やさしい家で やさしい暮らし

めざすは一生暮らせる木のおうち。建て主と建築業者を結び、安心を与えるのが私の仕事なのです。

トンデモ建主

2004-10-08 15:32:39 | 建築裏話
数年前のこと。
建築コンサルタントをしている人から
住宅の設計の依頼があった。
建築コンサルタントというのは、テナントや共同住宅などの
事業を行う建物のコンサルを行うのが多いので
住宅の依頼というのはめずらしい。

一緒に施主に会い、プランを進める。
コンサルタントは銀行からの借り入れなどを検討し、
どこの工務店に発注するかを相談する。

なんか、おかしい。
私に隠していることがある。
第6感が働いた。

施主はとんでもない借金をかかえていたのである。
消費者金融系、信販系、あわせて300万円くらい。
その他、車や家電品のクレジットをあわせると
500万円は超えていたであろう。
それを住宅ローンに上乗せして借り入れし
ひとつに借金をまとめようという魂胆だった。
銀行提出用の見積書は、坪20万円も上乗せつくる。
契約書もインチキ。

私は金儲けがヘタなのだろう。
裏がわかったとたん、設計の意欲がなくなった。
そして、コンサルタントに裁判所に行くように話すことを勧めた。
施主の前に行くことは、もう嫌だった。
謝る必要もないと判断した。

風のうわさでは、銀行借り入れが成功し、
新居もできたということである。
その家に、その施主が暮らしているかどうかはわからない。

世の中、こんなごまかしで幸せになれるもんじゃないと思うのだが。。。