中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

THE有頂天ホテル

2006年01月16日 | 映画
最初に結論から言っておくなら、とにかく楽しい映画。見て損はないので、なにか楽しめる映画をと考える全ての人にお勧め。

23人もの個性的なキャラクター、出来事を有機的に繋げあげる力量はとにかく見事。とにかくこういう脚本を書ける才能には感心するしかない。笑いのなかにもホロリ、とさせる部分があるつくりはいつもの通り。

ある意味三谷作品の集大成(と勝手にまとめてしまうのもアレだが)といってもよい映画。作品自体には大満足。ただ集大成、という言葉には微妙な含みも少々。

映画をみていて三谷ワールド的な既視感をしばしば感じたのも事実。これって過去の三谷作品でもあったような…という感じが随所に。役所広司の見栄が引き起こす悲喜交々あたりは「合言葉は勇気」とか「王様のレストラン」あたりを思い出してしまうし、楽しいシーンについても都度「あの」パターンかな、と考える事もしばしば。

楽しいマンネリも悪いことではないし、この事が作品自体の価値を下げるものではないけれど、三谷氏の今後がちょっと心配…

あともう一つ惜しまれるのは公開時期。できればこの作品、正月映画として昨年末までには公開してほしかった。古畑任三郎スペシャルとの絡みとか何か「大人の事情」があったのかもしれないけれど。個人的にこの映画はやはり、大晦日に見たかった…

★★★★