映画でも行こうかと誘った連れから提案されたのがこの作品。クリスマスイブは「特別な日」と浮かれるほどに若くもないとはいえ…
ジョージ・マイケル、といえば元ワムのメンバー。その後もソロとしても成功しているのでご存知の方も多いだろう。あの「濃い」感じの色男。
洋楽に本格的に目覚めたのが高校生の頃。当時は海外ヒットチャートの動きまで追いかけたりしていた訳だが、ワムがチャートを賑わしていたのもちょうどその頃。20年以上経った今もクリスマスに必ず流れる「ラストクリスマス」が流行したのもこの高校時代、冬の話だ。
高校生の頃にはよくある事だけれど、洋楽を聴くと言う行為自体に憧れを持ち、そうすること自体が自尊心を満足させる、と言う部分も少なからずあった。なので多少の無理をしてまで、必ずしも好みでない音楽も積極的に聴いていた。そのような状況でも個人的にこのワムだけは「いけすかない」という思い強く、頑なに無視していたことを今でもはっきりと覚えている。
今になって分析してみれば、こういう姿勢はワムの音楽自体に対する否定ではなくて、その存在自体に対する否定であったのだと思う。ワム、というグループは「絵に描いたような」色男の二人組み、そしてそのターゲットは若い女の娘。中途半端な自我を持った男子高校生にとって、このような存在は「受け入れること叶わぬ存在」でしかないのだ。
実際、洋楽を聴くクラスメートでワムを好きだ、という男子生徒は皆無であったと記憶している。たぶん「少々他と違う性的嗜好」の人でもない限り、ワムは基本的に男性には好かれるグループではなかったのだ。
こういう状況もあって、ジョージ・マイケルのドキュメンタリーについてもさほどの感慨もなく足を運んだことになる。既に彼は「カミングアウト」しているので、その辺だけを興味本位で見に行った、というのが正直なところ。(これは提案してきた連れも同じ)
以上、前置きが長くなったけれど、実際に映画を見ての感想をひとことで表すと「思いのほか面白かった」。90分の上映時間は退屈することもなく、結構楽しめる。
これは誰にでも当てはまる事ではあるけれど、表面から見たものと実際の人生というのは思いのほかに隔たりがある。彼の人生に関わってきた人々の証言を聞きながらその半生を眺めていくと、ジョージ・マイケルについてもこの点に変わりがないことがよく分かる。彼も思いのほかに苦労しているのだ。
ワム時代、意図的に「マヌケな単パンを穿き、耳にリングをつけて」いた、なんて発言を見ると、なんだか20年前の自分が少しはずかしくすら思えてくる。この映画を見進めていくとジョージ・マイケルって結構いい人だな、と思えてくる。彼は基本的に実に素直な人間なのだ。邦題の「素顔の告白」というのもあながち嘘ではない。ま、彼が良く見えるように、と映画を作ったのは充分に承知しているつもりではあるけれど。
ドキュメンタリーの後半は「カミングアウト」にまつわる話が中心となる。当初はこのことばかりを期待していたわけだけれど、ジョージ・マイケルの人生をそこまで一緒に追いかけていくと、あまり茶化す気にもならずむしろ素直に応援したくすらなる。偏見に満ち溢れた自分にとってこれはよい刺激と反省を促してくれる事であったし、この点だけでも映画を見てよかったと思っている。
ワムのファンはもちろん、そうではない人にも楽しめる映画、というのが一応の結論。誰かの人生について丁寧に振り返ってみる作業を眺めること、というのは基本的には楽しいことなのだ。
あと、どうでもよいことだけれどワムの相方であるアンドリューの変貌振りには少々驚き。これもある意味一見の価値あり。彼とジョージが仲良く談笑する姿をみると、なんだか少し心温まるものがある。
★★★
ジョージ・マイケル、といえば元ワムのメンバー。その後もソロとしても成功しているのでご存知の方も多いだろう。あの「濃い」感じの色男。
洋楽に本格的に目覚めたのが高校生の頃。当時は海外ヒットチャートの動きまで追いかけたりしていた訳だが、ワムがチャートを賑わしていたのもちょうどその頃。20年以上経った今もクリスマスに必ず流れる「ラストクリスマス」が流行したのもこの高校時代、冬の話だ。
高校生の頃にはよくある事だけれど、洋楽を聴くと言う行為自体に憧れを持ち、そうすること自体が自尊心を満足させる、と言う部分も少なからずあった。なので多少の無理をしてまで、必ずしも好みでない音楽も積極的に聴いていた。そのような状況でも個人的にこのワムだけは「いけすかない」という思い強く、頑なに無視していたことを今でもはっきりと覚えている。
今になって分析してみれば、こういう姿勢はワムの音楽自体に対する否定ではなくて、その存在自体に対する否定であったのだと思う。ワム、というグループは「絵に描いたような」色男の二人組み、そしてそのターゲットは若い女の娘。中途半端な自我を持った男子高校生にとって、このような存在は「受け入れること叶わぬ存在」でしかないのだ。
実際、洋楽を聴くクラスメートでワムを好きだ、という男子生徒は皆無であったと記憶している。たぶん「少々他と違う性的嗜好」の人でもない限り、ワムは基本的に男性には好かれるグループではなかったのだ。
こういう状況もあって、ジョージ・マイケルのドキュメンタリーについてもさほどの感慨もなく足を運んだことになる。既に彼は「カミングアウト」しているので、その辺だけを興味本位で見に行った、というのが正直なところ。(これは提案してきた連れも同じ)
以上、前置きが長くなったけれど、実際に映画を見ての感想をひとことで表すと「思いのほか面白かった」。90分の上映時間は退屈することもなく、結構楽しめる。
これは誰にでも当てはまる事ではあるけれど、表面から見たものと実際の人生というのは思いのほかに隔たりがある。彼の人生に関わってきた人々の証言を聞きながらその半生を眺めていくと、ジョージ・マイケルについてもこの点に変わりがないことがよく分かる。彼も思いのほかに苦労しているのだ。
ワム時代、意図的に「マヌケな単パンを穿き、耳にリングをつけて」いた、なんて発言を見ると、なんだか20年前の自分が少しはずかしくすら思えてくる。この映画を見進めていくとジョージ・マイケルって結構いい人だな、と思えてくる。彼は基本的に実に素直な人間なのだ。邦題の「素顔の告白」というのもあながち嘘ではない。ま、彼が良く見えるように、と映画を作ったのは充分に承知しているつもりではあるけれど。
ドキュメンタリーの後半は「カミングアウト」にまつわる話が中心となる。当初はこのことばかりを期待していたわけだけれど、ジョージ・マイケルの人生をそこまで一緒に追いかけていくと、あまり茶化す気にもならずむしろ素直に応援したくすらなる。偏見に満ち溢れた自分にとってこれはよい刺激と反省を促してくれる事であったし、この点だけでも映画を見てよかったと思っている。
ワムのファンはもちろん、そうではない人にも楽しめる映画、というのが一応の結論。誰かの人生について丁寧に振り返ってみる作業を眺めること、というのは基本的には楽しいことなのだ。
あと、どうでもよいことだけれどワムの相方であるアンドリューの変貌振りには少々驚き。これもある意味一見の価値あり。彼とジョージが仲良く談笑する姿をみると、なんだか少し心温まるものがある。
★★★
「あんな奴が世界平和を~」のコメントの主はオアシスのノエル・ギャラガーです。彼は相変わらずですね(W
私自身、ジョージ・マイケルが911以降にあのような政治的発言をしていたことは知りませんでしたが、その結果彼は未だ、アメリカでは無視され続けているようです。
「人気商売」に携わっていながらこのような発言をすること。個人的にはそれだけでも充分に立派な事なのではないか、と思う次第です。
はじめまして。
ワムは私も好きでは無かったのです。
なぜこんなコンビを組まなければイケなかったのか?それが売りの為だと見え見えだったので、あの安定した出来上がった歌いっぷりの良いVoであるのに、否定しなければ、気がすまなかった理由でした(ジャーニーも同じですわ)
出来上がった売りのイメージと、彼自身のキャラクターとのギャップにきっとご当人も悩んだことでしょう。
まぁ結局未だにワムは聞いていないのですけど(笑)
カムアウトして、ボイコットされて、今やっと落ち着いて活動が出来るように好転して来ているのでしょうね。
映画、見たいのですけど(笑)田舎なので勿論、公開はありません。
ちょっと残念です。
まぁGay Film自体、田舎では無理ですねぇ・・
以前サイトにGay Filmのチャプチャ(比較的大人しいものですけど)載せたら、反応が凄くて驚きました。
ええ?こんなのがあるんですか?って(笑)
世間にはまだまだ認められているものでは無いんですね・・
ジョージ、今度こそゴスさんと幸せになって欲しいものです。
初見参で長々と失礼しました。
歌詞合わせパズルをした記憶があります。
確か、「Last Christmas」でした。
そんな事もあったし、ニュースでも取り上げられていたので観にいきました。
すべての事実が私的には新事実だったので
あんまり退屈せず見ることできました。
私はエッセイなどが好きなので
誰かの人生の欠片を知ることは
意外と楽しかったです。
遅くなりましたが
TBありがとうございました。
こちらもこそっとTBさせていただきました。
私もこの映画でジョージ・マイケルという人間に好感を抱くようにはなったのですが、それだからワムのアルバムを買おう、という気には未だ至っていません(w
いや、実際歌は非常にうまいと思うのですが、好みの問題ですかね…
ジョージも今回の映画で、いろいろなものを吐き出したみたいですし、それにより今後の彼の人生が穏やかなものとなるとよいですね。
人はだれでも、自分の人生を綴れば1冊は本が書けるといいますが、誰であってもその人生を追いかける、というのはなかなかに楽しいことですよね。
小説、だけでなくエッセーやドキュメンタリーが楽しい、というのも基本的にはその部分だと私も思います。
小学生の私がワム!にはまっても恥ずかしくて
隠してたわけですからねぇ。。。
高校生でしたらなおさらアンチワム!な人が
いたことも理解できますw
私があの映画を見に行ったのは、映画の中にQUEENのメンバーが映っているというので見に行きました。ワムファンからすると不純な動機です。(笑)
でも、ワムはリアルタイムで知っていたので、映画の最初の方のPVは単純に楽しんでいました。
確かに、明らかに女性ファンをターゲットにした売り方は、アンチワムの方がいても仕方がありませんね。
実は、私は昔、心密かにアンチマドンナでしたが、最近になってやっとマドンナもいいかなと思っています。あのボディを維持していることは尊敬します。
アンドリューは確かに変わりましたね。特に頭が。でも顔そのものはそんなに変わっていないように思いました。
変貌といえば、私が気になるのはボーイ・ジョージです。化粧は舞台用なのかもしれませんが、あごの下のお肉が重力に負けてきていました。
ひとのことばっかり言ってちゃいけませんね。私も気をつけないと(笑)
ネットサーフィンしていて辿り着きました。
この映画は去年の暮、特にファンでもない友人を引っ立てて観に行ったんですけど、彼女も楽しんでいたようで良かったです。印象的だったのは一人でインタビューを受けている時の姿でした。話している時にカメラに目を向けず、ほとんど横を向いていましたね。そこに彼のナイーヴさが表われていたと思いました。ただ、自伝映画ということで観ればジョージ・マイケルという人間を少し理解できるかと思ったんですが、なんだかますます五里霧中というか、40歳は不惑の年と言いますが逆にまだまだ惑いと迷いが感じられました。Wham!は確かにくだらない歌(世界中、特にアメリカでチャートインした曲がつまらないと個人的には感じています。なんでだろ)もあると思いますが、アルバムの中のそれほど目立たない曲の中にはソロになってからよりも良いもの、いわゆる隠れた名曲がたくさんありますよ。それにしてもアンドリューの老けぶりには仰天しました(笑)すでに好々爺の風情…。初めてお邪魔したのに長々失礼致しました!