條玲奈.2014/12/25[ウェブ公開日].反復可能な芸術作品の存在論とまばらなメレオロジー唯名論.116pp.[北海道大学博士論文]http://hdl.handle.net/2115/57745[受信:2015年9月12日。]

ステッカー,ロバート[Robert Stecker].2010(森功次 訳 2013/5/15).分析美学入門.500頁.勁草書房.[5,985円][B20130602][Rh20130818、Rb20130602]

利光功.1994/12/31.美学はわびしいか――分析美学の射程と限界――.美學 45(3): 1-11.
http://ci.nii.ac.jp/els/110003714096.pdf?id=ART0004845198&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1465138181&cp=[受信:2015年?月?日、2016年6月5日。]
[「竹内敏雄編『美学事典』の増補版にも531ページ以降にすこし分析美学の紹介(執筆者は利光功)があるけど、『美学新思潮』での川野洋の紹介と内容はほぼ同じ」[http://d.hatena.ne.jp/conchucame/20130617]]

戸澤義夫.1984/9/30.分析美学.今道友信(編)『講座 美学 第3巻 美学の方法』: 117-142.東京大学出版会

西村清和.1995/10/.現代アートの哲学[哲学教科書シリーズ].8+266pp.産業図書.[2,800円+税][B20121110、1,400+250=1,635円][Rh20131208]

西村清和.2011/12/20.プラスチックの木でなにが悪いのか:環境美学入門.xi+416pp.勁草書房.[3,900円+税][B20121108]

西村清和(編・監訳).2015/8/30.分析美学基本論文集.433+xii pp.勁草書房.[本体4,800+税][B20151105、5,184円]

第1章 「芸術」の定義
 1 アートワールド アーサー・ダントー(西村清和 訳)
 2 芸術とはなにか――制度的分析―― ジョージ・ディッキー(今井 晋 訳)

第2章 美的価値
 3 芸術批評における理由 ポール・ジフ(櫻井一成 訳)
 4 美的概念 フランク・シブリー(吉成 優 訳)
 5 芸術作品の評価と鑑賞 ジョセフ・マゴーリス(橋爪恵子 訳)

第3章 作品の意味と解釈
 6 視覚芸術における再現 モンロー・ビアズリー(相澤照明 訳)
 7 文学における意図と解釈 ジェロルド・レヴィンソン(河合大介 訳)

第4章 フィクションの経験
 8 フィクションを怖がる ケンダル・ウォルトン(森 功次 訳)
 9 不道徳な芸術礼賛 ダニエル・ジェイコブソン(村上 龍 訳)

解説 西村清和

アーサー・ダントー(西村清和 訳)「アートワールド」 9-
ジョージ・ディッキー(今井晋 訳)「芸術とはなにか――制度的分析」 36-
ポール・ジフ(櫻井一成 訳)「芸術批評における理由」 63-
フランク・シブリー(吉成 優 訳)「美的概念」 99-
ジョセフ・マゴーリス(橋爪恵子 訳)「芸術作品の評価と鑑賞」 138-
モンロー・ビアズリー(相澤照明 訳)「視覚芸術における再現」 173-
ジェロルド・レヴィンソン(河合大介 訳)「文学における意図と解釈」 244-
ケンダル・ウォルトン(森功次 訳)「フィクションを怖がる」 301-
ダニエル・ジェイコブソン(村上龍 訳)「不道徳な芸術礼賛」 335-
西村清和 解説 411-]


morinorihide〔森功次〕.2015/06/08 09:54.K. Walton「芸術のカテゴリー」.https://note.mu/morinorihide/n/ned715fd23434[受信:2016年6月3日。][Kendall L. Walton. 1970/7. Categories of art. The Philosophical Review 79(3): 334-367. の全訳を販売している。]

森功次.2016/2/12.分析美学ってどういう学問なんですか――日本の若手美学者からの現状報告.http://synodos.jp/culture/16122.
[受信:2016年6月3日。]

at_akada〔高田敦史〕.2015-08-29.うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ.『分析美学基本論文集』の論文セレクトについて.http://at-akada.hatenablog.com/entry/20150829/1440811637.[受信:2016年6月3日。]