写真=3月に臨床心理士ユニオンを結成した会議
「官製ワーキングプア」をなくそう!
臨床心理士はユニオンで立ち上がろう!
いま自治体やそこから委託を受けた公務職場で、非常勤や臨時職員など非正規で働く人が増えています。3月に結成した私たち全国一般東京東部労組・臨床心理士ユニオンの仲間の多くもそうです。
公務職場に働いているだけで「安定している」と思われがちですが、民間の非正規社員と同じで低賃金と不安定な雇用を強いられています。まさに官が作り出す「官製ワーキングプア」です。
臨床心理士ユニオン結成に立ち上がった主なメンバーは、東京都が設置する児童養護施設(8施設)で虐待を受けた子どもたちの自立をサポートするために働いています。施設を東京都から指定されて管理しているのが社会福祉法人の東京都社会福祉事業団(平井健一理事長)です。
ユニオン結成以降、これまで2回の団体交渉を事業団側と持ちましたが、私たちがもっとも望んでいる賃金・待遇面の改善(正職員との格差是正)には残念ながら前向きな姿勢はまったく見られません。
月16日勤務の非常勤でも月の手取りは13万円台です。中には4つも5つも職場を掛け持ちしている人もいます。そうしないと満足に食べていくことができないからです。こうした貧困の現状では安心して結婚や子育てもできません。
月6日の臨時職員に至っては雇用保険も社会保険もなく、交通費も実費支給ではないため自腹を切らざるをえない状況です。
事業団は運営方針として「利用者本位のサービスの徹底」「地域との連携の強化」「サービスを支える強固な運営体制の確立と専門的な支援技術等の普及啓発」の3つを掲げていますが、これらを実際に担っている心理士を含めた職員の待遇はひどいものです。
事業団には通常の企業でいう取締役会である理事会(理事10人と監事2人)があります。しかし、これまで団交に出席しているのは副参事と事務局次長です。「これでは生活していけない」「職務を正当に評価してほしい」「このままでは施設を辞めざるをえない」という私たちの訴えが理事会には届いているのでしょうか。
心理士にとって劣悪な処遇は、事業団だけに限りません。心理士が多く働いている保健所、病院、学校、福祉施設など公務関連の職場では同じように「官製ワーキングプア」が横行しています。自治体発の貧困をなくさなければなりません。
すべての心理士のみなさん、私たち臨床心理士ユニオンは、利用者(市民・子ども)本位のサービスを徹底するためには公務職場で働く人の待遇改善は欠かせないと考えています。いっしょにユニオンに入って「官製ワーキングプア」をなくしましょう。
連絡先は次のとおりです。全国一般東京東部労組本部の臨床心理士ユニオン支部担当(須田・菅野)まで。電話03-3604-5983、ファックス03-3690-1154、メールinfo@toburoso.org
国家資格化も動きます。利用者にとって、どういう国家資格化がよいのか?どういう雇用形態がいいのか?検討して、発言することが臨床心理士ユニオンには求められることになります。
1月以内に国家資格化が大きく動きます。臨床心理士ユニオンがどういう役割を果たすか?組織化を急ぐべきです。