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全国一般東京東部労働組合の記録

すかいらーく契約店長過労死 解決会見の遺族発言と映像

2009年05月18日 10時41分41秒 | 過労死・過労・労災

写真=会見に出席した前沢さんの母・笑美子さん(右から2人目)と妹・美保さん(右から3人目)

「過労死を死語にしてほしい」

すかいらーく契約店長だった前沢隆之さんの過労死事件が遺族と支援する全国一般東京東部労組と会社が合意したことを受け、5月13日に遺族と組合が厚生労働省で記者会見した際に語られた遺族の発言(要旨)を以下に紹介します。

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母の前沢笑美子さん

 すかいらーく側はいつも「真摯に受け止めている」という発言をしているにもかかわらず、本日のこの会見で同席してほしいと再三お願いしましたが、(出席してもらえず)残念な結果となりました。
 私たち家族は昨年7月17日の労災認定の記者会見以後、日常の平穏な生活は一変いたしました。ネット上での励ましや、同じ苦しんでいる方々の叫びもたくさんありました。と同時に心ない書き込みも多々ありました。また、地元においても憶測で私たち家族の生活面でなにかと配慮のない言動があり、悔しさや人の心の卑しさなどを思い知らされる月日が流れました。
 しかし、同じようなことが繰り返されないためにも、息子の心を我が心とし、勇気を出し、声を出していこうと決意し、数々の取材等にも積極的に応じることにいたしました。
 昨年からの不況や不当解雇などの現象は過労死、過労障害の連鎖と考えております。このような社会を作ったのは人間です。であるなら、人間が作り変えられるはずです。
 事故を起こしてからの手当てより、起こさないための危機管理をしていくことが重要であると思います。企業のトップリーダーの方々には「人の心」を持って指導することで、必ず誰もが喜んで働ける平和な社会になると申し上げたいです。
 そして、近い将来「過労死」という言葉が死語になることを望みます。息子の死を無駄にしないためにも私たち家族は勇気を出し、与えられた使命をまっとうしていく覚悟です。

妹の前沢美保さん

 今回の記者会見のことは、正直言って辞退したい気持ちでした。というのも、母からも話がありましたとおり地域の方の中には興味本位で、話を聞きたがる人、また実情も知らないのに個人の勝手な憶測で話をしている人たちがとても多かったからです。あまりにも心ない言葉に何度も涙をこらえました。
 しかし、私も母親という立場で考えたなら生命の尊さを一番痛切に思う1人です。今回のことも一個人で立ち止まっていては何も進まないままだとの思いで、私も兄のため、また、これからの子どものためにも勇気を出して母を支えていきたいと思います。

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記者会見の映像です(撮影=ビデオプレス)。

過労死を死語にしてほしい・すかいらーく事件解決の記者会見

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2 コメント

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現場から (匿名)
2009-05-19 07:46:18
やっと和解ができましたね。会社を掩護するつもりはありませんが、今も現場で働いている一社員として、少しだけ変化が感じられてきたので・・・。
4月下旬に店長向けの人事説明会が行われました。アシスタント向けも先日開催されています。労務管理の基準となるガイドラインの説明と今後の人事制度についての説明がされました。店長へは過去6ヶ月間の正確な勤怠報告をする旨の説明があり、残業代が支払われます。調理すること、接客することだけのタイムカードから「これは業務です」という項目が挙げられ、これらの業務が行われた場合はすべて勤怠に反映させるよう指導もされました。社長も交代し、少しは前進しているようにも思えますが、反面、会社中枢のギコチナサも見え隠れしています。すかいらーくの中枢も官僚と同じ縦社会そのままです。人事本部と営業本部・管理本部まだバラバラです。自分たちに聞こえてくる声は「売上UP・客数UP・運営利益UP・生産性UP・提供率UP・労働時間絞れ・公休とれ・残業するな」だけ。相変わらずですが・・・。
会社が大きくなり、その過程でやるべきことを放置してきた怠慢が今の現状を生み出している。トップが代わってやっと気付いたレベルなんですよね。情けない話ですが、これが現状です。二人の死を風化させないためにも、改めて会社はきちんと全社員に文書ではなく、言葉で説明をするべきだと思います。これがなされて初めて第一歩を踏み出せる、そんな気がします。幾度となく社員を裏切ってきた会社ですから、もう二度と裏切ってほしくない。この二人のためにも、また見切りをつけた辞めていった人たちのために、店で働きたいけどどうしても復帰できずに苦しんでいる人たちのために、現場で今も働いている人たちのために、そんな人たちを家で無事に帰ってくることを待っている家族のためにも、形だけでなく、本当の意味での変化を待っているのです。(伝わるかな??)

追伸:7月には全従業員の勤怠管理が手書きタイムカードからバーコード入力式に変わるそうです。
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すかいらーくは前沢さんに謝罪する気はない (元外食社員)
2009-05-19 17:21:37
 正直すかいらーくが前沢さんとの会見に参加しないのは、すかいらーくがマスコミに対して高い宣伝費を支払って自分の会社の正当性を主張するダブルスタンダード的な会社体質があると思われます。悲しいがすかいらーくは中島さんだけではなく、前沢さんの過労死も教訓にできない会社の末期的症状と断末魔が聞こえているのは私だけだろうか。

 去年、2006年に株式上場廃止よる株主から前任の横川社長を解任させ、谷社長が就任してからすかいらーくは過去の教訓をまだ活かしきれない会社であると感じざるを得ません。前沢さんの妹美保さんが「近隣から兄の死について興味本位で話を聞きたがる人、自分の憶測で話を人たちが多い。」これは、すかいらーくが高い宣伝費を払っているステレオタイプの弊害です。2002年にトヨタ自動車堤工場(愛知県豊田市)で過労死した内野さんも話もそうだが、トヨタは高い宣伝費を払ってマスコミを自分の思い通りに操作する、すかいらーくもその手法で消費者を騙したと考えてもおかしくはありません。

 前沢さんが働いた「ガスト」は私の地元にありますし、車で30分走るとすかいらーくグループの店舗が乱立しています(中華の「バーミヤン」、和食の「夢庵」がある)。これはチェーン店の考え方でたくさん店舗を作って、売上・利益を出すという考え方です。新規に1店舗を作るのに地代、建築代、調理機材代諸々あわせて3000万近い金額が必要と考えられます。つまり、すかいらーくは利益を社員に還元するのではなく、新規店舗の開発費用に回されたと考えてもおかしくありません。

 正直、すかいらーくは中島さんだけではなく、前沢さんの過労死でも会見に出ないのはまだ終わっていないということです。この問題はマックやすかいらーくといった大手外食チェーンだけではないと思います。外食チェーン全体がこの問題を抱えているということです。
 この問題の風穴をこじ開けるのは社員の内部告発という最後の手段しかないのも現実です。
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