中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

CDの値段

2006年01月10日 | 日常
先日タワーレコードでモーツァルトの交響曲全集を購入。ザルツブルグ、モーツァルティウム管弦楽団の演奏で13枚組2990円、1枚230円ということになる。今に始まったことではないけれど、クラシック音楽のCD、特に輸入盤の値段の崩れっぷりには本当に凄いものがある。

音源保存手段の発達(要はmp3等)もあって世の中ではCDの売上自体、減少傾向ということらしい。クラシック音楽の世界はもとより大きくはない市場ということもあり、その影響をダイレクトに受けてしまっている。昔に比べると明らかに「新譜」の発売数自体も減ってしまっている。

ただ、売れないから何も出さない、という訳にも行かないのか、最近多いのがこの「昔の録音の再発売」。既に(たぶん)元は取っている、ということもあって上記のようにやたらと安い値段でCDを手に入れる事ができる。

ファンとしてこういう事態はありがたい限り。持っている曲であってもつい「安い」とCDを増やしてしまう。冷静に考えれば、ありがたがってばかりもいられない状況でもないのだろう。少なくともクラシック業界の未来を考えると…

思い出してみると、初めてCDを買ったのは高校生の頃(80年代前半)。当時はまだレコードが主流でCD自体があまり普及していなかった。従い、発売されるタイトルも少なければディスクの値段も高かった。たしか、地元平塚のレコード屋ではCD一枚が4000円だったと記憶している。

当時の高校生にとって4000円はそれなりの金額であったので、結局高校時代に買ったCDはこれ1枚だけ。ベルリンフィル、ギドン・クレーメルによるチャイコフスキーのVnコンチェルト。たしか、クラシックCDが20枚くらいしか並ばない地元店の棚のなかで一番良く知っている曲、ということで選んだもの。このCDは今も手元にあって、先日ためしに聴いてみたら特に問題なく再生できた。

今の廉価なディスク上であれ、昔の4000円のディスク上であれ、演奏家が情熱を傾け録音した「音」に差などあろうはずもない。けれど、それこそ「レーザーで擦り切れるほど」に聴いた一枚のアルバム、ここから流れ出る音楽、というのはまた格別なのである。