検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

「電力システムに関する改革方針」、目標は原発再稼動

2013年09月17日 | 検証・電力システム
 電力はいまや産業、生活においてなくてはならないエネルギーであり、電源です。この電力は日本を10ブロックにエリアを分割し、1社だけの営業を認める地域独占と投資を回収して一定の利益を保証する総括原価方式で保護されてきました。発電と送配電網を独占する電力会社は地域では絶対の存在で、その経済界のトップの座も占めて電力王国を築いてきました。

 この構造を維持したのは官僚との構造的癒着です。電力会社は官僚の天下りを積極的に受け入れ、国政・地方議会に議員を送り続けました。不動の王国を築いてきました。
しかしその独占的市場支配は前号で触れた通り、他の産業界からブーイングが起こり、独占的支配体制の維持は難しくなり、電力システム改革が行われてきました。これも前号で触れた通りです。

 改革の流れを加速させた1つは政権交代です。これに追い討ちをかけたのが福島第一原子力発電の水素爆発と放射線量の拡散・汚染です。この事故で東京電力は自力では対策が取れない経営破たんに墜ち、王国の振る舞いはできなくなりました。

 原子力発電を基幹エネルギー、ベース電源にして電力供給をする政官財のエネルギー戦略は根底が崩れました。だとすればエネルギー戦略、エネルギー基本計画を根本から見直すことです。政権交代した安倍内閣は「ゼロベースで見直す」と言っていますが、その一方で原子力発電の海外売り込み行脚をしたり、規制委員会が安全性を判断すれば再稼動に努力すると表明するように原子力発電を引き続き推進・強化する姿勢を強めています。

 今回の「電力システム改革」はそうした状況・情勢の中での「改革」です。「改革」推進の彼方に原子力発電の再稼動がありますから「改革」は原子力発電の再稼動をうながすことを最大の目的にしているといえます。
 その戦略こそ「改革方針」が改革の目的にかかげた「安定供給を確保する」「電気料金を最大限抑制する」です。

 この目的がどうして原発再稼動、推進につながるのか。次回