中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

オリバー・ツイスト

2006年02月09日 | 映画
イギリスの文豪、ディケンズ「オリバー・ツイスト」の映画化。

ディケンズの小説といえば、学生時代「デイビット・コパフィールド」を読んだことがあるけれど、とにかく長かったとの印象しか残っていない。どういう内容だっただろうか。最後がハッピーエンドだったことだけは覚えているけれど。再読するのはちょっとしんどい。

「小説は長ければ長いほどよい」と公言するジョン・アーヴィングが敬愛する作家、ディケンズ。このオリバー・ツイストはそのディケンズ作品としてはそう長くはなく、文庫本上下2冊のボリューム。

映画を見て感じたのは、129分という長さで収めることにはきっと苦労したのだろうということ。不自然というほどではなかったけれど所々でどうして、と思う部分が出てくる。例えばなぜオリバー・ツイストが周りの人にああも愛されるか。その過程はあまり描く時間がなかったみたいで、ブラウンロー氏の「人を惹きつけるなにかがあの子にはある」ですませてしまったり。こういうタイプの話はストーリー自体の流れも重要で、ある程度こうせざるを得なかったのだろうけど。

上映時間を自由に長くできるなら、こういう問題も解決したのだろうけれど、映画もビジネス、難しい部分があるのだろう。基本的にこういう話、映画よりはBBCあたりによるテレビシリーズの方が面白くできるのかもしれない。

とはいいつつ、19世紀イギリスの街の再現はお金もかかっていて見事なものだし、かなり強いイギリス英語、薄暗い街。これらを体験していくだけでも十分に楽しいし、決して「退屈」することはなかった。

あと主役を演じるバーニー・クラーク少年は本当に可愛い。そっちの趣味はないけれど、それでもついつい見入ってしまいます。昔はたしかあのマーク・レスター主演でも映画化されているはずで、やはりこの映画の主人公は「美少年」でなければいけない様子。パタリロファンやその中の「あの趣味」の人々にとってはいうまでもなくお勧めの映画。

★★★


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