2010年5月19日-1
ニッチ概念の検討1/空きニッチの定義
以下では、『種』をタクソンとして考えている。したがって、或る種とは、その種(つまり或る特定の分類カテゴリー。測定尺度は、名義またはカテゴリー尺度である)に属する生物体(の一部)のことである。ただし、以下での定義の著者たちは、そのように(深く)考えていないかもしれない。
Elton流の、或る種の共同体のなかでの(たとえば食物連鎖における)位置という定義は、種または生物体にもとづく定義である。ただし共同体どうしを比較した場合は、つまり種を抽象的な空間配置において、欠落していると捉えることができる。この場合は、進化的時間スケールにまで、(あればの話だが)理論の射程は及ぶ。
空きニッチという言い方は、もちろん生物体にもとづいた定義ではない。ニッチを環境の性質と考える場合に、空きニッチは可能になる。すなわち、資源が利用しつくされていないときである(これは、ニッチを資源利用と同一視しているか、資源利用をニッチの指標と考えていることになる。→もう少し議論を詰めるべし)。
このように捉えた場合にも、幾多の問題があるが、先に進むために、棚上げする。まず、定義を調べてみよう。なお、これらの定義はさしあたり、Lekevicius (2009: 165)によっている。
Lawton (1984)による定義:
空きニッチ =def 或る領域にいるどの種も良く適応していない、進化的に新奇な環境条件の一揃い。
Rhode (2005)による定義:
空きニッチ =def 生態系または生息場所において、或る特定の時点で存在するよりも、より多くの種が存在できるであろう可能性。
(多くの可能性が、そこに存在する種によって使われていないから。)
Moodley (2006: 30)による定義:
空きニッチ =def 資源勾配の一定の領域に沿っての、種の不在。
(空きニッチは、共同体水準〔levelという語だが、創発性または制御階層でのレヴェルではないだろう。ゆえに、あいまいに水準と訳しておく〕において、或る種の形質を固定する潜在性を持ち、そして、周囲の生態とのより大きな統合を有利とする方向に、或る種の進化的軌跡に影響を与える。)〔進化的時間スケールになると、とたんに構築概念たちを錯綜させるんだねぇ。〕
Lawton 1984
Lekevicius 2009
Moodley 2006
Rhode 2005
ニッチ概念の検討1/空きニッチの定義
以下では、『種』をタクソンとして考えている。したがって、或る種とは、その種(つまり或る特定の分類カテゴリー。測定尺度は、名義またはカテゴリー尺度である)に属する生物体(の一部)のことである。ただし、以下での定義の著者たちは、そのように(深く)考えていないかもしれない。
Elton流の、或る種の共同体のなかでの(たとえば食物連鎖における)位置という定義は、種または生物体にもとづく定義である。ただし共同体どうしを比較した場合は、つまり種を抽象的な空間配置において、欠落していると捉えることができる。この場合は、進化的時間スケールにまで、(あればの話だが)理論の射程は及ぶ。
空きニッチという言い方は、もちろん生物体にもとづいた定義ではない。ニッチを環境の性質と考える場合に、空きニッチは可能になる。すなわち、資源が利用しつくされていないときである(これは、ニッチを資源利用と同一視しているか、資源利用をニッチの指標と考えていることになる。→もう少し議論を詰めるべし)。
このように捉えた場合にも、幾多の問題があるが、先に進むために、棚上げする。まず、定義を調べてみよう。なお、これらの定義はさしあたり、Lekevicius (2009: 165)によっている。
Lawton (1984)による定義:
空きニッチ =def 或る領域にいるどの種も良く適応していない、進化的に新奇な環境条件の一揃い。
Rhode (2005)による定義:
空きニッチ =def 生態系または生息場所において、或る特定の時点で存在するよりも、より多くの種が存在できるであろう可能性。
(多くの可能性が、そこに存在する種によって使われていないから。)
Moodley (2006: 30)による定義:
空きニッチ =def 資源勾配の一定の領域に沿っての、種の不在。
(空きニッチは、共同体水準〔levelという語だが、創発性または制御階層でのレヴェルではないだろう。ゆえに、あいまいに水準と訳しておく〕において、或る種の形質を固定する潜在性を持ち、そして、周囲の生態とのより大きな統合を有利とする方向に、或る種の進化的軌跡に影響を与える。)〔進化的時間スケールになると、とたんに構築概念たちを錯綜させるんだねぇ。〕
Lawton 1984
Lekevicius 2009
Moodley 2006
Rhode 2005