一番不幸で一番幸福なのが人間ということか…

2014年04月01日 | 日記
 サルが食いかけでエサを捨てる理由(わけ)』

このタイトルから、サルにも人間界の飽食がひろがったのか…
と思い込み、社会学の本と勘違いして読み始めたら違ってました。
獣医師が書いた、地球上の生き物についての話でした。
サルはもともと、こういう行儀の悪いエサの食べ方をするそうなんです。
どの季節にどこにどんな木の実があるかをちゃんと知っいて、移動しながらそれらを食べるんですが、もいではひとかじりしただけで捨てちゃうらしいです。
うちの4歳の娘がこんなことしたら怒髪天を衝く勢いで怒りますよ。食べ物への執着心が強いですから、私は。娘がひとかじりして捨てた食物はほとんど無駄になりますから、もったいないじゃないですか!!
でもサルの場合、この行為によって、木に登れない動物(野ブタや昆虫、飛べない鳥などいろんな動物)が木の下でサルの食い残しにありつき、それぞれの棲家に散ってフンをして、植物の種が拡がるというふうに、ちゃ~んと自然界の仕組みとして成り立つのです。
ところで
なんで地球上にはこんなにもたくさんの生き物がいるのかっていったら
必要だから、だそうです。いても無駄な命はない、そうです。
なるほど。
死んで植物のこやしになるものもいれば、捕食者のエサになるものもいる。
みんななんらかの仕事を持っている。
人間を含む生き物の世界は、全部がつながっている。
要するに機械の歯車といっしょ。一個欠けてもだめ。なんとか動く場合もあるけど、基本的には歯車がいくつもなくなったら、仕掛けは動かなくなる。

やっぱり生物学の本だ…
私は機械の歯車なんかじゃない!一人の人間なんだ~~!
というスタンスではまったくない…
生き物の世界では人間の個人主義みたいなのは、クソ食らえだそうです…
これ、著者の言葉そのまんまですよ!お下品ですね~ 
重要なのは、種として生き延びることであって、この点は人間も同じである!
よって、自分探しの旅なんぞしている場合ではなく、みんなで力を合わせて人類絶滅の危機を乗り越えなきゃいけないのに、この期に及んでまだ「でもぉ」だの「ぼくがぁ」だの言っているのが人間ってやつだそうで、著者は昨今の若者に対し、相当じれったい思いを抱いている様子。

著者は人間が生物界の王者だとは思っていないみたいです。
人間とその他の動物の違いは、それこそ社会学ではよく言われることです。
どの動物が一番幸福か、っていったら、おそらく多くの人が人間って思ってるんじゃないですかね。だって、いくら自分の境遇が気にいらないからって、ゴキブリのほうがまだマシだよ~なんて思わないだろうからね。ライオンとか虎がそれほどいいもんじゃないってのも、なんとなく人間界の様子から多くの人が察してるだろうし。
「あんま変わんないじゃね?」っていうのが著者の意見です。
一方向からみると、動物によって幸・不幸があるようだけど、多方向からみたら五分五分、みんな平等じゃない?って。しいて言えば、この世に幸福なんてない。あるとすれば、次々と押し寄せる不幸を乗り越えた瞬間、それが幸福なんじゃないかと。
としたら、不幸を前にボケーっとしている動物は人間以外にいないし、不幸を乗り越えず、その努力もしない人間がいたら、それが最も不幸な動物ということになるわけですね!
そして、様々な困難が一番多いのはやはり人間なので、その困難をその都度乗り越える勇気と覚悟があるならば(ここがみそです!)乗り越える困難がもっとも多く押し寄せる人間が、一番幸福なのではないか、ということです!
ふーっ、ここに落ち着きました。
社会学の本かと思いきや生物学で、そうかと思ったら哲学や宗教学みたいじゃないか。
私は時々生物に関する本を読むんですが、人間が書いているだけに、おもしろいものが多いです。
自分と全く異なる境遇の生き物って、おもしろいです。
子どもとかも。悪いけど、人間とは思えません…だんなも、娘を見て真顔で言いますよ。
サルの子どもみたいや、って。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする