写真=渡辺美樹氏の参院選立候補に反対して自民党本部に要請する遺族ら(2013年6月28日)
ワタミ過労死、「自民党への要請」(2013年)を支援していただいた皆様へ
報告:国会予算委員会で安倍首相に質問
森 豪 森 祐 子
2013年6月28日、参議院選挙に向け渡邉美樹氏を自民党が公認したことについて、公認取り消しとブラック企業対策、過労死撲滅対策を要請する要請書を自民党本部に提出する際、ご支援をいただいた皆様に、報告申し上げます。
2016年1月8日、国会の衆議院予算委員会で、民主党山井和則議員より、参議院議員のワタミ元社長渡邉美樹氏に関して、2013年の要請書に基づいた質問を、安倍首相にしていただきました。私どもも東部労組の須田書記長、そして娘の遺影とともに傍聴しました。2013年に自民党本部に赴き、自民党本部の管理責任者(職員)に要請書を手渡した後、一切回答がなかったのですが、ここに安倍首相に直に質問するという形で当初の目的を達成することができました。皆様のご支援、ありがとうございました。
予算委員会での山井議員の質問は、NHKによって全国に生中継されました。その内容は、毎日新聞の「衆院予算委質疑 詳報」欄に以下のように掲載されています。
<労働法政>
山井氏 過労自殺の起きたワタミ元社長の渡辺美樹参院議員をなぜ自民党
は公認したのか。
首相 過労死はあってはならないが、個別のコメントは控える。
首相はこのような答弁を繰り返すばかりで、山井議員が2013年の自民党本部への要請書を読み上げ、私どもの過労死実態について新聞等の報道資料を用いて説明し、先月の和解で渡邉氏が法的責任を認め、謝罪したことをあげ、法律を犯した人間が国会議員で良いのか、なぜ自民党は公認したのか、回答を迫りましたが、安倍首相は、過労死防止対策について官僚が用意したメモを繰り返し読むばかりの冷淡な対応に終始しました。この件に関する間、首相の表情から、答弁の間によく見せるニヤニヤした表情は見られなかったので、聞こえていることは分かりましたが、非常に残念な対応でした。
安倍首相に真摯な対応は見られなかったのですが、政府閣僚、各党の国会議員らの揃う中、NHKによって全国生中継されて、私どもの過労死、ワタミの実態、当時のワタミを経営した社長の渡邉美樹氏の国会議員としての資格の問題、そして公認した自民党と総裁の安倍首相の責任問題などを伝えていただく機会をもてたことはとても有難く、山井議員には厚く御礼申し上げました。
山井議員は、過労死防止法案の成立に多大の貢献をされました。その貢献の出発点に、2013年の自民党本部への要請運動がありました。自民党本部へ要請書を提出する時に、民主党を含む野党にも要望書を提出しましたが、その縁により、参議院選挙後の9月に、山井議員から声をかけていただき、ワタミの過労死について説明しました。その時、「民主党は党をあげて過労死問題に取り組む」との決意表明をしていただきました。山井議員はそれが最初のきっかけになったとおっしゃっていました。過労死防止法案の成立を目指して過労死家族の会は運動していましたが、政権交代後の国会では停滞していました。それが、10月になって、法案成立に向けて急展開が生じました。その裏に、山井議員の法案成立のための全党合意形成に向けた奮闘がありました。山井議員は、土下座も辞さぬ、なりふり構わぬ運動をしたと笑っておっしゃっていました。年が明けて、全党一致で過労死防止対策推進法が成立しました。その原動力の一つに、皆様の2013年6月のご支援があったことをお伝えするとともに、重ねて厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。