東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

東部労組タケエイ支部 職場での労災死亡事故に対する抗議文

2017年10月26日 12時12分28秒 | 労働組合

産廃処理大手である株式会社タケエイのリサイクル工場において9月1日、重大な労災死亡事故が発生しました。
当日・翌日にマスコミが報道したにもかかわらず、会社からはご遺族への対応、原因・対策等、いまだ詳細な説明・発表はありません。

これにつき、同社のドライバーで組織する東部労組タケエイ支部は10月25日、会社宛に抗議および要求書を送付し、労働者への説明、再発防止策につき組合と協議すること等を求めました。

2006年に結成した東部労組タケエイ支部はこれまで、ドライバーの労働条件向上を求めて活動し、その中で1年契約であったドライバーの正社員化をかちとるなどの成果を上げてきました。
また、組合員への配転攻撃に対しストライキで闘いました。

労災で亡くなられた労働者はタケエイ支部の組合員ではありませんが、労働者の生活・命と健康を守ることを追求してきた東部労組タケエイ支部として今回の重大労災死亡事故とそれに伴う会社の対応を看過することはできません。
タケエイは一部上場・経団連加盟企業として、真摯に対応すべきです。

以下、タケエイに送付した文書を掲載します。

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2017年10月25日
株式会社タケエイ
代表取締役社長  山口 仁司 殿

全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合
執行委員長  菅野 存
同タケエイ支部
執行委員長  金子 高雄


貴社川崎リサイクルセンターにおける労災死亡事故に係る
抗議ならびに要求書


本年9月1日未明、貴社川崎リサイクルセンター(以下「川崎RC」という)において、貴社従業員がコンベヤーに巻きこまれ死亡するという重大な労災事故(以下「当該事故」という)が発生した。当労組はかかる重大労災を惹起した貴社の責任、安全管理の不備につき強く抗議するとともに、以下の通り要求する。

第1 当該事故について
1 経過・報道等
(1)当労組が報道等から知るところによれば、当該事故の経緯は以下の通りであるという。
本年9月1日未明、川崎RCにおいて、廃材等を運搬するコンベヤーに貴社従業員(38才。以下「当該労働者」という)が巻きこまれているのを点検業者作業員が発見し、救急通報、当該労働者は3時間後に死亡した。
報道によれば、川崎RC2階のコンベヤーを千葉県にある点検修理会社の作業員2人が点検中で、当該労働者は立会人だったという。
(2)当該事故については、9月1日夕方のTBSニュースで報道されるとともに、翌日の朝日新聞川崎版でも同趣旨の記事がネットで配信されている。両報道によると、当該事故については業務上過失致死の疑いで警察の捜査も行われるという。

2 事故後の貴社の対応
当労組は、当該事故につき当労組組合員への聞き取り等、事実関係を調査するとともに、当該事故の経緯、ご遺族への謝罪・補償等に関する貴社からの公式なアナウンス、職場労働者への事実関係の説明等が当然になされるものと思っていたところ、現在に至るまでそのようなアナウンス・説明等は貴社からは一切なされていない。当労組も当該事故については前述の報道等から知るのみである。

3 貴社の責任
貴社は経団連加盟・東証一部上場企業であり、当然に、それにふさわしい社会的な責任が求められる。
また、貴社は厚生労働省が推進する「あんぜんプロジェクト」に参加企業として名を連ねている。「あんぜんプロジェクト」の参加資格には「事業場等での安全活動の状況、労働災害の発生状況等(以下、「安全情報」といいます。)をホームページで公開していること」との規定がある。当該事故についてはテレビでの報道もなされ、警察の捜査も行われている等、大きな問題となっているにも関わらず、ホームページを見る限り、現在に至るまで貴社から当該事故についてのアナウンスが行われている形跡はない。

一方で、貴社は本年が創立50周年に当たることから、9月5日、職場において従業員の記念撮影を予定していたという。当該事故についての説明等も一切ない中、記念行事を優先するかのような貴社の姿勢について9月4日、職場においてタケエイ支部金子委員長、丸山書記長から強く抗議したところであるが、当該事故の事実を隠蔽するものであるとの非難を免れないものであり、看過できない。

また、貴社からの説明はないが、当該事故が発生した時間が「未明」であることから、仮に当該労働者が長時間労働の状態にあり、それが当該事故の要因になったとすれば、貴社の労働時間管理、ひいては労働基準法上の責任も問われることとなる。

第2 当労組の見解
1 全国一般東京東部労組タケエイ支部は貴社において、主に小型トラック乗務員で組織された労働組合である。今回、当該事故に被災し死亡した労働者はタケエイ支部の組合員ではない。しかし、当労組は職場で働くすべての労働者の命と健康を守るという立場でこれまでも活動し、今後もそれに変わりはない。よって、被災し、38才の若さで亡くなった労働者がタケエイ支部の組合員であるか、そうでないかに関わらず、労働者の命に関わる問題につき労働組合が抗議の声を上げるのは当然のことである。

2 当労組は亡くなられた労働者、そしてご遺族の立場に寄り添うことなく重大な労災、過労死を「できるだけ小さく」収めようとする企業と向き合い闘ってきた。当労組とすかいらーく、ワタミとの闘いは社会が知るところである。

第3 要求事項
 上記をふまえ、貴社に対し当労組は以下の通り要求する。経団連加盟・一部上場企業として誠意ある対応を望む。
1 当該事故の経緯・原因につき、当労組ならびに職場労働者に対し詳細な説明を行うこと。
2 当該労働者ご遺族への対応につき、その詳細を明らかにすること。
3 再発防止策につき明らかにするとともに、それにつき当労組と協議すること。
4 上記につき、2017年11月6日(月)正午限り、当労組宛(東京都葛飾区青戸3-33-3 野々村ビル1階、ファックス03-3690-1154)まで文書をもって回答すること。

以 上

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タケエイで働くみなさん、職場環境・労働条件についての疑問などありましたら東部労組タケエイ支部までご相談ください。

【連絡先】
電話03-3604-5983
メールinfo@toburoso.org

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