中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

偶像とえいば

2006年02月07日 | 日常
イスラム教預言者を風刺漫画で表現した事に端を発した、デンマークを始め世界各地での騒動。偶像崇拝を禁止した宗教の預言者の姿を漫画という形で「表現」してしまったうえ、皮肉もこめられていたのがまずいということらしい。

宗教についはいろいろと難しい部分もあるし、下手な発言をして襲われても困るので「無難」なことしか言わない。他人の信仰について尊重はするべきだと思うけれど、暴力はいかん、と。

このニュースを聞いてふと思い出したのがサウスパーク第5シーズンの「SUPER BEST FRIENDS」というエピソード。

主人公のスタンが、カルト宗教に嵌った仲間の救出をキリスト(サウスパークの世界ではなぜか本物のキリストもサウスパークの住人。地元のケーブルテレビで自分の番組まで持っている)に頼むも、キリスト一人では全く太刀打ちできない。そこで彼が呼び集めたのが彼の最高の友達である、仏陀、クリシュナ、モーセ、老子、ジョセフ・スミス(モルモン教の始祖)、そして今回話題のモハメッド。このベストフレンド達の協力で、最後はカルト宗教の悪事を阻止するという話。

物語中モハメッドは「善」の側とはなっているけれど、その姿をサウスパーク的な漫画タッチでしっかり「描いて」いる上、キリストや仏陀と友達という設定。はじめてみた時も「大丈夫なのだろうか」と思ったけれど、今回の騒動をみると、今更ながらよく無事だったな、と思う次第。

サウスパークでは全ての人種、宗教、境遇の人々を「平等」に茶化す、というのが基本姿勢。それがわかっていると、このアニメが決して「差別的」な内容でない(というか、差別が存在する現実自体を笑っている)ことが良く分かるのだけれど、それにはある程度の数、エピソードを見進める必要がある。

それを知らずに特定のエピソードだけ見ると「差別だ!」と叫ぶ事必至のアニメーション。当然ながらアメリカのPTA(記号としてはわかり易いけれど、いまでもPTAってあるのか?)からは忌み嫌われる内容。

一コマ漫画であれだけの騒動になったというのに、このアニメで騒いでいないのは、イスラムの人達にもサウスパークの「本質」が受け入れられたから、ということなのだろうか?

そんな訳あるはずないけれど、サウスパークファンとしては、そうであって欲しい、と祈る次第。もっとも自分には祈るべき神などいないけれど…

※ちなみに日本版DVDで、シーズン5はまだ出ていないようです。WOW WOWではもしかしたら視聴可能。

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