検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

電力の安定供給に原発は不要

2013年09月19日 | 検証・電力システム
 「電力システムに関する改革方針」は「安定供給の確保」のために次の3つの取り組みをするとしています。

 ひとつは、「送配電事業については、引き続き地域独占とし、総括原価方式等の料金規制により送配電線等に係る投資回収を制度的に保証する。また、引き続き、系統全体での需給バランスを維持する義務を課すことにより、安定した周波数や電圧など、経済活動の基盤となる高品質な電力供給を確保する。」
 ふたつ目は「さらに、緊急時等における国、広域系統運用機関、事業者等の役割分担を明確化し、国が安定供給等のために必要な措置を講じる枠組みを構築する。」
 三つ目は、「このほか、全面自由化に当たって、小売電気事業者の供給力確保や、広域系統運用機関が将来の電源不足に備えて行う発電所の建設者の募集等、必要な制度を新たに措置することで、安定供給に万全を期す。」

 いづれも短い文書ですが重要な事項を盛り込んでいます。一つ一つ検討が必要ですが今回は「供給力確保」を取り上げます。

ここでやろうとしていることは「義務を課す」という仕組みづくりです。これまでも電力事業者は電力供給義務が課せられていました。しかし東北大震災、福島原発事故による停電で「供給義務違反」を問われた電力会社はありません。

 重要なのは「義務違反」の追及ではなく「必要量を確保させる責任を負わせる」ことが目的です。

一見、当然のことの様に感じますがこの2年余り、原子力発電の稼動は実質ゼロの中での「安定供給確保」策です。この程度の対策で必要な電力量を確保できるのだとすると原子力発電は不要、ということではないでしょうか。

電力量の確保に必要がない原子力発電。「改革方針」(閣議決定)も、原子力発電の再稼動や必要性について一言も触れていません。だが別の場所(研究会)で原子力発電のための対策事業を推進しています。表向きは「安定供給」。想定は福島第一原子力発電事故の再発。そして再発事故が起きても安定供給する。その事業とは何かを見ます。次回