生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

『進化』的ニッチ概念

2010年02月11日 16時50分50秒 | 生命生物生活哲学
『進化』的ニッチ概念/ニッチ20100211

現生生物体の性質から可能的種ニッチの推定
 (註。『進化』としているのは、進化についておおかたの捉え方とは異なり、したがって意味するところが異なるからである。Mahner & Bunge 『生物哲学の基礎』を見よ。ついでに言えば、進化は事実ではありようがなく、『進化は事実』仮説、そして過去の状態はせいぜい化石からの推定なので(よっぽど手段の革新がない限りテスト不可能な主張である。Lo/vtrup の本 Darwinism: the refutation of a myth またはその本のもととなったRevista掲載の論文 Four theories of evolution... を見よ。小野山敬一「進化は事実?」参照。)


 生物体の『進化』的展開を予測するために、ニッチ概念を使うにはどうしたらよいか?
 すなわち、各生物種のニッチを同定/測定し、それらの結果から或る環境条件下での可能なニッチを推定するには、どのような仮定が必要か? 
 (註。これは、現存の種生物体について測定する(操作的なニッチ概念である)Hutchinsonの基礎的ニッチfundamental nicheとは異なる。ただし、Hutchinsonの Ecological Theater and Evolutionary Playにおける立論について検討の要あり。)
 この可能的ニッチ(さしあたって種レベルだけを考える)は、進化が成り行き的展開であったとすれば、たとえば生物体の活動結果が、次に生存する諸生物体になんらかの影響を与えて、生物体の諸性質に変化を引き起こした(諸法則性のもとに環境条件の変化が契機となって、とか、直接的に(諸システムの働きのもとに)DNA物体の生物体システムへの取り込みなどによって)とすれば、変化段階ごとに(望ましい精度で言えば一つの種が出現するごとに)関係する諸条件を生起順序にしたがって特定できるとよい。

 タクソン学的公準:あらゆる生物体は、なんらかの種に属する。
  雑種個体の存在は、むしろ種的離散性の根拠と見なし得る。

 システム成立の公準:システムの多くは観測すれば、離散的である。
  われわれの観測は離散値を基礎としている(同定・分類というわれわれの知的作用の性質からの措定。なお、物質的構成が分析できるということから、物質についての原子論も仮定することにする。(もっとも、これはsuper stringが連続的なものであってもかまわない))。連続性はその上に仮構するものである。