2016年5月10日-1
読書録20160510中込照明1998唯心論物理学の誕生
中込照明.1998/1/30.唯心論物理学の誕生.194pp.海鳴社.[1,800円+税][B20090302、700円][Rh20160509、後半はざっと読み。]
唯心論モデルやモナド構造とは何かが、わからなかった。機構図(さらには推定される設計図)が欲しい。
ウィルチェック(訳 2009)は、中込(1998)の10年後で最新の知見を踏まえているし、分かりやすい。
52-53頁。h/2πは、「ディラック定数、または換算プランク定数。単にプランク定数と呼ばれることもある。」(ウィキペディア)。
プランク方程式ではなく、ディラック方程式(ウィルチェック訳 2009)で考えるべき。
「人の体も結局は原子分子からできており、量子力学系とみなされるから、結局、観測は完了しないことになる。
しかし、現実には観測者は0か1かのどちらかの結果を見るのであり、重ね合わせのままの結果を見るのではない。この状況をどう解釈するか。これが観測問題の課題である。」
(中込照明 1998/1/30: 56-57頁)。
「量子力学的物質概念は実はよくわからないものなのである。だから、本当のところ量子力学が唯物物モデルの上に乗るかどうかもまだ分かっていないのである。〔略〕
さらに唯物論モデルで、意志、意識、「今」が説明できるか。精神作用の外面的効果、すなわち入力―出力関係あるいは刺激―反応関係で捕えられるものは確かにかなりの程度まで唯物論モデルで説明可能である。しかし、意志、意識、「今」に係わるわれわれの主観的経験が説明できない、というよりその存在が否定されてしまう。物質には内面も外面もないからである。もし物質が内面を持っているとするなら、それは初めから意識を持っていることと同じことになり、唯物論モデルではなくなる。」
(中込照明 1998: 97-98頁)。
「量子力学が記述するものは物質現象ではなく、心的現象であると考えてみよう。実際、未決定のものが観測によって決定されるという状態ベクトルの振る舞いはわれわれの心の動きに良く似ている。唯心論モデルで量子力学を解釈するという試みは筆者には非常に魅力的なものに見える。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。
「唯物論と唯心論の中間のものに物心二元論がある。哲学的な言葉によって論じているうちは物心二元論も可能性としてはありうるように見えるのであるが、これを世界モデルとして記号的に組織化しようとするとはなはだ複雑なものになってしまい、世界の基底構造としては採用しがたいものとなる。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。
→神智学の、世界についての階層モデル。
諸法則はどこに存在するのか? この現象世界にいわば内在するのか、あるいは世界をなんらかのエネルギーで維持していて、さらに法則性が与えられているのか、あるいは物質そのものの自発的振る舞いの性質なのか?。
諸法則は、心的構築体として存在するだけではなく、どこかに実在するものか?。→宇宙質料の振る舞いの設計。或る世界への実装は、いかにして?。実装方法。
文献
ウィルチェック,フランク.2008(吉田三知世 訳 2009/12/25).物資のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源.6+365pp.早川書房.[B20160108、904+0=904円amz][Rh20160508][Rb20160307]
読書録20160510中込照明1998唯心論物理学の誕生
中込照明.1998/1/30.唯心論物理学の誕生.194pp.海鳴社.[1,800円+税][B20090302、700円][Rh20160509、後半はざっと読み。]
唯心論モデルやモナド構造とは何かが、わからなかった。機構図(さらには推定される設計図)が欲しい。
ウィルチェック(訳 2009)は、中込(1998)の10年後で最新の知見を踏まえているし、分かりやすい。
52-53頁。h/2πは、「ディラック定数、または換算プランク定数。単にプランク定数と呼ばれることもある。」(ウィキペディア)。
プランク方程式ではなく、ディラック方程式(ウィルチェック訳 2009)で考えるべき。
「人の体も結局は原子分子からできており、量子力学系とみなされるから、結局、観測は完了しないことになる。
しかし、現実には観測者は0か1かのどちらかの結果を見るのであり、重ね合わせのままの結果を見るのではない。この状況をどう解釈するか。これが観測問題の課題である。」
(中込照明 1998/1/30: 56-57頁)。
「量子力学的物質概念は実はよくわからないものなのである。だから、本当のところ量子力学が唯物物モデルの上に乗るかどうかもまだ分かっていないのである。〔略〕
さらに唯物論モデルで、意志、意識、「今」が説明できるか。精神作用の外面的効果、すなわち入力―出力関係あるいは刺激―反応関係で捕えられるものは確かにかなりの程度まで唯物論モデルで説明可能である。しかし、意志、意識、「今」に係わるわれわれの主観的経験が説明できない、というよりその存在が否定されてしまう。物質には内面も外面もないからである。もし物質が内面を持っているとするなら、それは初めから意識を持っていることと同じことになり、唯物論モデルではなくなる。」
(中込照明 1998: 97-98頁)。
「量子力学が記述するものは物質現象ではなく、心的現象であると考えてみよう。実際、未決定のものが観測によって決定されるという状態ベクトルの振る舞いはわれわれの心の動きに良く似ている。唯心論モデルで量子力学を解釈するという試みは筆者には非常に魅力的なものに見える。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。
「唯物論と唯心論の中間のものに物心二元論がある。哲学的な言葉によって論じているうちは物心二元論も可能性としてはありうるように見えるのであるが、これを世界モデルとして記号的に組織化しようとするとはなはだ複雑なものになってしまい、世界の基底構造としては採用しがたいものとなる。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。
→神智学の、世界についての階層モデル。
諸法則はどこに存在するのか? この現象世界にいわば内在するのか、あるいは世界をなんらかのエネルギーで維持していて、さらに法則性が与えられているのか、あるいは物質そのものの自発的振る舞いの性質なのか?。
諸法則は、心的構築体として存在するだけではなく、どこかに実在するものか?。→宇宙質料の振る舞いの設計。或る世界への実装は、いかにして?。実装方法。
文献
ウィルチェック,フランク.2008(吉田三知世 訳 2009/12/25).物資のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源.6+365pp.早川書房.[B20160108、904+0=904円amz][Rh20160508][Rb20160307]