動物好きの私としては、検索掛けてこんな記事見付けました。
~安来市伯太町:わたなべ牧場~
そして働く中で私は、少しずつ「経済動物」という名の元で乳牛たちの生命の扱われ方に
疑問を持ち始めていきました。
毎日毎日365日、休みなく人間のために働いてくれる牛達。 それなのに、出産出来なくなり
お乳が出なくなれば肉にするために殺されてしまう。
経営が悪くなれば、一番に牛達にしわ寄せが来て殺されます。頑張っているのは牛達なのに…。
これはうちの牧場だけではなく、今の日本での酪農の当たり前の流れです。
わたなべ牧場では、目の前の牛達をとても大事にお世話しますが、
その事と、牛達が迎える最期とにあまりにもギャップがあるのです。
想いを話すと「経済動物」だからと笑われることも多いです。
でも、「経済動物」という言葉もくくりも全て人間が作ったものだから、
それを変えられるのも人間だと思うのです。お乳が出なくなった牛達に、
「おつかれさま」「ありがとう」「これからはゆっくり過ごしてね」と
言える仕組みがあっても良いのではと思っています。
私は、老牛ホームを創ります。 廃用牛たちが、お肉にならずに安心して
余生をゆっくり過ごせる場所を創りたいのです。 そして、生命を助けることで、
コロナ禍で低迷したわたなべ牧場の経営の回復にも繋げていきたいと考えています。
どうか、みなさんの力を貸してください!
よろしくお願いしますm(_ _)m
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
私が牛舎で働き始めた時は、牛達がこんなにも穏やかで、
意思の疎通が取れる動物だとは思っていませんでした。
現在牧場には、ホルスタインが3頭と子牛を合わせてジャージーが13頭います。
うちの牧場のヨーグルトはまろやかで酸味が少ないのですが、
ホルスタインとジャージーの牛乳を混ぜ合わせる事でこの味は出せるのだと会長は言います。
飼料も与えますが、腸内環境を良くするため、ネッカリッチを与え、
牧草は無農薬で作っています。。牛に食べさせる物にもこだわり、
ヨーグルトやプリン、アイスクリームなどの製品には添加物や保存料を加えずに
作っていることもあり、〇〇新聞などに掲載されることも度々ありました。
私が働き始めた頃は、牛達にも緊張した様子があり、「誰だこいつ」と
思っているのがよくわかりました。
気をつけていないと、蹴りや尾のムチが飛んでくることもありました。
しかし、毎日牛達の体に触れながら話しかけコミュニケーションを取るように
していくと、すぐに心を許してくれる様になりました。
ホルスタインは1トン近い体重がありますが、本当に穏やかです。
慣れてくると、牛達は「はやく飼料をちょうだい」「この牧草じゃなくて、あっちのを持ってきて」
「背中が痒いから掻いて」など、目や鳴き声、仕草で伝えてきます。
隣の牛が乳房炎で調子が悪い時に、何度も鳴いたり鼻を押し付けて来たりして、
いつもと違うことを教えてくれる事もありました。
子牛達は、哺乳の時間になり私の姿を見ると跳び跳ねて喜びます。
牛達は、犬猫と同じ様に意思の疎通がとれるのです。
そんな牛達と触れ合い、充実した日々を送る私には、まだ知らない現実がありました。
私は、乳牛は肉にはならないと思っていたのです。
お乳が出なくなった牛達、いわゆる廃用牛にその後どんな運命が待っているのかなど、
全く知らなかったのです。
別れは突然やって来ました。 昨日までお世話をしていた牛が、
肉にされるため売られて行ったのです。
なぜ? 私の心はなかなか現実を受け入れる事が出来ませんでした。
涙で送ることしか出来ません。 周りに相談しても、「経済動物だから仕方ないね」と
言われて終わりでした。
お乳が出なくなった廃用牛は、肉にされるために出荷されるという現実。
それが乳牛の運命だと。 人工授精が行われ、訳も分からず妊娠出産し、
可愛い我が子ともすぐに引き離されてしまいます。 当分、子牛を思って鳴く母牛もいます。
365日、毎日、朝晩、人間の為に搾乳をします。休み無しです。
それなのに、お乳が出なくなったら肉にされるんです。
牛の学術的寿命は20年だそうです。10年~15年との説もあります。
乳牛は2歳くらいで種付けし、妊娠、出産を繰り返し4~5年で役目を終えます。
寿命の半分にも至りません。
どうしてもモヤモヤが取れず、自分なりに色々調べてみました。 引退した競走馬が老後を
過ごす場所は日本にもあります。牛も保護している家畜の保護施設は
岡山県に1ヶ所だけありました。
海外ではどうなのか。海外では、サンクチュアリと呼ばれる保護施設が数多くありました。
そして、スイスの老牛のための牧場の記事もみつけました。
しかも、2004年の記事です。
「老牛にもやさしい老後を
スイスの酪農家の挑戦」の記事
色んな事が日本は10年も20年も遅れていると言われていますが、アニマルウェルフェアが
叫ばれる今、日本は本当に遅れていると実感しました。
わたなべ牧場は、以前放牧だったそうですが、現在は残念ながら放牧ではありません。
しかし、会長は牛達の事を考え、この先放牧にするための準備をしてくださっています。
会長はとても牛達を大事にされます。「売らなくてすむなら…」と言われたこともあります。
会長ならわかってくださるかもしれないと思い、何度か牛達を売らないで欲しい、
廃用牛達が暮らせる場所を創りたいと話して来ました。
わたなべ牧場は、永く愛されてきたヨーグルト、プリンを主に製造販売し、
関東方面への出荷で売り上げを伸ばしてきました。
しかし、コロナ禍で関東の成城石井など大手スーパーでの売り上げが落ちた事で、
牛達にとって更に厳しい状況となりました。
経営の見直しの矛先は牛達に向かいました。
牛達を売ることで経営の立て直しを計るのです。
今年も2頭の牛達が売られていきました。
私は牛達に、「絶対助けてあげるからね」と言い続けてきましたが、
叶いませんでした。 牛達は自分が売られることがわかっています。
そんなこと無いと言われる人もいるかもしれませんが、わかっています。
売られる数日前から涙を流したり、座り込んだりするんです。児玉さんの写真にあった、
保健所に収容された犬猫の最期の写真が思い出されました。
この記事、書いた人に・・・会いに行きたいと思います。
明日へと、つづく
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