検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

原発再稼動につなぐ「安定供給」と「電気料金抑制」

2013年09月18日 | 検証・電力システム
 「低廉で安定的な電力供給は、国民生活を支える基盤である。」で始まる「電力システムに関する改革方針」(閣議決定)。このことに反対する人はいないでしょ。だれもがそうだと思う言葉です。国民感情をよくとらえた文書だと思います。

 そして次に「電力システムの改革の目的」は電力の「安定供給」と「電気料金抑制」。
 こうした言葉が続くと、「まかせておいて良い」という気持ちになりませんか?
「難しいことはあると思うが安定供給と電気料金抑制を考えてやるというのだから・・・・」と、政府に白紙委任するような気持ちになるのでは?

 だが同じ商品を並べて1個48円、22円、14円、13円、8円、6円と値札がついていると、みなさんはどうします。
 私などは「これ皆同じものなの?」と聞きます。
「全部同じですよ!」と言われたら、私は一番安い値札がついたものを買います。
 電気はつくる電源は違っても、電力という商品になると品質はみな同じです。でもコストは電源によって違います。下記の表は電源ごとのコストです。  (表「コスト等検討委員会」)
一番コストが低いのは原子力発電です(このコストには政府が原子力発電関連に投入している政策費用、最終処分費用などが含まれていない)。
 今回の福島第一原発事故処理、廃炉費用などを考えると原子力発電のコストは各電源の中で最も高くなるという計算もありますが表は政府が明らかにしたコストです。

 「改革方針」はいいます。「原子力比率の低下、燃料コストの増加等による電気料金の上昇圧力の中」と。実際、今年9月の家庭電気料金は電力会社によって違いはありますが2013年3月と比べると28%~7.3%も上がっています。

 小売全面自由化では電力会社や電源を選んで契約できるようにすると言っています。そうなると生活防衛から最も安い電源を選ぶのが普通の国民心情ではないでしょうか。

「安い電源から順に使う」中に原子力発電を含んでいますから、再稼動をして契約の自由化を実施すれば、原子力発電は再び、不動の地位を獲得できる。「改革方針」の究極の目標です。
 「安定供給」、何が問題なのか。次回