東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

9/22 ワタミ過労死裁判第5回口頭弁論報告

2014年09月26日 13時37分24秒 | ワタミ

写真=ワタミ過労死裁判第5回口頭弁論後の報告集会

ワタミが全国の労働基準監督署から受けた是正勧告・指導票がついに明らかに!
ワタミと渡辺美樹ら経営者は過労死の責任を認めよ!
~9/22 ワタミ過労死裁判第5回口頭弁論報告~

大手居酒屋チェーン「和民」で正社員だった森美菜さん(当時26歳)が入社2カ月後に過労死した問題で、私たち全国一般東京東部労組の組合員である遺族がワタミと当時社長だった渡辺美樹・自民党参院議員らを相手取り損害賠償を請求した裁判の第5回口頭弁論が9月22日、東京地裁であり、ワタミ側がついに全国の労働基準監督署から受けてきた是正勧告・指導票を明らかにしました。

ワタミ側が開示してきたのは、2008年4月から2013年2月までに全国の労基署から受けた労働基準法違反や労働安全衛生法違反などについての是正勧告書24件と指導票17件です。これまで遺族側は過労死の原因を解明するために必要な資料として開示を求めてきましたが、ワタミ側は「本件との関連が薄い」などとして拒否してきました。しかし、毎回の裁判傍聴に駆けつけてくれている支援の仲間やメディアの報道をはじめ世論の批判に押される形で、ようやくワタミ側が開示に応じてきたのです。

これらの資料によると、ワタミは全国各地の店舗で、制限を超えて時間外労働を行わせている、法定の残業代を支払っていない、休憩時間を与えていない、法定の健康診断を実施していないなどの違法行為について労基署から指摘を受け是正を求められている。まさに違法行為のオンパレードという状況であり、けっして森美菜さんの過労死だけが特別なケースではなく、氷山の一角であることが明らかになった。

また、ワタミ側は裁判に出した書面で、森美菜さんの終業時刻について本人が打刻したデータを「調整」していたことを自ら明らかにしてきた。これは労働時間記録の「改ざん」と言えるもので、ワタミ側のずさんな労務管理を証明するものである。

さらにはワタミ側は、ワタミや渡辺議員らの責任を回避するために、内定通知をワタミが出しておきながら、森美菜さんが内定後のアンケートに配属先として「外食」を選択したことをもって「ワタミとの間での雇用契約は終了した」という非常識な主張を展開した。

他方、遺族側は森美菜さんと同期入社した元社員の陳述書を裁判所に提出。そこにはワタミが入社説明会で「労働組合は作ってはならない」と言っていたことが記されている。憲法28条の団結権を真っ向から否定するとんでもない発言である。これを裏付けるように最近もワタミ現社長は週刊誌のインタビューで「ワタミの社員は家族であり、同志だ。そこに労使関係は存在しないので、労働組合が必要だとは考えていない」と平然と答えている。こうした労働組合否認の体質が過労死を生み出す温床になっているのは間違いない。

この日の裁判後に弁護士会館で開いた報告集会で、森さんの父豪さんは「(是正勧告・指導を見て)やっぱりな、という感じだ。表面でいいことばかり言っているのは粉飾に等しい。若い人にはワタミの実態を知って入社してほしい」と話した。母祐子さんは「渡辺議員は過労死防止法の集会で『たった一人の犠牲者を出したが』と言っていたそうだが、なぜ犠牲者が出たのかを検証しようとしていない」と批判しました。

報告集会では、遺族側弁護団の玉木弁護士、江口弁護士、原島弁護士が裁判闘争のポイントを解説。ファミリーレストラン「すかいらーく」で2007年10月に長男を過労死で亡くした前沢笑美子さんも「二度と過労死が出ないように訴えていきたい」と発言しました。ワタミ裁判の傍聴を続けているブラック企業対策プロジェクトの上西充子さんからも発言を受けました。

次回のワタミ過労死裁判第6回口頭弁論は11月20日(木)午後1時30分から東京地裁705号法廷で開かれます。裁判後には弁護士会館で報告集会を予定しています。引き続き遺族への支援のための傍聴をよろしくお願いします。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月26日(金)18時~21時 「... | トップ | フロラシオン青山支部 第3回... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ワタミ」カテゴリの最新記事